コントラクト・キラーの紹介:1990年フィンランド,スウェーデン映画。自殺に失敗した男が、自分を殺して貰うために雇った殺し屋から逃げ回るサスペンス喜劇。15年勤めた水道局からあっさり解雇されたアンリは、失意の底で自殺を図った。しかしどうしても死にきれなかったため、殺し屋を雇って殺して貰うことにする。ところが依頼した翌日、美しい花売り女マーガレットと恋に落ちたアンリは死ぬのが嫌になってしまった。アンリは自分が雇った殺し屋から逃れるため、必死の逃走劇を見せる。
監督:アキ・カウリスマキ 出演者:ジャン=ピエール・レオ(アンリ・ブーランジェ)、マージ・クラーク(マーガレット)、ジョー・ストラマー(歌手)、セルジュ・レジアニ(ヴィック)、ケネス・コリー(殺し屋)ほか
映画「コントラクト・キラー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「コントラクト・キラー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「コントラクト・キラー」解説
この解説記事には映画「コントラクト・キラー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
コントラクトキラーのネタバレあらすじ:殺しの依頼
舞台はイギリス、ロンドン。フランス人のアンリ・ブーランジェは、15年勤めた水道局からある日突然解雇を言い渡されました。民営化に伴い、外国人のアンリが真っ先に人員整理の対象にされてしまったのです。追い出されるように職場を後にしたアンリは失意の底にいました。
彼は人付き合いが苦手で親しい友人も恋人もなく、手帳の予定表は真っ白。アパートで1人淡々と暮らし、面白みの無い生活を送っていました。そんな人生に絶望したアンリは自殺を図りますが、尽く失敗に終わります。
翌日、新聞の「コントラクト・キラー 麻薬戦争で暗躍」という記事を見たアンリは、自分も殺し屋を雇うことにしました。貯金を胸に街に出たアンリは、タクシーの運転手に案内して貰い殺しの依頼を請け負う酒場に入ります。「殺し屋を雇いたい」と告げたアンリのターゲットは、自分自身。
自分ではどうしても死にきれなかったアンリは、プロの殺し屋に始末して貰おうと考えたのです。元締めの男は困惑しつつも依頼を引き受け、臨時の殺し屋を雇って差し向けると約束しました。
コントラクトキラーのネタバレあらすじ:運命を変える出会い
翌日。アンリはいつ殺されるのかと、落ち着かない様子で自宅待機していました。しかし結局夜になっても殺し屋は現れません。アンリはアパートの向かいにあるパブへ入ってみることにして、その旨をメモに書いてドアに打ち付けておきました。アンリはパブで慣れないウィスキーとタバコを注文し、案の定酒に飲まれてしまいます。
そこへ美しい花売り女のマーガレットが現れました。一目で心を奪われたアンリは、酒の勢いもあって彼女を口説き落とし、何とか住所を教えて貰います。その様子を、窓の外からじっと見ている男がいました。彼こそがアンリを殺すために雇われた殺し屋です。
殺し屋の存在に全く気付かなかったアンリは夢見心地でパブを出ますが、メモがなくなっているのを見て一気に酔いが覚めました。アンリはマーガレットに恋をしたことで、死ぬのが嫌になっていたのです。アンリは慌ててその場から逃げ出し、翌朝マーガレットの家に転がり込みました。
コントラクトキラーのネタバレあらすじ:追い詰められるアンリ
事情を聞いたマーガレットは、元締めの酒場を訪ね、依頼をキャンセルすれば良いとアドバイスします。アンリの荷物は、殺し屋に顔を知られていないはずの自分が取りに行くと約束しました。名案だと喜んだアンリは早速酒場へ向かいますが、店は瓦礫の山と化していました。
殺し屋はマーガレットの顔をしっかり覚えており、尾行して彼女のアパートを突き止めます。殺し屋はマーガレットの部屋に押し入りますが、花瓶で殴られ気絶しました。その隙にマーガレットはアンリを急かし、アパートから逃げ出します。2人はしばらく場末のホテルに身を隠すことにしました。
落ち着かないアンリが気晴らしに外へ出ると、元締めの酒場で知り合った2人組のチンピラを見かけます。追いかけてみると、彼らは強盗の真最中でした。アンリの登場に驚いたチンピラの1人が誤って宝石商を撃ってしまい、彼らは慌てて店の外へ逃げ出します。その際アンリは銃を押し付けられ、強盗犯の濡れ衣を着せられる羽目になってしまいました。
一方、いつものように花売りをしていたマーガレットの前に、アンリを探す殺し屋が現れます。マーガレットは、アンリにはもう死ぬ気が無いと訴えました。しかし殺し屋は聞き入れません。
コントラクトキラーのネタバレあらすじ:2人の決断
マーガレットがホテルへ戻ると、アンリは手紙を残して消えていました。殺し屋からも警察からも追われることに絶望し、再び自殺しようとするアンリ。しかし今回も上手くいきませんでした。
置いて行かれたマーガレットは、1人悲しむ日々を送ります。するとホテルスタッフから、ハムステッド墓地でアンリを見かけたと言われました。早速探してみたものの見つからず、落胆したマーガレットはバーガーショップに入ります。驚いたことに、アンリはその店で働いていました。再会を喜ぶマーガレットは一緒に国外へ逃げようと訴えます。アンリは渋りましたが、結局は了承しました。
2人は今夜9時に駅で落ち合おうと約束します。一方、殺し屋の家には離れて暮らす彼の娘が来ていました。父親の体調を心配する彼女に、殺し屋は金を握らせさっさと追い返してしまいます。
コントラクトキラーの結末:生を掴んだのは
切符を買い求めたマーガレットは「宝石商殺し逮捕、第三の男は無実」と書かれた新聞を見つけ、アンリの疑いが晴れたと喜びます。アンリも荷物をまとめてバーガーショップから出発しようとしました。しかしそこへ殺し屋が現れます。アンリは慌てて逃げ出しますが、すぐに追い詰められてしまいました。
その時、殺し屋が突如咳き込んで吐血します。彼は癌を患っており、あと数週間の命だと医師から宣告されていました。殺し屋はアンリに向けた銃口を自分の体に押し当てます。そのまま引き金を引き、彼は自殺してしまいました。倒れた殺し屋を見下ろしたアンリは、無言でその場を立ち去ります。その後アンリはマーガレットと合流し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「コントラクト・キラー」のあらすじと結末でした。
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