クリクリのいた夏の紹介:1999年フランス映画。第一次世界大戦後のフランスの片田舎で、戦争に傷を持つ復員兵ガリス、ガリスに依存して生きるリトン、不自由ない暮らしだが人付き合いが苦手なアメデ。そんな友人たちが集う沼のほとりでの生活が、リトンの幼い娘クリクリの目を通して語られる。
監督:ジャン・ベッケル 出演:ジャック・ヴィルレ(リトン)、ジャック・ガンブラン(ガリス)、アンドレ・デュソリエ(アメデ)、ミシェル・セロー(ぺぺ)、イザベル・カレ(マリー)、マルレーヌ・バフィエ(クリクリ)、シュザンヌ・フロン(クリクリ(老年期))ほか
映画「クリクリのいた夏」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クリクリのいた夏」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「クリクリのいた夏」解説
この解説記事には映画「クリクリのいた夏」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クリクリのいた夏のネタバレあらすじ:沼地の住人
リトンとガリスは、沼地で隣り合って暮らしていた。山で摘んだスズランの花束や沼で釣り上げたカエルを売って、街角で歌を唄って。リトンは生活の全てをガリスに頼り切って、身寄りがないガリスはリトンの陽気さに慰められて、そんなつましい生活を送っていた。だが、ガリスは考える。「本当は他所へ行きたいのに」12年前、戦争から帰ってきたガリスが行く当てもなく歩いていたところ、たまたま体の具合が悪い老人を見かけて、看病を申し出た。そして、老人に勧められるまま、小屋と舟を受け継ぎ、その沼地に留まることになったのだった。その時、リトンの面倒見も引き継ぐことになった。リトンの妻パメラは、子供や生活はそっちのけでお洒落に気を配るだけ。そんなパメラにリトンはゾッコン。だが、リトンはガリスなしでは何も出来ない。生活も子供の世話もガリスが代わりにやっている。ガリスはそんな今の生活に疑問を持ちながらも、陽気で平和な沼地の生活を続けていた。そんな中、ガリスは、ある屋敷で働くメイドのマリーと出会った。そして、いつか美容師になって大都会に住むという夢を持つ彼女に惹かれるのだった。
クリクリのいた夏のネタバレあらすじ:ペペとの出会い
彼らにはもう一人、親しい友人がいた。街に住み、裕福なために働いたことがない、人付き合いが苦手なアメデ。心通わぬ家族を持つ彼は、ガリスとリトンとの暖かい交流を楽しんでいた。ある日、アメデはガリスらに、ある老婦人の庭仕事の手伝いを頼む。そして、嗅ぎタバコが好きで陽気な老婦人の庭を訪れるようになったガリスとリトン、アメデの三人は、老婦人の隣家に住むペペと知り合った。一代で財を成したぺぺは、娘夫婦と孫達と共に屋敷で暮らしていたが、文盲の彼は、インテリの娘婿といがみ合っている。そして、かつて、妻や娘と暮らしていた沼地での生活を懐かしく思うのだった。屑鉄集めやカエル釣りで生計を立てていたが、そこには自由があったと。孫息子ピエロを連れて、亡き妻も愛した沼地を訪れたペペは、ガリスらと交流を深めていく。ピエロもリトンの娘クリクリや沼の子供達と仲良くなっていった。
クリクリのいた夏のネタバレあらすじ:時の流れ
そうした日々の中、ガリスはマリーとの距離を縮めようとしていたが、リトン一家の世話で、思うように進まない。業を煮やしたガリスは、本気で旅立ちを考えるようになる。しかし、マリーは、屋敷の主人達と訪れたニースで出会った薬屋を営む男と結婚して去ってしまった。そんな折、以前にリトンが酒場で怒らせ、刑務所行きにしてしまったボクサーのジョーが出所してきた。生活を台無しにされてしまったジョーは、リトンへ復讐を誓っている。リトンの住所がジョーに知られたことを知ったペペは、雪の夜に沼地へ知らせようとして急ぐ。しかし、沼地へは辿り着かなかった。途中、心臓麻痺を起こして亡くなってしまったのだ。ジョーは銃を手に、ついに沼地へやって来た。そしてリトンを撃とうとするが、クリクリに池の中へ突き落とされてしまう。溺れそうになったジョーは、リトンとガリスに助けられ、恩人であるリトンへの復讐は忘れた。それどころか、ジョーとリトンは意気投合し、ジョーのトレーナーをリトンが務めるようになるのだった。そしてガリスは、沼地を旅立った。その後の消息は不明。これは、成長してピエロと結婚したクリクリが、年を経て老いを迎え、幼い沼地での生活を振り返っている物語。クリクリは空想するのだった。ニースへ行ったガリスは、薬屋の妻を奪ったのだと。
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