ジェイン・エアの紹介:1996年イギリス映画。シャーロット・ブロンテの同名小説を映画化。過酷な人生を自らの力で切り拓き、真実の愛を掴んだ女性を描く文芸ドラマ作品。幼い頃両親を亡くして寄宿学校に追いやられたジェインは、周囲の理不尽を耐え抜き成長して家庭教師となった。屋敷の主人ロチェスターと運命的な恋に落ち、身分を超えた愛を誓ったジェイン。しかし結婚式当日、思いがけない闖入者によって残酷な真実を知らされる。
監督:フランコ・ゼフィレッリ 出演者:シャルロット・ゲンズブール(ジェイン・エア)、アンナ・パキン(少女時代のジェイン・エア)、ウィリアム・ハート(エドワード・ロチェスター)、ジョーン・プロウライト(フェアファックス夫人)、ジェラルディン・チャップリン(スカッチャード)ほか
映画「ジェイン・エア(1996年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ジェイン・エア(1996年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ジェイン・エアの予告編 動画
映画「ジェイン・エア(1996年)」解説
この解説記事には映画「ジェイン・エア(1996年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ジェインエアのネタバレあらすじ:孤独な少女
舞台は19世紀のイギリス。両親を早くに亡くした少女ジェイン・エアは、養家の叔母一家から毎日嫌がらせを受けていました。怒りと孤独に心を閉ざした彼女と叔母一家の仲は悪くなる一方で、ついに寄宿学校に追い払われてしまいます。ローウッド学校の校長ロックルハーストは強い意志を持ったジェインを嫌い、見せしめのように理不尽な罰を与えました。過酷な環境の中、ジェインの支えとなったのは同級生のヘレン・バーンズと、心優しい教師のテンプル先生だけです。ところが劣悪な環境でヘレンは肺病を患ってしまい、天国で会えるとジェインに言い遺して短過ぎる人生を終えました。
ジェインはローウッド学校での10年を耐え抜き、家庭教師の職を得て学校を出ることになります。テンプル先生との惜別を済ませ、ジェインが向かったのはソーンフィールドの貴族ロチェスターの屋敷でした。屋敷自体は古いものの広大で、ジェインは家事を取り仕切るフェアファックス夫人や、生徒となる少女アデール・ヴァランスらの歓迎を受けます。アデールはパリから縁あって屋敷の主人エドワード・ロチェスターが引き取った少女でした。フェアファックス夫人は、ロチェスターのぶっきらぼうな態度はかつて一族の犠牲になったからなのだと悲しそうに語ります。その時、急に不気味な女の笑い声が響きました。驚くジェインに、フェアファックス夫人は使用人のグレイス・プールの声だと取り繕うように説明します。
ジェインエアのネタバレあらすじ:孤独な2人の出会い
奇妙に思うことはありつつも、ジェインは生まれて初めて対等に扱われる生活に喜びを感じていました。ある日の散歩中、ジェインは男性が落馬するのを目撃して肩を貸します。その男性こそが屋敷の主人エドワード・ロチェスターでした。ロチェスターはどこか似ている自分達を、互いに運命に翻弄され冷たく頑固になってしまった人間なのだと言います。
ある夜、アデールに乱暴な言い方をするロチェスターをジェインが窘めました。するとロチェスターは怒りを滲ませ、アデールの出生を語ります。アデールの母はオペラの踊り子で、たくさんの男性と浮名を流していました。アデールはロチェスターの娘らしいのですが、それも確実ではありません。母親がアデールを捨てたため、義務として引き取ったそうです。
数時間後、眠っていたジェインは不気味な笑い声を聞き廊下に飛び出しました。足元が煙で白くなっています。ロチェスターの寝室から火の手が上がっていたのです。ジェインは眠っているロチェスターを叩き起こし、2人で協力して火を消しました。ロチェスターはグレイスの仕業だと言いますが、どうにも歯切れがよくありません。2人は静かに見つめ合い、強く惹かれ合います。しかし翌日、ロチェスターと美しい貴族令嬢の恋の噂を知ったジェインは「バカな娘」と自嘲しました。
