スキナーの紹介:1993年アメリカ映画。美女を殺して皮を剥ぐ殺人鬼の狂気を描いたサイコ・ホラー。部屋を貸して家計の足しにしている人妻ケリーの家に、スキナーという男が現れた。実直そうな好青年だが、彼の正体は人間の皮を剥いで身に付ける殺人鬼だった。無害な人間を演じながら、虎視眈々とケリーを狙うスキナー。一方、彼を追って半身を引きずる美女ハイジが町に現れる。
監督:アイヴァン・ネイギー 出演者:テッド・ライミ(デニス・スキナー)、トレイシー・ローズ(ハイジ)、リッキー・レイク(ケリー・テイト)、デビッド・ウォシャウスキー(ジェフ・テイト)ほか
映画「スキナー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スキナー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スキナー」解説
この解説記事には映画「スキナー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スキナーのネタバレあらすじ:静かなサイコ・キラー
舞台はアメリカ。ケリー・テイトは留守がちな夫ジェフに不満の電話をかけていました。ケリーは一人ぼっちにされるのが嫌で、生活のためと分かっていても寂しさに耐えられません。そんな彼女の家に、1人の男が現れました。彼の名前はデニス・スキナー。貸し部屋の張り紙を見てやって来たそうです。生活が苦しいケリー達は、家の一室を貸して家計の足しにしていました。真面目そうなスキナーに安心したケリーは、彼に部屋を貸すことにします。しかしスキナーには恐ろしい秘密がありました。彼は美女を殺害してはその皮を剥ぎ、身に着けることを趣味とする殺人鬼だったのです。
夜になり、町の安ホテルにハイジと名乗る美女が現れました。手袋や髪で左半身を隠している彼女は、その半身を不自由そうに動かしています。部屋に入ったハイジは鏡を新聞紙で覆い、手袋を外しました。酷く爛れている手に薬を注射するハイジ。辛そうに「見つけてやる」と呟いた彼女は、取り出したスキナーの写真をじっと睨みつけます。スキナーは狙いをケリーに定めつつも、彼女の信用を得るため家では大人しくしていました。その代わりに、町の売春婦達を次々殺害していきます。しばらくして帰宅したジェフは、自分の留守中に、しかも男に部屋を貸したケリーに対し怒りをぶつけました。笑顔で挨拶するスキナーにも不快感を顕にします。
スキナーのネタバレあらすじ:スキナーの異常性
スキナーは売春婦を縛って自由を奪い、その肌にナイフを滑らせる日々を送っていました。そんなある日、ケリーは洗濯カゴに入っていたスキナーのタオルを見つけてギョッとします。タオルには大量の血を拭き取ったような汚れが残っていました。動揺するケリーを見つけたスキナーは、咄嗟に自分は血友病を患っているので少しの傷でも酷く出血するのだと嘘をつきます。ケリーは納得したようで、安心したように笑いました。スキナーは工場で働くようになり、人気のない物置のような場所を見つけます。都合の良い道具が揃っているその部屋に、スキナーは満足そうに笑いました。
ある夜、スキナーはいつものように道で売春婦を襲い、拉致しようとしました。そこへ「やめなさい!」とハイジの声が響きます。駆けつけたハイジに怯んだスキナーはその場から逃げ出しました。ハイジは被害者を助けようとしますが、背後から現れたスキナーに殴られ意識を失います。その隙に売春婦は工場に拉致されてしまいました。スキナーは昔語りをしながら売春婦の皮を丁寧に剥いでいきます。スキナーの母は彼が6歳の時死亡。父は幼い息子の目の前で母の皮を剥ぎました。スキナーは強いショックを受けましたが、気付くと母の顔の皮を剥ぎ取っていたそうです。スキナーは絶命した売春婦の皮を剥ぎ、それを縫い合わせて身に付けました。彼はうっとりした様子で悦楽に浸ります。
スキナーのネタバレあらすじ:侵略する殺人鬼
スキナーの被害者はどんどん増えていきました。職場の同僚で腕っ節に自信のあるアールから馬鹿にされたスキナーは、早速彼を殺害して皮を剥ぎます。夜、全身にアールの皮を身につけ彼になりきって遊びました。ちょうどその時、1人で歩いていた女性が不幸にもスキナーに遭遇してしまいます。絶叫して逃げた彼女をアールになりきったスキナーは上機嫌で追い回しました。女性を撲殺したスキナーは帰宅しようとしますが、工場の警備員ボブとその飼い犬が近くにやって来ます。スキナーはアールの皮を犬に与え、その場から逃げ去りました。皮を食べた犬は次第に弱り死亡してしまいます。
ジェフは相変わらずスキナーを嫌い、邪険にしていました。ケリーから態度の悪さを注意されると、「君とあいつ(スキナー)の家だからな」と吐き捨て出て行きます。ケリーは深く傷つき、1人涙を流しました。慰めるスキナーに心を許した彼女は、ついに彼と肉体関係を持ってしまいます。
スキナーのネタバレあらすじ:狙われたケリー
ハイジはスキナーを捜して夜の町を歩き回りましたが、不発に終わりホテルに戻ります。部屋では勝手に侵入したホテルの支配人が彼女を待っていました。支配人は美しいハイジに目をつけ、隣室から覗いたり尾行したりしていたのです。更にスキナーのことも調べ、彼がテイト家に住んでいることを掴んでいました。支配人はスキナーの居場所を教える代わりに、ハイジの肉体を要求します。ハイジは注射器を握りしめ、居場所を聞き出すと支配人を殺害しました。
その頃、スキナーは皮を装着した姿でケリーの前に現れます。そして「本当の僕を見てほしい」と言って皮を脱ぎました。血まみれのスキナーを見て、ケリーは絶叫します。ハイジがテイト家に踏み込んだ時には、既にケリーはスキナーに拉致されていました。ちょうど帰宅したジェフは、何が起きているのか分からずハイジに説明を求めます。5年間もスキナーを捜していたというハイジは、「あいつの仕業よ」と言って帽子とウィッグを取りました。彼女は髪の毛を失い、左顔面は皮を剥ぎとられて無残な姿になっています。ハイジはスキナーの被害者だったのです。スキナーが向かったのは職場だろうと考えたハイジは、未だ困惑しているジェフに工場まで案内させました。
スキナーの結末:理不尽な社会
工場に拉致されたケリーは、ロープで両手首を縛られ吊るされていました。スキナーはナイフを研ぎながら優しく話しかけています。工場に到着したハイジは血痕を辿って物置を目指しました。彼女はスキナーを殺すのは自分だと執念を燃やすあまり、同行していたジェフに薬を注射します。ジェフはその場に倒れ、苦しんでいるところをボブに発見されました。ボブは急いで銃を取りに戻ります。ハイジはついにスキナーと対峙しました。ハイジにロープを切って貰ったケリーは、床に倒れたまま怯えています。
ハイジの復讐の刃がスキナーに振り下ろされようとした時、ボブが現れました。状況を把握出来ないボブは、咄嗟にスキナーもハイジも撃ってしまいます。被弾した2人は並んで倒れました。痛みにうめくスキナーに、ハイジは「いい気味」だと呟きます。しかしスキナーは不敵に笑いました。この社会が自分のような人間の味方だと知っているからです。逮捕されても精神鑑定を受け、2、3年してほとぼりが冷めれば釈放だと言うスキナー。彼が「これで終わりじゃないのさ」と笑い、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画スキナーのあらすじと結末でした。
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