RBG 最強の85才の紹介:2018年アメリカ映画。80歳を過ぎても男女平等のために戦う女性最高裁判事ギンズバーグは、2010年代に高齢化社会を迎え、多様な人種の共存、女性の権利の拡大を発展させるアメリカの新しいアイコン(社会的象徴)になりました。『RBG 最強の85才』はギンズバーグの功績だけでなく、夫や家族、同僚との知られざるエピソードが紹介されています。アメリカ政治、女性差別問題に興味のある人におすすめの映画、高齢化社会の日本でも多くの方に勇気を与えてくれる映画です。
監督:ベッツィ・ウェスト、ジュリー・コーエン 出演:ルース・ベイダー・ギンズバーグ、マーティン・ギンズバーグ、ビル・クリントン、バラク・オバマ、ほか
映画「RBG 最強の85才」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「RBG 最強の85才」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
RBG 最強の85才の予告編 動画
映画「RBG 最強の85才」解説
この解説記事には映画「RBG 最強の85才」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
RBG 最強の85才のネタバレあらすじ:起・ギンズバーグ判事とは?法律家への道
映画の冒頭、多くの人がギンズバーグを賞賛します。85歳でも現役で、エクササイズに取り組み、お笑い番組ではネタにされ、大衆的な人気者のギンズバーグ米国最高裁判事とはどういう人でしょうか? ルース・ベイダーは1933年にニューヨークで生まれました。両親は教育の重要性を娘に教えます。コーネル大学在学中に夫となるマーティン・ギンズバーグと出会います。
結婚して名前もルース・ベイダー・ギンズバーグとなります。ギンズバーグは出産後の1950年後半、ハーバード大学で法律を勉強しますが、当時はハーバードで法律を勉強する女性は珍しい時代でした。その後、夫の仕事の都合でニューヨークに引っ越したため、同市にあるコロンビア大学を卒業します。
RBG 最強の85才のネタバレあらすじ:承・アメリカ最高裁判事ギンズバーグ
ギンズバーグは女性差別の激しい1960年代に弁護士になり女性権利拡大に取り組みます。黒人差別解消の運動が盛んな時代、ギンズバーグは女性差別も解消しなければと考えます。1970年代にはギンズバーグは女性であるがゆえに男性と同じ権利を受けられない弱者のために戦い、いくつかの裁判で最高裁で勝利します。
1977年女性の権利拡大に積極的なジミー・カーターが大統領に就任します。カーターはギンズバーグをコロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所判事に任命します。関係者は税務関係の弁護士であった夫との関係も良好だったと話し、子供達も楽しい少年時代を回想します。
RBG 最強の85才のネタバレあらすじ:転・アメリカ最高裁での女性のための戦い
1993年にはクリントン大統領は面接でギンズバーグを気に入り、アメリカ最高裁判所の判事に任命します。彼女は上院の公聴会で大物政治家を前に、自らの意見を述べ、賛成96、反対3で正式に承認されます。1996年の、すべて男性であったバージニア州ミリタリー・アカデミーに、女性志願者を認める最高裁判決でのギンズバーグの果たした役割が紹介されます。2017年、同校の卒業生のイベントに彼女は招待され、多くの女性卒業生より拍手を浴びます。
2001年に就任したブッシュ大統領時代、最高裁は保守的になります。最高裁での彼女の進歩的な考えは、保守的な他の判事と対立しますが、個人的には良い関係を築きます。2009年のオバマ大統領の就任、彼女は女性の給与の低さを是正するために法案を支持します。2010年には夫のマーティンが亡くなり、ギンズバーグも80歳を超えますが仕事を辞めません。
RBG 最強の85才の結末:アメリカの新しいスター80代のギンズバーグ
2010年代にギンズバーグはインターネット上の人気者になります。Notorious RBGとアメリカのラップ歌手ノトーリアス・B.I.G.よりニックネームがつけられます。”Notorious”とは「悪名高い」という意味ですが、逆説的に彼女を称える言葉として、彼女も気に入ります。
彼女の伝記が出版されベストセラーになり、シャツやコーヒーカップも登場し、80歳を過ぎても頑張る姿勢は人気となります。お笑いタレントが彼女のものまねをしてギンズバーグは笑います。高齢のため病気もありますが、彼女は若い男性をトレナーにつけてエクササイズを行います。オペラ鑑賞が趣味の彼女は突然舞台に登場し、拍手を浴びます。2016年の大統領選挙ではトランプ候補を批判します。
映画の最後、彼女のアメリカへの愛国心と男女平等への思いが語られます。
以上『RBG 最強の85才』のあらすじと結末でした。
ギンズバーグの本質に迫ったドキュメンタリーで、興味深かったです。実は控えめで生真面目な性格であったということは知りませんでした。やはり本当の知性を持った人は、声を荒げずに主張するのですね。一番よかったのは最高裁判事になってからの、保守派判事との友情。意見は違えど友情を育むことができるというのは、いまのアメリカのいい見本となると思います。