昨日・今日・明日の紹介:1963年イタリア,アメリカ映画。オムニバス形式で綴られる3組の男女の恋愛コメディ作品。逮捕を免れるため妊娠と出産を繰り返す「アデリーナ」、裕福な人妻が青年と浮気をしようとする「アンナ」、美しいコールガールに心奪われた神学生を描いた「マーラ」の三部作。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが共通して主演を務める。
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ 出演:ソフィア・ローレン(アデリーナ / アンナ / マーラ)、マルチェロ・マストロヤンニ(カルミネ / レンツォ / ルスコーニ)、ジョヴァンニ・ルドルフィ(ウンベルト)、ティナ・ピカ(ウンベルトの祖母)ほか
映画「昨日・今日・明日」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「昨日・今日・明日」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
昨日・今日・明日の予告編 動画
映画「昨日・今日・明日」解説
この解説記事には映画「昨日・今日・明日」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
昨日・今日・明日のネタバレあらすじ【ナポリのアデリーナ】
舞台は1954年、イタリアのナポリ。下町に暮らすカルミネとアデリーナ夫妻の家に、役人がやって来ました。アデリーナが闇たばこを販売した罰金を払わずにいたため、家財の差し押さえに来たのです。しかし家の中はもぬけの殻。近隣住人が結託して、アデリーナの家財をあちこちの家に隠しておいたのです。それを目撃した弁護士ヴェラーチェは、これは犯罪行為ですぐにでも憲兵隊が来るだろうと警告しました。
アデリーナはヴェラーチェの家に押しかけ、何とか出来ないかと喚きます。カルミネが失業中の上に子どももまだ幼く、家族を養うためには仕方のないことだと主張するアデリーナ。するとヴェラーチェは「安心しなさい 逮捕は免れるよ」と微笑みました。理由はアデリーナが妊婦だからです。妊娠中と産後半年は逮捕されないと知り、アデリーナは刑務所行きを免れるため妊娠と出産を繰り返すことにしました。この計画で夫妻は7人の子どもに恵まれます。てんてこ舞いの日々を送るアデリーナが美しさに磨きをかけていく一方、カルミネは疲労と栄養失調に陥りどんどんやつれていきました。
そしてついに子どもを作ることが出来なくなります。アデリーナは不倫も考えましたが結局踏み出せず、乳幼児の娘2人を連れて刑務所に入りました。カルミネは大統領に恩赦の嘆願書を出し、町中の人がアデリーナの刑期を短縮させるため金を集めます。彼らの運動が実を結び、アデリーナは釈放されることになりました。町中が歓喜と祝福に包まれる中、アデリーナは愛しい家族と再会を果たします。
昨日・今日・明日のネタバレあらすじ【ミラノのアンナ】
舞台はイタリアのミラノ。会社社長を夫に持つアンナは、ロールス・ロイスである青年を迎えに行きました。彼の名前はレンツォ、昨夜のパーティーで知り合った作家です。レンツォに運転を任せたアンナは、自身が抱える孤独を口にしました。金はあってもアンナの毎日はとても虚しいものでした。
夫は金と仕事にしか興味がなく、アンナ自身もコネクションのために忙しい日々を送っています。金に執着しないレンツォはアンナにとって非常に新鮮で、魅力的な男性でした。2人で遠くへ行きたい、そのためなら金も車も宝石も捨てられると熱っぽく語るアンナ。レンツォは彼女の傍若無人な態度に面食らっており、金持ちの気まぐれだろうと聞き流していましたが、悪い気はしません。アンナの言葉をうっとり聞いていたレンツォは、前方に立つ花売りの少年に気付き慌ててハンドルを切りました。そして停まっていたブルドーザー車に追突してしまいます。煙を上げる愛車を見たアンナは、態度を豹変させレンツォを罵りました。通りかかった高級車を呼び止め、運転していた男性に助けを求めます。
アンナと男性は、庶民に高級車の扱いは分からないと言ってレンツォを散々馬鹿にしました。男性はアンナに、修理工場に寄った後自宅まで送ろうと提案します。喜んだアンナはレンツォに後処理を任せ、さっさと男性の車に乗り込み走り去ってしまいました。
昨日・今日・明日のネタバレあらすじ【ローマのマーラ】
舞台はイタリア、ローマ。高級コールガールのマーラが自宅アパートの庭へ出ると、隣家に滞在している神学生と目が合いました。ウンベルトという名前の純朴な神学生は、休暇で祖父母の家に来ていたのです。ウンベルトは美しいマーラに心奪われ、彼女のためなら僧衣も脱ぐと口にしました。マーラも悪い気はしませんが、齢の離れた若い神学生を相手に本気にはなれません。そこにウンベルトの祖母ゼランダが現れ、マーラと口論になります。ゼランダはマーラを「ふしだらな女」と罵り、孫に手を出すなと言い放ちました。怒り心頭のマーラは、約束していた客のルスコーニを放ってゼランダに一泡吹かせようと計画を練ります。
マーラを抱けると思ってほくほくとやって来たルスコーニはお預けを食らいます。ところが翌日、ゼランダが泣きながらマーラの部屋にやって来ました。マーラに本気で恋をしてしまったウンベルトが、もう神学校に戻らないと言い出したそうです。悲しむゼランダを不憫に思ったマーラは、彼女に協力することを約束。望む通りに説得すると言い、1週間仕事を休むという誓いまで立てました。ゼランダはマーラを天使だと称賛し、2人はすっかり仲良くなります。マーラは約束通りウンベルトを拒絶し、神学校へ戻るよう説得しました。しかし若いウンベルトの情熱はそう簡単に静まりません。
マーラとルスコーニは最終的にゼランダの家に踏み込み、ウンベルトを納得させました。恋に破れた彼は肩を落として神学校へ帰るためのバスに乗ります。喜ぶマーラを抱え上げたルスコーニは、念願の性行為に及ぼうとしました。しかしマーラは誓いを立てたことを理由に拒絶します。「あんまりだ!」と喚くルスコーニを宥めたマーラは、一緒に祭壇の前に座りました。そして「どうか 罪深き私をお許しください」と祈りの言葉を捧げます。
以上、映画「昨日・今日・明日」のあらすじと結末でした。
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