ドール・ハウスの紹介:1990年アメリカ映画。悪霊が乗り移った人形の恐怖を描くホラー作品。人形製造の事業を始めるため、メキシコに移住したリード一家。娘のジェシカは工場に残っていた人形ドリーをプレゼントされ、大喜びで可愛がる。しかしそれ以降、ジェシカは奇行を繰り返し、母マリリンを敵視するようになった。ドリーには解き放たれた恐ろしい悪霊が乗り移っていたのだ。チャイルドプレイの女の子版のような作品。
監督:マリア・リース 出演者:デニース・クロスビー(マリリン・リード)、サム・ボトムズ(エリオット・リード)、クリス・デメトラル(ジミー・リード)、リップ・トーン(レズニック教授)ほか
映画「ドール・ハウス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ドール・ハウス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ドール・ハウスの予告編 動画
映画「ドール・ハウス」解説
この解説記事には映画「ドール・ハウス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ドールハウスのネタバレあらすじ:解き放たれた悪霊
舞台はメキシコ、アパラ市。考古学者ララビーは、夜に1人で遺跡の発掘作業を続けていました。すると遺跡の奥から赤い光が出現します。それは遺跡に封じられていた邪悪な魂でした。ララビーは突然倒れた岩の下敷きになり死亡。邪悪な魂は隣の廃工場に飛んでいきます。
それから少し経って、ロサンゼルスからリード一家が引っ越してきました。父親のエリオットが新しく人形の製造販売会社を立ち上げたため、家族で移住することになったのです。母親のマリリンは、明確な反対はしないものの浮かない顔をしていました。新しい家に着くと、家政婦のカミーラが一家を出迎えます。中学生の息子ジミーは歴史関係の書籍を見て喜びました。まだ幼い娘ジェシカは友人と離れたことを悲しんでいます。
そんな子ども2人を連れ、エリオットは買収した人形工場に向かいました。保存状態は良好と聞いていましたが、工場は一切の手入れが入っておらずボロボロの状態です。しかし製造していた人形自体は素晴らしい出来で、ジェシカは残っていた女の子の人形を一目で気に入りました。
エリオットからプレゼントされた人形をドリーと名付け、ジェシカは大切に可愛がります。ジミーは隣の遺跡に興味を抱きました。ララビーの事故以来、大学の教授が来るまで立ち入り禁止になっているそうです。その夜、ジェシカはドリーを椅子に座らせ「あなただけが友達よ」と呟きました。彼女がベッドに入ると、ドリーの首がギシギシと動き始めます。
ドールハウスのネタバレあらすじ:ジェシカの異変
翌日。マリリンはカミーラと料理をしていました。カミーラの妹はカルメル会に所属する修道女であり、家族はそれを誇りに思っているそうです。屋敷の裏庭にはドールハウスと呼ばれている可愛らしい小屋がありました。ジェシカはそこでドリーと遊び始めます。
その後マリリンが子ども達を連れて外出し、帰宅すると家の前に神父が来ていました。家のお清めを行っているらしいのですが、ジェシカの様子が徐々におかしくなります。そして突然険しい顔で絶叫しました。ただならぬ様子に慌てるマリリンとジミー。神父が去り、ドリーを腕に抱くとジェシカはやっと落ち着きます。それを見ていたカミーラは邪悪な気配に顔を青くしました。
ジェシカの様子は日に日におかしくなり、ドリーが教えてくれたという奇妙な絵を一心不乱に描いたり、突然カミーラを突き飛ばしたりします。敵意も顕にカミーラを睨みつけるジェシカは、何事かを呟いてその場から去りました。驚いたマリリンが謝ると、カミーラは「あの子は今 サンジアの言葉をしゃべった」と怯えます。そして「彼らの邪悪な魂が眠りから覚めて――よみがえったんです」と訴えました。一家が祈祷を行う気が無いと知ると、すぐに辞職を申し出ます。
夜、ドリーがいなくなったことに気付いたジェシカは屋敷を探し回りました。ドリーは小さな靴音を響かせながら、「ジェシカ こっちよ」とドールハウスに招きます。フラフラと裏庭に出たジェシカを止めたのはカミーラでした。彼女はジェシカの腕を掴み、強引に家に連れ戻そうとします。しかし何故か全ての出入り口が開かなくなっていました。カミーラは仕方なくジェシカをその場に残し、地下室へ向かいます。そこで自在に動き回るドリーに襲われ惨殺されてしまいました。
ドールハウスのネタバレあらすじ:サンジア族の謎
カミーラの死以降、ジェシカはますますドリーへの執着を強くします。髪もドリーとお揃いにするため勝手に切ってしまいました。
一方、大学教授でララビーの親友レズニックが遺跡の調査にやって来ます。興味津々のジミーは、勝手にレズニックの助手に立候補し遺跡を探検し始めました。奥には墓室があり、紋様に囲まれた小さな棺が置かれています。ジミーは電話を探すレズニックを隣の人形工場に案内し、エリオットにも紹介しました。レズニックは、ララビーの説が正しければサンジアという奇怪な種族の謎が解明されると話します。
