國民の創生の紹介:1915年アメリカ映画。北部の有力議員ストーンマンの子供たちは南部のキャメロン一家と親交を結んでいたが、南北戦争によって両家は引き裂かれる。そして内乱の後、南部をさらなる不幸が襲う。「映画の父」D・W・グリフィスがニューヨークからカリフォルニアに製作拠点を移して放った空前の超大作。映画史の最初の二十年の芸術的・技術的達成を詰め込み、大ヒットを記録し映画産業を巨大ビジネスに育てた。しかし、あからさまな黒人差別は公開当時から批判を浴び、今日この作品を嫌悪するアメリカ国民は多い(白人至上主義団体クー・クラックス・クランの復興に結果的に力を貸してしまったという汚名も)。映画史のランドマークであると同時に映画史上最大の問題作の一つであり続ける。
監督:D・W・グリフィス 出演者:リリアン・ギッシュ(エルシー・ストーンマン)、エルマー・クリフトン(フィル・ストーンマン)、ヘンリー・B・ウォルソール(ベン・キャメロン)、ミリアム・クーパー(マーガレット・キャメロン)、メエ・マーシュ(フローラ・キャメロン)、ジョージ・シーグマン(サイラス・リンチ)その他
映画「國民の創生」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「國民の創生」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
國民の創生の予告編 動画
映画「國民の創生」解説
この解説記事には映画「國民の創生」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
國民の創生のネタバレあらすじ:内乱以前
北部の有力国会議員オースティン・ストーンマンの息子フィルは、弟のトッドを連れて寄宿学校の友人であるベン・キャメロンを南部サウスカロライナ州ピードモントに訪れる。
ストーンマン家の長女、ベンの妹マーガレットとフィルが次第に親密になる一方、ベンはフィルがもっていたフィルの妹エルシーの写真に理想の女性を発見する。ベンは写真をフィルに返さず自分のものにしてしまう。
別れの時、トッドは大の仲良しになったストーンマン家の末の男の子であるデュークと再会を約束する。
やがて南北戦争が始まる。エルシー・ストーンマンは軍に志願した兄弟を笑顔で見送るが、二人がいなくなったとたんに泣き出す。キャメロン家ではキャメロン家の三兄弟を含む兵士たちのための送別舞踏会が夜通し行われた。
國民の創生のネタバレあらすじ:内乱とその後
ピードモントは攻撃を受け、キャメロン家も荒らされる。トッド・ストーンマンとデューク・キャメロンは敵味方として再会し、仲良く並んで死体となる。キャメロン家の次兄も戦死するが、前線で奮戦し負傷した長兄ベンは、フィル・ストーンマンに助けられる。
ベンの入った軍の病院にはエルシーがナースとして働いていた。ベンは彼女にフィルから失敬していた彼女の写真を見せる。そこにベンの母がはるばる面会に来たが、ベンを処刑せよという圧力がかかっていることを知る。キャメロン夫人はエルシーにリンカーン大統領の執務室へと連れられて大統領に息子の助命を願い出てそれは功を奏した。
リー将軍がグラント将軍に降伏し南北戦争は終わる。除隊になったベンが帰郷する。小さかった下の妹フローラはすっかり娘らしくなっていた。
1865年4月14日、観劇中に大統領が撃たれる。観客席にいたフィルとエルシーはこの事件を目撃することになった。寛大な大統領の死は再建を始めた南部に暗い影を落とす。
國民の創生のネタバレあらすじ:ピードモントに集まる人々
リンカーンの死によって、南部の急進的改革を唱えるストーンマン議員は国政において絶大な影響力をもつようになる。ストーンマンは白人・黒人混血の青年サイラス・リンチを黒人優遇政策の実行のために南部に派遣し、リンチはピードモントを彼の拠点と定める。
やがてストーンマン自身も病気療養のために子供たちと共にピードモントに行きキャメロン家に部屋を借りる。エルシーはフローラとすぐ仲良しになり、ベンがリンチと握手すらしないのは気になるが、ベンとの仲も徐々に進展していく。ただし、弟二人を失ったマーガレットはフィルに対してまだわだかまりがあった。
南部の政治は無知な黒人たちと一旗揚げようと北部から移ってきた白人たちとに牛耳られる。よこしまな権力欲にとりつかれたリンチが知事代理に選ばれる。
國民の創生のネタバレあらすじ:クランの誕生
裁判では白人に不公平な判決が下り、黒人が多数派を握った州議会は混乱し、黒人兵が暴虐をはたらく。南部の秩序を回復するためにベン・キャメロンは同志と共に、秘密結社クー・クラックス・クラン(KKK)を結成する。
ベンは白人の子供が白い布をかぶって幽霊の格好をして黒人の子供を怖がらせているのを見て、KKKの白装束を思いつく。
國民の創生のネタバレあらすじ:フローラの死
黒人兵ガスがフローラに目をつけキャメロン家の周りをうろつくようになる。ベンの警告を無視して外に遊びに出たフローラにガスが近づいて求婚するが、フローラはガスをぶって、森の中を逃げる。
しかし崖の上に追いつめられてしまう。フローラを心配してベンが探しに来るが一足遅く、フローラは崖下に身を投げ、兄の腕の中で息を引き取る。
町の白人たちはガスを捜索しつかまえる。KKKの公平な裁きにより処刑されたガスの死体はサイラス・リンチのオフィスの前に投げ捨てられる。
國民の創生の結末:クランの騎行
KKKが一大行動を準備している間に、キャメロン家でKKKの装束が発見されベンの父が逮捕される。キャメロン家の忠実な黒人召使やフィル・ストーンマンがキャメロン氏を救出し、彼らとキャメロン一家は元北軍兵士が住む丸太小屋に避難させてもらう。
父親が不在のため、エルシーはキャメロン氏の助命嘆願のために一人でリンチの元に行くが、リンチは前々から狙っていたエルシーに自分との結婚を強制しようとする。
監禁されたエルシーも兵士たちに囲まれた丸太小屋の人々も絶体絶命の危機を迎えている時、ベンの率いるKKKの大騎馬隊が町に向けて急行しつつあった。まずピードモントの町を黒人兵たちから解放しベンがエルシーを救出する。そして間一髪のところで丸太小屋の人々を助け出す。町をパレードするKKKの騎馬隊は歓呼して迎えられる。
ベンとエルシー、フィルとマーガレットの二組の夫婦は海岸で新婚旅行を楽しむ。
以上、映画「國民の創生」のあらすじと結末でした。
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