スコルピオの紹介:1973年アメリカ映画。「世界を席捲する恐怖の組織CIA〈米〉対KGB〈ソ〉。二大スターの対決が巨大な興奮をうみ、今その全貌に挑む!」アラン・ドロン、バート・ランカスターの共演で国家組織の非情さを描いたスパイ・サスペンス映画です。二重スパイのCIA局員の命を狙う国際戦をオールロケ、ハードボイルド・タッチで描いています。
監督:マイケル・ウィナー 出演:バート・ランカスター(クロス)、アラン・ドロン(ローリエ)、ポール・スコフィールド(ザーコフ)、ジョン・コリコス(マクラウド)、J・D・キャノン(フィルチョック)、ほか
映画「スコルピオ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スコルピオ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スコルピオの予告編 動画
映画「スコルピオ」解説
この解説記事には映画「スコルピオ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スコルピオのネタバレあらすじ:1.暗殺
CIA本部から中東某国の元首を暗殺指令が下りました。CIAのベテラン諜報員クロスは、フランス人の殺し屋ローリエに仕事を依頼しました。ローリエは暗号名「スコルピオ」と呼ばれる金で動くフリーの若手殺し屋でした。二人は共にパリに降り立った元首を暗殺し、この仕事を成功させました。「知り過ぎるのは危険だ。知れば知るほど命を縮める」スパイ稼業から引退を考えていたクロスは、ローリエを自身の後継者にしようと教育していました。
仕事を終えた二人は共にパリからワシントンD.C.へと向かいました。空港に到着したクロスを、妻サラが出迎えます。愛するサラと平穏な暮らしをしようとするクロスでしたが、それは直ぐに打ち破られます。CIA諜報員がなぜか彼の命を狙って来たのです。命の危機を感じたクロスは、サラに再会を約束して、暫く身を隠すことにしました。
スコルピオのネタバレあらすじ:2.不敵
一方、ローリエの前に現れたのは、CIA本部の大物フィルチョクでした。実は、ローリエはクロスをパリで暗殺するようにCIAから指示されていたのですが、その命令に従わなかったのでした。「なぜ、殺さなかった」フィルチョックはローリエを咎めました。それはローリエにとってクロスは、生きる術を教えてくれた心優しい先輩だったからでした。
「なぜ彼を暗殺しなければならない」その理由をCIAのマクラウド長官は、クロスは二重スパイとしてソビエトのKGBと通じていると言います。しかし、それは彼と長年仕事をしてきたローリエには即座に信じられない話でした。なかなか首を縦に振らないローリエに業を煮やしたCIAは、彼にヘロイン密売の冤罪をかけ逮捕しました。そして、ローリエに30年の実刑をくらうか、クロスを殺すかという究極の選択を迫りました。「俺には何の得にもならない。クロスは結構おしゃべりでね。スキャンダルのネタには事欠かない」それでもローリエは不敵に拒み続けます。「望みは?」「仲間入り」マクラウドはローリエにクロス暗殺成功の暁には、2万5千ドルという莫大な報酬とCIA諜報員のポジションも用意すると約束しました。
スコルピオのネタバレあらすじ:3.脱出
いち早く身の危険を察知したクロスは単身、国外へ脱出しました。CIAの追跡や監視を巧みにかわして、クロスはオーストリア・ウィーンへ逃げました。そこで彼を匿ってくれたのは、KGB諜報員のザルコフでした。「我々はもう時代遅れの人間だ。新しい連中が出てる。時代だよ。効率だけが重視されえいる」二人は敵味方や信条の違いを超えて、心を許し合える仲でした。それも二人にとっては、厳しい諜報界で互いに生き抜くための知恵でした。
その頃、ローリエはクロスを追い、恋人スーザンに暫しの別れを告げて、ウィーンへ到着しました。現地のCIA諜報員と共にローリエはクロスの行方を追います。ローリエが自分の命を狙っているのを知ったクロスでしたが、「この男を消すか?」と問うザーコフに、クロスは首を横に振りました。そこには意外な事実があったからでした。
スコルピオのネタバレあらすじ:4.裏切り
クロスはベテランの経験から、至る所に情報網や協力者を張り巡らし、身を隠しました。そんなクロスには敵わず、ローリエたちはあと一歩の所で彼を取り逃がしてしまいます。苛立つCIA本部は、ついに強盗に見せかけてクロスの留守宅を捜索しました。ところが、そこに運悪く帰宅したサラを諜報員は誤って殺してしまいました。
その頃、クロスはKGBからも命を狙われていました。「逃げてくれ。一刻も早く遠くへ。もはや君にとって敵しかいない」ザルコフはクロスを逃がそうとしました。そんな矢先、最愛の妻・サラの訃報が届きます。事件を知らされたクロスは復讐を誓います。ザルコフの協力でモスクワへ逃亡したと見せかけ、クロスは密かにアメリカへ帰国しました。
CIAはクロスのトリックにまんまとひっかかり、マクラウド本部長は暗殺されてしまいます。ただ、ローリエだけはクロスの動きを完全に読んでいました。一旦はローリエを切り捨てようとしたCIAでしたが、彼に仕事を続けるように依頼します。「もうすぐ奴は最後のデカい仕事をする」「裏切りの証拠を見せろ」CIAはローリエに1本のビデオを見せます。その中でローリエは思わぬ人物の姿を目にしました。それはなんと恋人スーザンでした。
スコルピオの結末:哀しき報酬
密かにローリエはスーザンの跡をつけました。そこに現れたのはクロスでした。事情を話そうと駆け寄るスーザンにローリエは引き金を引きました。スーザンは静かに息絶えました。実はスーザンはチェコのスパイでした。「俺の目を見て殺せ」「今度ばかりは平気で撃てる」「君は利口な男だ。CIAに入るためにこの仕事を受けた。入れば罪悪感も薄れる」「一度は諦めた。彼女と一緒にパリへ…。なのに…」「残念だ。俺の計画じゃない。さあ、撃て。君のためだ。手柄を立てろ」クロスとローリエは対峙しました。
ローリエはクロスに向け、引き金を引きました。「善も悪もない…目指すのは勝利でもなく…敗北でもない。ゲームを続けることだ」虫の息のクロスに、ローリエは止めを放ちました。仕事を終えた殺し屋ローリエを待っていたのは、1匹の可愛い野良猫でした。そこに一発の乾いた銃声がしました。そして、1人の殺し屋が倒れました。
以上、映画「スコルピオ」のあらすじと結末でした。
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