山河遥かなりの紹介:1947年アメリカ映画。終戦後のドイツ。強制収容所での過酷な経験により失語症と記憶を失ってしまった少年。偶然出会った若き米兵との交流により少年は人間らしさを取り戻していきます。「真昼の決闘」「地上より永遠に」のフレッド・ジンネマン監督による感動のヒューマンドラマ。心優しき米兵を演じたモンゴメリー・クリフトの熱演が光ります。
監督:フレッド・ジンネマン 出演者::イワン・ヤンドル(カレル・マリク)、モンゴメリー・クリフト(ラルフ・スティーヴンスン)、ヤルミラ・ノヴォトナ(カレルの母ハンナ)、アリーン・マクマホン(マレー夫人)、ウェンデル・コーリイ(ジェリー・フィッシャー)、ほか
映画「山河遥かなり」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「山河遥かなり」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
山河遥かなりの予告編 動画
映画「山河遥かなり」解説
この解説記事には映画「山河遥かなり」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
山河遥かなりのネタバレあらすじ:起
終戦後のドイツ。国連の救済施設には強制収容所から救い出された子供達がたくさん送り込まれてきます。その中の白い毛糸帽を被ったチェコ出身の少年カレルは、過酷な体験により失語症と記憶喪失を患っています。施設の責任者マレー夫人から名前や出身地を聞いても、怯えた様子を見せるばかり。カレルら子供達は施設が安全な場所だとは理解できず、施設の職員達をナチスの親衛隊だと思い込んでいます。
心身の休養が必要だと診断されたカレルら子供達は特別収容所に輸送されることになり、赤十字の救急車に乗せられます。しかしガス室に送られるのではないかとパニックになった子供達は窓ガラスを割って救急車を飛び出し、脱走を図ります。カレルはラオウルという少年と一緒に逃亡しますが、橋を渡ろうとしたところでラオウルが溺死してしまいます。
その頃、カレルの母ハンナも息子の行方を捜し続けていました。ハンナは夫と娘の命を奪われ、カレルとも強制収容所で生き別れになっていました。
山河遥かなりのネタバレあらすじ:承
放浪していたカレルは、道に車を停めて休憩をしていた若き米国軍人のラルフ・スティーヴンスンと出会います。ラルフはボロボロの衣服を身にまとい、腹を空かせている様子のカイルを気に掛け、家に連れて帰ることにしました。ラルフをナチスの親衛隊だと思い込んでいるカレルは激しく抵抗、隙があれば逃げる素振りを見せ始めます。それでもラルフはカレルに食事を与えたり英語を教えたりと根気強く向き合い続けます。
カレルはそんなラルフに次第に心を開き始め、英語を少しづつ習得し始めます。ラルフはカレルにジムと名付けました。アメリカへの帰国が迫るラルフは救済機関にカレルの身元について問い合わせますが、手掛かりは見つかりません。同僚でルームメイトの軍人フィッシャーからは救済機関に引き渡すよう進言されますが、ラウルはカレルを引き取り、アメリカで共に暮らしたいと考え始めます。
一方、救済施設のマレー夫人を訪ねたハンナでしたが、カレルの友人ラオウルが溺死して見つかったこと、近くでカレルの毛糸帽が見つかったことを告げられ、ショックから倒れてしまいます。ハンナは回復するまでの間救済施設で子供達の世話係をすることになりました。
山河遥かなりのネタバレあらすじ:転
ある日、フィッシャーの妻と息子トミーがアメリカからやってきます。カレルは母に甘えるトミーを眺めるうち、自分にも母がいたことを思い出します。記憶を取り戻したカイルは母を見つけ出すと騒ぎ始め、ラルフの助言も聞かずに一人家を飛び出します。
カレルが訪れたのは強制収容所とよく似た風景が広がる町の工場、しかしそこに母の姿はありませんでした。心配して追いかけてきたラルフは母がすでに亡くなっている可能性が高いことを告げます。これを聞いたカレルは悲嘆に暮れますが、ラルフは母は心の中で生き続け、いつでもお前を見守っていると優しく語り掛けます。カレルはラルフとともにアメリカへ渡る決心をしました。帰国が迫るラルフはアメリカでカレルを引き取る手続きを進めることにし、その間救済施設でカレルを預かってもらうことにします。
一方、ハンナは施設を離れ、再びカレルを探す旅に出る決心をしました。ハンナはカレルがまだどこかで生きていることを強く確信しているのでした。
山河遥かなりの結末
ラルフはカレルを連れて救済施設を訪ねます。カレルと対面したマレー夫人は以前施設にいた子供であることを思い出し、ハンナの息子であることに気付きました。その頃ハンナはカレルを探す旅に出るため、電車へ乗り込もうとしているところでした。マレー夫人がハンナを引き留めようと駅へと急行すると、救済施設に入所するため列車を降りてきた子供達の群れの中にハンナの姿がありました。
ハンナが子供達の世話するため引き続き施設に留まることを決意したことを告げると、マレー夫人はもう何も心配はいらないわと優しく語り掛けます。戻ってきたマレーはラルフに事情を話します。ラルフから子供達の群れについていくよう指示されたカレルはようやく母と再会、二人は固く抱き合うのでした。
以上、映画「山河遥かなり」のあらすじと結末でした。
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