プラスティック・ナイトメア/仮面の情事の紹介:1991年アメリカ映画。顔と記憶を失った男が恐ろしい真実にたどり着くサスペンス作品。事故で大怪我を負い、顔と記憶を失ったダン。妻ジュディスの献身的な介抱もあり次第に日常生活に戻っていくが、小さな違和感を覚えることが多くなっていく。そしてジュディスの愛人スタントンについて調べ始めた彼の前に、受け入れ難い真実が姿を現すのだった。
監督:ウォルフガング・ペーターゼン 出演者:トム・ベレンジャー(ダン・メリック)、グレタ・スカッキ(ジュディス・メリック)、ボブ・ホスキンス(ガス・クライン)、コービン・バーンセン(ジェブ・スコット)、ジョアンヌ・ウォーリー=キルマー(ジェニー・スコット)ほか
映画「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
プラスティック・ナイトメア/仮面の情事の予告編 動画
映画「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」解説
この解説記事には映画「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プラスティック・ナイトメア/仮面の情事のネタバレあらすじ:顔と記憶を失った男
舞台はアメリカ、サンフランシスコ。深夜、1台の車が崖から転落する事故を起こしました。助手席に乗っていたジュディス・メリックは車外に投げ出されて奇跡的に無傷でしたが、彼女の夫ダンは瀕死の重傷を負います。病院に運び込まれたダンは一命こそ取り留めたものの、顔は人相の判別がつかないほど損傷し、その上個人的な記憶の一切を失くしていました。整形手術で顔が復元されても記憶は戻らず、不安と恐怖に泣くダン。そんな彼をジュディスは献身的に支えました。やがて退院し自宅に戻ったダンでしたが、言い知れぬ違和感に不安だけが募っていきます。
そんなある日、ダンは思いがけない物を発見しました。ジュディスの不倫現場をとらえた写真のネガです。ダンは強いショックを受けますが、ジュディスを問い詰めることは出来ませんでした。その夜、スコット夫妻の夕食に招待されたダンとジュディス。夫のジェブ・スコットはダンが携わる事業の共同経営者で、妻ジェニーはダンを深く心配していました。ダンは不動産のデベロッパーとして働いていたそうですが、記憶は今だに戻りません。ジェブと別室に移ったダンは、思い切って事故前の自分達夫婦について聞いてみました。ジェブは上手くいっていなかったと答えます。事故当夜もダンはジュディスの浮気に激怒し、暴力を振るっていました。そしてダンにも愛人がいたことを仄めかします。
その後、ジェニーに夜の海へ連れ出されたダンは、ジュディスの愛人の名前を知りました。彼の名前はジャック・スタントン。ジュディスはメキシコで知り合った彼に夢中になり、片時も離れたくないとサンフランシスコに呼んだそうです。そしていつも町外れのホテル「ハシエンダ」で密会を重ねていました。ジュディスを病的な嘘つきだと吐き捨てたジェニーは、ダンに警戒を促します。ジェニーはジュディスがダンの命を狙って、わざと事故を起こしたのではないかと疑っていました。
プラスティック・ナイトメア/仮面の情事のネタバレあらすじ:深まる謎
ダンは久しぶりに会社に顔を出しました。ダンが進めていたマリーナ開発について、ジェブから説明を受けます。有害な薬品を積んだまま廃船を海に沈めるそうですが、ジェブは少しも悪いと思っていません。そもそもこの強引な計画はダンが企んだものでした。その後、仕事のファイルを開いてみると、「クライン」という名前と電話番号が赤い丸で囲ってあります。ガス・クラインはペットショップの経営者で、ダンは彼から7000ドルもの金を請求されていました。不審に思ったダンはクラインの店を訪ね、事故のことを説明して事情を聞きます。実はクラインは私立探偵で、事故前にダンからジュディスの浮気調査を依頼されていました。ダンはもう一度調べてくれないかと頼みますが、今上手くいっているなら過去のことは水に流すべきだと断られてしまいます。
ダンはジュディスがスタントンと共謀し、自分を殺そうとしたのではないかと疑っていました。ジェニーを訪ねると、スタントンは必ず近くにいるだろうと警告されます。そして自分がダンの愛人だったことを明かし、服を脱いで迫って来ました。ダンが拒絶すると、彼女は突然怒って出て行けと叫びます。精神的に疲れてしまったダンは、過去を探るのを諦めようとしました。
その矢先、ダンのオフィスにクラインがやって来ます。一度はダンの依頼を断った彼ですが、気になって事故のことを調べていました。すると車を運転していたのはダンではなく、ジュディスだったことが判明します。更に事故から5時間半後、このオフィスにスタントンが現れたことも掴んでいました。