ジェインエアのネタバレあらすじ:過去の清算と未来の希望
ロチェスターが貴族達を招いてパーティーを開いた夜、リチャード・メイソンと名乗る男性が訪ねて来ます。ロチェスターの古い友人らしい彼は、真夜中何者かに大怪我をさせられました。ロチェスターはジェインに協力を頼み、メイソンを医者に預けます。ロチェスターは詳しい説明を拒み、メイソンの来訪を心底迷惑がっている様子でした。翌日、ジェインに思いがけない知らせが届きます。叔母が病に倒れ、死の床でジェインに会いたがっているらしいのです。休暇を貰って叔母の家を訪ねたジェインは、教区牧師のリヴァーズとその妹メアリーに迎えられました。
3年前、外国に住んでいるジェインの伯父ジョン・エアが叔母に手紙を寄越したそうです。ジェインを養子にして財産を譲りたいという内容でしたが、叔母は行方不明だと嘘の手紙を送っていました。嘘を伝えたという手紙を書いてくれと頼みながら、ジェインを拒み続ける叔母。しかしジェインは「私は あなたを許しますわ」と語りかけます。
叔母の死を看取ったジェインが1ヵ月ぶりにソーンフィールドへ戻ると、ロチェスターと貴族令嬢の結婚話が持ち上がっていました。そのためにアデールもパリの寄宿学校へ預けられるのだそうです。暗い気持ちで散歩していたジェインはロチェスターに話しかけられ、取り繕わない素直な感情をぶつけ合いました。そして2人は深い愛を確認し、結婚することにします。
ジェインエアのネタバレあらすじ:ロチェスターの秘密
1ヵ月後、ジェインは幸福の中、結婚式を迎えました。ところがその幸せを破るように現れたのは、メイソンとその弁護士です。彼らはこの結婚には障害があるとして中止を求めました。
15年前、ロチェスターはメイソンの妹バーサと既に結婚しているというのです。苦々しい顔で聞いていたロチェスターは既婚者である事実を認め、屋敷の最上階にある陰鬱な部屋に皆を連れて行きました。そこにいたのは髪を振り乱した青白い顔の女性、バーサでした。彼女は明らかに正気を失っています。ロチェスターはグレイスに看護させながら、妻であるバーサをずっと幽閉していました。笑い声や火事の犯人はバーサだったのです。
ロチェスターはバーサが精神病を患っていると知らされないまま、父や兄から財産目当てに勝手に結婚を決められました。彼の怒りや苦しみを理解した上で、ジェインは花嫁衣裳を脱ぎ捨て屋敷を出て行きます。直後にバーサが火をつけて回り、屋敷は炎に包まれました。その騒ぎでバーサは死亡し、ロチェスターも大怪我を負ってしまいます。
ジェインエアの結末:ジェインが出した答え
心痛のあまり倒れたジェインは、偶然居合わせたメアリーに保護され、1ヵ月の療養生活を送りました。そこへリヴァーズが現れ、思いがけない報告をします。伯父ジョンが亡くなり、その莫大な遺産がジェインに相続されたというのです。思わぬ幸運に恵まれたものの、ジェインの心は晴れませんでした。彼女はまだロチェスターを愛していたのです。
体調が回復したジェインは、意を決してロチェスターの屋敷を訪ねました。ところが屋敷は火事でボロボロになっており、ロチェスターも目が潰れて視力のほとんどを失っています。ジェインは「一生 おそばを離れません」と変わらぬ愛を誓い、ロチェスターも再会の喜びに体を震わせました。
その後ジェインとロチェスターは結婚。徐々に視力を取り戻したロチェスターは、生まれた息子を自力で見ることが出来ました。2人はアデールを呼び戻し、娘として一緒に暮らしています。ジェインが限りない幸せを噛み締め、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ジェイン・エア」のあらすじと結末でした。
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