サンジアは900年ほど前にこの地で繁栄した種族で、その名前は「地上の悪魔」を意味します。今夜発掘作業を再開すると聞いたジミーは、夜になってこっそり屋敷から抜け出しました。
その頃、工場では夜警のルイスが食事を作っていました。彼はドリーと姿が同じ3体の人形に話しかけ、「お前は醜い奴だ」と馬鹿にします。すると人形が動き出してルイスを追い詰めました。あまりの恐怖に、ルイスは心臓発作で死亡してしまいます。
遺跡ではレズニックが1人で発掘作業を始めていました。墓室に人が入った形跡はありません。小さな棺を見たレズニックは、「サンジア族が“悪魔の子”を葬った棺だ」と呟きました。外に出ると女が1人、ガソリンを撒いて火を放とうとしています。レズニックが慌てて止めると、女は発掘作業を中止しなければ皆の命が危ない、悪魔を呼び戻してしまったと訴え走り去りました。
ちょうどその頃、工場に忍び込んでいたジミーがルイスの遺体を発見。慌てて外に逃げ出し、ジミーを探しに来たエリオットやレズニックに保護されます。帰宅して叱られたジミーの口から「サンジア」という言葉が飛び出すと、マリリンは顔色を変えました。そしてジェシカの部屋へ行き、眠る彼女の腕からドリーを取り上げようとします。するとジェシカは目を覚まし、「そんな事したら殺してやる」と言い出します。聞いたこともないような恐ろしい声で「彼女は私の物だ!」と喚くジェシカ。
しかしエリオットがやって来ると子どもらしく泣き出し、マリリンが酷いことをすると言って甘えます。マリリンはジェシカが人形に操られているようだと話しますが、エリオットは馬鹿馬鹿しいと全く相手にしませんでした。
ドールハウスのネタバレあらすじ:悪魔の子
翌日、マリリンはレズニックを訪ね、遺跡に向かいました。発掘された墓室の扉の断片を見たマリリンは、ジェシカが描いている絵と同じ紋様だと気付きます。レズニックは作業の目的を「悪魔の子」を探すことだと説明しました。悪魔の子はサンジア族が崇拝したとされる伝説的存在で、幼児の体に山羊の頭を持っているそうです。人々は子どもを殺し、その血を悪魔の子に捧げました。しかしその内種族絶滅の危機に陥り、悪魔の子を殺して埋めたそうです。
レズニックはまるで本気にしていませんが、マリリンは違います。彼女はジェシカがサンジア語を話し、それを警告したカミーラが死亡したことを知っているのです。ジェシカに何かの霊が取りついていると考えたマリリンは、レズニックと一緒にカミーラの妹シスター・アルバがいる修道院を訪ねました。どうすればジェシカを救えるか尋ねますが、シスター・アルバは既に悪魔の子の霊が解き放たれてしまった以上手遅れだと話します。
霊は望みの子どもを得るためにあらゆる手を使うだろうと警告しました。去り際にシスター・アルバの顔を見たレズニックは、昨夜火を放とうとしていた女だと気付きます。マリリンは悪魔の子の霊が人形に乗り移り、ジェシカを操っているのだと確信しました。
硬い表情で帰宅したマリリンはついにドリーと対峙します。ドリーの顔は醜く歪み、ジェシカは自分の物だと大笑いしました。マリリンはショットガンを持ち出し、生気の無い顔をしているジェシカを抱き上げるとジミーを連れて屋敷を出ようとします。その前にドリーが立ちはだかりました。ドリーが命令するとジェシカは急に暴れ出し、マリリンに馬乗りになって殴り始めます。
マリリンの手から離れたショットガンを手にしたのは、ジミーでした。彼は得意満面で銃を構え、ドリーに向かって発砲。豪快に吹っ飛んだドリーは破壊されました。するとジェシカはようやく正気に戻り、マリリンに抱きつきます。
ドールハウスの結末:最終決戦
ドリーが破壊された頃、工場に残るエリオットにも危険が迫っていました。工場の人形が動き出し、エリオットを殺害しようとします。絶体絶命のピンチに駆けつけたのはレズニックでした。墓室で作業していた彼は、棺の中に横たわる悪魔の子のミイラを発見。マリリンの言葉が真実だと理解し、慌ててやって来たのです。
救出したエリオットと共に工場の外へ飛び出すと、ちょうどマリリン達も車で到着しました。人形を完全に破壊するため、レズニックはダイナマイトを用意します。導火線を使う時間は無いので、数本ずつ仕掛けていくしかありません。エリオットとレズニックは工場に戻り、人形達の妨害を受けながらもダイナマイトをセットしていきます。
じっとしていられないジミーも遺跡へ走り、ダイナマイトを仕掛けて爆破させました。続いて人形工場も爆発で吹っ飛びます。エリオットとレズニックは間一髪で脱出に成功しました。マリリンがもう大丈夫とジェシカを抱きしめ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ドール・ハウス」のあらすじと結末でした。
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