プラスティック・ナイトメア/仮面の情事のネタバレあらすじ:事故の真相
ジュディスへの不信感を募らせるダン。そんなある日、スタントンからジュディスに電話がかかってきます。「町にいる」という伝言を聞いたジュディスは真っ青になり、慌てて家を出て行きました。こっそり窺っていたダンは、ジュディスの後を追いかけます。ジュディスが向かったのは処分間近の廃船でした。ダンは酷い異臭に顔を顰めますが、ジュディスが何をしていたかまでは突き止められません。その後オフィスに顔を出したダンは、廃船の処分を延期させるよう指示を出しました。直後にクラインから呼び出され彼と合流します。今日の5時、ジュディスとスタントンがハシエンダで会うらしいのです。
現場へ向かったダンとクラインは、ホテルに入るジュディスを目撃。少し遅れて、赤いポルシェに乗ったスタントンと思われる男が現れました。しかし彼はすぐに車に戻り、逃げるようにホテルを後にします。慌てて追いかけたダン達でしたが、発砲された上に取り逃がしてしまいました。ダンは警察に通報する前に、ジュディスと話し合いたいと言って自宅に戻ります。家に帰ったダンを追って来たのは、赤いポルシェでした。部屋の隅に隠れたダンは、入って来たスタントンの背中に銃を突きつけます。ところが振り返ったスタントンの正体は、変装したジュディスでした。
驚くダンに向かって、ジュディスは冷静に言葉を発します。「スタントンはいない」「あなたが殺した」と。ジュディスは事故当夜の全てを語ります。泥酔したダンに暴力を振るわれたジュディスは、スタントンに助けを求めました。しかしダンはスタントンを殺害してしまいます。夫妻はスタントンの遺体を廃船に捨て、逃げようとした道で事故を起こしました。ジュディスは事件をもみ消すために様々な偽装工作を行ったそうです。全てはダンともう一度やり直すため。真実を知ったダンは深く絶望します。廃船の処理が延期になったと知ったジュディスは、すぐに逃げる準備を始めました。
ジュディスが家を飛び出していった後、ダンはジェニーから呼び出しを受けます。警察に通報すると脅されたダンは、雨の中スコット家へ向かいました。不自然なほど静かな家の中で、ダンの目に飛び込んで来たのはジェニーの他殺体です。驚くダンの前に現れたのはクラインでした。数々の情報から事故の真相にたどり着いた彼は、スタントンを殺害したダンに軽蔑の目を向けます。ダンは自分が何をしたのか思い出したいと必死に訴えました。クラインは渋々承諾し、2人で廃船へ向かうことにします。
プラスティック・ナイトメア/仮面の情事のネタバレあらすじ:おぞましい真実
真っ暗な廃船の中を進んだダンとクラインは、水に浮かんでいるスタントンの遺体を発見しました。ところが、遺体の顔を見て2人は驚愕します。それはダンの顔でした。「僕だ」と呟いたダンは、一気に失われた記憶を取り戻します。実はダンこそがジャック・スタントン。殺害されたのはダン・メリックの方だったのです。
事故当夜、ジュディスから助けを求められたジャックは急いで彼女のもとに向かいました。そこでジュディスがダンを射殺した瞬間を目撃してしまいます。動転したジャックはジュディスに乞われるままダンの遺体を廃船に捨てましたが、逃げるつもりはありませんでした。メキシコへ逃亡しようとするジュディスと言い争いになり、ハンドルを取り合った結果、あの事故が起きたのです。
ジャックが顔も記憶も失ったため、ジュディスはダンとジャックを入れ替えることにしました。有害な薬品で遺体を溶かすつもりでしたが、薬品がホルムアルデヒドだったためダンの遺体は腐ることなく残っていたのです。そこへ現れたのは、銃を持ったジュディスでした。彼女はクラインを撃ち、ジャックを脅して車に乗せ走り出します。
プラスティック・ナイトメア/仮面の情事の結末:報い
ジャックを助手席に乗せ、ジュディスは猛スピードで車を走らせました。ジェニーも真実に気付いたため、口を封じたと話すジュディス。すると後方から警察のヘリコプターが現れました。ジャックに執着するジュディスは停止するどころかアクセルを踏み込み、一緒に死のうとします。ジャックは咄嗟に助手席から飛び降りました。車はガードレールを突き破って崖下に転落。ジュディスを乗せたまま大破して炎上しました。
ジャックに慌てて駆け寄ったのはクラインです。彼も何とか無事だったようです。ジャックは落ちた車を静かに見下ろしました。警察官からヘリコプターに乗るよう促されるジャック。真相を全て理解しているクラインは、「行こう ダン」と声をかけました。ジャックとクラインを乗せたヘリコプターが飛び去り、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」のあらすじと結末でした。
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