未来を乗り換えた男の紹介:2018年ドイツ,フランス映画。ドイツの作家アンナ・ゼーガースが1944年に発表した小説『トランジット』を、舞台設定を現代に置き換えて映画化したサスペンス作品です。難民問題とファシズムの再台頭に揺れる祖国ドイツからフランスに逃れた男が、別の人間になりすました事で起きる美しい悲劇をサスペンスタッチで描いた映画。
監督:クリスティアン・ペッツォルト 出演者:フランツ・ロゴフスキ(ゲオルク)、パウラ・ベーア(マリー)、ゴーデハート・ギーズ(リヒャルド)、リリエン・バットマン(ドリス)、マリアム・ザリー(メリッサ)、ロナウド・ククリーズ(ハインツ)ほか
映画「未来を乗り換えた男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「未来を乗り換えた男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
未来を乗り換えた男の予告編 動画
映画「未来を乗り換えた男」解説
この解説記事には映画「未来を乗り換えた男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
未来を乗り換えた男のネタバレあらすじ:起
現代。再びファシズムが台頭していた祖国ドイツを逃れた青年ゲオルク(フランツ・ロゴフスキ)はフランス・パリに滞在していました。しかし、ドイツ軍の足音はパリにも迫っていました。
パリのカフェで警察をやり過ごしたゲオルクの元に、翌日マルセイユに行くという仲間が現れ、報酬とマルセイユ行きへの同行と引き換えに手紙をパリ市内のホテルに滞在している作家ヴァイデルに渡すよう依頼されました。ところが、ゲオルクは指定された部屋に入ると、ヴァイデルは何と自殺してしまっていました。ヴァイデルの遺体はホテルの清掃員の計らいで埋葬され、ゲオルクはヴァイデルの遺した原稿とパスポートを手に入れると知人の元へ向かいましたが、街中は移民への取り調べが強化されており、ゲオルクは警察の監視の目を逃れながら進んでいきました。
未来を乗り換えた男のネタバレあらすじ:承
知人と会ったゲオルクは、成り行きから大怪我をしているハインツ(ロナウド・ククリーズ)という男を連れて行くことになりました。マルセイユ行きの貨物列車にハインツと共に隠れ乗ったゲオルクは、車内でヴァイデルの原稿、そして彼に渡すはずだった手紙を読みました。それらの中にはメキシコ領事館からの滞在許可証と共に彼の妻からの手紙もありました。その時、ゲオルクの肩を叩く見知らぬ女性と遭遇しましたが、女性は人違いと思ったのか足早に去っていきました。
ゲオルクはハインツの妻メリッサ(マリアム・ザリー)と息子ドリス(リリエン・バットマン)に彼の死を伝え、この街に留まろうとしたものの法外に高いホテル代を請求されそうになったことから意を決してメキシコに渡る決心を固めました。ところが、領事館の職員はゲオルクのことをヴァイデルだと勘違いしてしまい、また不法移民を取り締まる警察官にガサ入れされそうになったことから、ゲオルクは咄嗟にヴァイデルの身分証明書の写真を自分の写真とすり替え、ヴァイデルに成りすましたことで難を逃れました。
未来を乗り換えた男のネタバレあらすじ:転
ゲオルクはそのままヴァイデルとしてメキシコ経由でアメリカへ高飛びしようとしましたが、メリッサからドリスが急病になったことを知らされ、この街に不法滞在している医師のリヒャルド(ゴーデハート・ギーズ)に助けを求めますが、そこで以前遭遇した誰かを探している女性と偶然にも再会しました。その女性こそがヴァイデルの妻であり、今はリヒャルドと交際しているマリー(パウラ・ベーア)その人であり、どうやらまだヴァイデルの死を知らない様子でした。
リヒャルドはゲオルクにメキシコへ渡りたいとの希望を打ち明け、マリーもリヒャルドについていくつもりでしたが、結局は二人とも一旦船に乗ったものの下船してしまい、そのままマルセイユに滞在しているのだというのです。
翌日、ゲオルクはマリーの元を訪れ、彼女は一旦ヴァイデルとの別れを決意して船に乗ったものの、やはり彼を忘れることができなかったという心境を明かしました。その後、リヒャルドはマリーを連れてマルセイユを離れる決断をし、ゲオルクは二人のためにメキシコへの乗船券を調達して三人で旅立とうと持ち掛けました。
未来を乗り換えた男の結末
ゲオルクはヴァイデルの身分証明書を使って乗船券を入手、まずはリヒャルドを先に行かせてからゲオルクとマリーが後からメキシコへ渡るという計画を立てました。そしてリヒャルドが旅立った後、マリーはゲオルクに自分はメキシコには行かず引き続きこの地でヴァイデルを探すという決意を明かしました。ところが、そこに手違いで乗船を拒否されたリヒャルドが戻ってきました。結局リヒャルドもマリーもメキシコ行きを断念したことから、目標を見失ってしまったゲオルクは引き続きマルセイユに滞在していたところ、そこに旅支度をしたマリーが現れ、やはりメキシコへ行きたいと告げてきました。
ゲオルクはリヒャルドに自分の乗船券を渡し、マリーと二人でメキシコへ行くよう促しました。そして翌日、リヒャルドを乗せた船は出航していきましたが、その後に行きつけのレストランに立ち寄ったゲオルクはやはりヴァイデルを探しているマリーの姿を目撃しました。不安を感じたゲオルクは船会社を訪れ、乗船名簿を確認しようとしたところ、リヒャルドの乗った船は途中で機雷に接触して沈没、乗員乗客全員が死亡したことを知らされました。動揺したゲオルクはメリッサとドリスの元を訪ねますが、二人ともいつの間にか姿を消していました。そしてゲオルクはこのマルセイユで再びマリーが現れるのを待つことにしました。
以上、映画「未来を乗り換えた男」のあらすじと結末でした。
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