真夜中の虹の紹介:1988年フィンランド映画。希望を求めて南下する男の波乱万丈な日々を淡々と描くハードボイルドロマン。仕事も住居も有り金も、全てを失ったカスリネン。父から譲られたキャデラックに乗り、希望となり得る何かを求めて一路南を目指した。偶然知り合ったシングルマザーと恋に落ちたり、強盗に仕返しをするつもりが逆に逮捕されたり、刑務所で得た友人と共に脱獄を図ったり。目まぐるしい毎日を淡々と生きるカスリネンは、ひたすら遠い南の地に思いを馳せる。
監督:アキ・カウリスマキ 出演者:トゥロ・パヤラ(カスリネン)、スサンナ・ハーヴィスト(イルメリ)、マッティ・ペロンパー(ミッコネン)、E・ヒルカモ(リキ)ほか
映画「真夜中の虹」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「真夜中の虹」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「真夜中の虹」解説
この解説記事には映画「真夜中の虹」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
真夜中の虹のネタバレあらすじ:南へ
舞台は1980年代のフィンランド最北端、ラップランド。炭鉱夫のカスリネンは、鉱山の閉鎖によって突然仕事を失ってしまいました。同じく職にあぶれた父は拳銃自殺してしまい、カスリネンは彼から譲られたキャデラックで土地を離れることにします。
希望となり得る何かを信じ、南へ向かうことにしたカスリネン。どうやっても車の幌が閉じないため、吹き荒ぶ寒風に耐えながら車を走らせます。ヘルシンキに向かう途中、2人組の強盗に有り金全てを奪われたカスリネンは、仕方なく日雇いの労働で糊口を凌ぎました。
真夜中の虹のネタバレあらすじ:運命の出会い
そんなある日、駐車違反を取り締まっている最中の女性イルメリと出会います。不思議と彼女に惹かれたカスリネンは早速食事に誘いました。イルメリは夫の裏切りで離婚し、幼い息子リキと暮らしているシングルマザーです。家のローン返済のため、いくつも仕事を掛け持ちしていました。
翌日。イルメリの家に泊まったカスリネンは、リキに急かされ朝食を終えた後仕事を探しに出かけます。しかし空振りに終わってしまい、いつもの日雇いの仕事も雇用主が逮捕されたため諦めるしかありませんでした。
ついにキャデラックを売却することにしますが、旧型だからと買い叩かれてしまいます。
真夜中の虹のネタバレあらすじ:友情と結婚
肩を落とすカスリネン。すると偶然、いつぞやの強盗の1人を発見しました。思わず追い掛け、向けられたナイフを奪います。しかしこの行動が誤解されてしまい、カスリネンは逮捕され1年11ヶ月の懲役刑に処せられてしまいました。
同房のミッコネンは寡黙な変人でしたが、2人は不思議とすぐに意気投合します。カスリネンは刑務所で作業中、看守の目を逃れてこっそり指輪を作りました。それを面会にやって来たイルメリに贈り、2人は結婚の約束をします。イルメリはヤスリを差し入れの中に隠し、誕生日プレゼントと偽って獄中のカスリネンに届けさせました。
カスリネンとミッコネンはヤスリを使って脱獄を果たし、車屋からキャデラックを取り戻します。その後、イルメリと合流したカスリネンは簡易な結婚式を挙げました。
真夜中の虹のネタバレあらすじ:友の死
カスリネン達は国外に逃げるため、裏ルートでパスポートを入手することにします。銀行を襲って逃亡資金を調達した彼らでしたが、パスポートの売人に裏切られミッコネンが刺されてしまいました。カスリネンは売人に発砲し、息も絶え絶えのミッコネンを連れ帰ろうとします。
連絡を受け、イルメリがキャデラックで駆けつけました。ミッコネンは後部座席に横たわり、虫の息で「船はアリエル号だ」と呟きます。今夜出航するアリエル号に乗り、国外へ出ろとのことでした。
自分の遺体はゴミ捨て場に埋めてくれと頼んだミッコネンは、手を伸ばしてキャデラックを操作します。するとカスリネンがどうやっても上げられなかった幌が動き出し、息絶えたミッコネンを包むように閉じました。
真夜中の虹の結末:メキシコへ
カスリネンとイルメリは、沈痛の面持ちでミッコネンの遺体を埋めます。そしてリキと合流し、夜の港に到着しました。3人は運び屋に金を渡し、ボートでアリエル号に近づきます。メキシコ行きのアリエル号は遠くからでも明るく輝いて見えました。
カスリネン達は希望と不安が綯交ぜになった顔で船を見つめ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「真夜中の虹」のあらすじと結末でした。
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