スモークの紹介:2012年アメリカ映画。真っ黒な「スモーク」に包囲された無人の街で、謎の怪物に立ち向かう男女を描いたSFホラー。深夜バスで知り合ったアナとフレディは、大きな衝撃を受け意識を失った。スモークに覆われていく無人の街で目を覚ました2人は、ここが生と死の境であることに気付く。脱出するにはスモークの中にある扉を通らなければならないが、正体不明の怪物がそれを阻んでいた。果たして2人は無事現実世界に生還することが出来るのか。
監督:ライアン・スミス 出演者:スティーヴン・ストレイト(フレディ)、カロリーナ・ヴィドラ(アナ)、マディソン・リンツ(幼少期のアナ)、サンドラ・エリス・ラファーティ(ルー)ほか
映画「スモーク」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スモーク」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スモークの予告編 動画
映画「スモーク」解説
この解説記事には映画「スモーク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スモークのネタバレあらすじ:無人の街
舞台は2012年1月14日のアメリカ。深夜バスで帰宅途中のアナは、フレディという男性に話しかけられました。どうやら近所に住んでいるらしい彼は、アナの困惑に気付かないのか積極的に距離を詰めてきます。アナは看護師、フレディは昼間に映写師を、夜は漫画を描いていると教え合いました。フレディはその場でアナの似顔絵を描きますが、反応はいまひとつ。
その直後、バス事故の凄まじい衝撃が2人を襲います。気付くとアナは自宅のベッドの上にいました。仕事のため急いで支度を始めた彼女は、体毛が妙に伸びていることを不思議に思います。勤務先の病院へ到着すると、そこには異様な光景が広がっていました。
広い院内は無人で、アナ以外誰の姿も無いのです。不安に駆られたアナは院内をさまよい歩き、「実況録画中」と表示されたモニターを見つけました。その日付は2012年3月13日です。
恐怖を抱えたまま家に帰ったアナは、音楽が聞こえることに気付きました。外に出てみると、一軒だけ明かりのついている家があります。訪ねてみると、そこはフレディの家でした。彼もアナとほとんど同じ状況で、自分以外の人間を探していたそうです。
スモークのネタバレあらすじ:闇の壁
電話や無線も使えないため、詳しい街の様子を調べに向かった2人は異様なものを目にしました。真っ黒な闇のようなスモークが、まるで壁のように立ち塞がっていたのです。スモークは一箇所だけではなく街を包囲するように展開し、しかも少しずつ中心部に向かって動いていました。動揺するアナは、子どもの頃通っていた古い店を見つけます。入ってみると、中には人が大勢いました。しかし彼らにアナ達の存在は感じられないようです。
アナはそこで11歳の自分と、叔母ルーの姿を発見しました。触れようとすると人の姿は消え、無人の店に戻ってしまいます。スモークの時速を計算したアナとフレディは、あと約64時間で街が飲み込まれてしまうと突き止めました。アナは、もしかすると自分達はバスの事故で命を落としたのではないかと考えます。ここは死後の世界ではないかと。
フレディも頷きますが、しかし他の可能性もあると言ってアナを励ましました。アナは病院の昏睡患者用の処置室へフレディを連れて行きます。人の姿はありませんが、機械だけは動いていました。それらは2人の脈拍とリンクしています。彼らは1月14日のバス事故から、2ヵ月もの間昏睡状態に陥っていたのです。そして現在は生と死の狭間にいると考えられました。
スモークのネタバレあらすじ:過去の創作物
フレディはこの異界から脱出するため、スモークを突っ切ってみることにします。恐る恐るスモークの中に入ってみると、すぐに石の扉に行き当たりました。鍵が必要らしくビクともしません。そこに獣のような鳴き声が突如響き渡り、2人は慌てて逃げ出します。フレディはあの扉に見覚えがありました。漫画にのめり込むあまり孤独だった幼少期に、彼自身が描いたものです。
困惑する2人の前に再び過去の幻影が現れました。遊園地で幼いアナの肩が同年代の少年とぶつかります。それは昔のフレディでした。2人は過去、既に出会っていたのです。遊園地が消えた後、アナは辛い過去を思い出して俯いていました。劇作家に憧れていた幼いアナは、ルーに頼んで舞台の下稽古を行っていたのです。アナのリクエストで、室内にはたくさんのロウソクが置かれていました。そのひとつがルーの衣服に引火し、彼女はアナの目の前で焼死してしまったのです。
本当の娘のようにアナを可愛がってくれた叔母。その死は自分の責任だと、アナはずっと苦しんできました。フレディが慰めようとすると、怪物の唸り声が近付いてきます。身を隠した2人は、怪物の胸に扉の鍵が埋め込まれていると気付きました。怪物をやり過ごしたアナは、昔書いた劇の台本を開きます。それは怪物を倒す騎士の物語でした。この世界では、幼い日のアナとフレディの創作が綯交ぜになっているようです。
スモークのネタバレあらすじ:フレディの罪
2人は何とか怪物を倒そうとしますが上手くいかず、逃げ込んだ教会でアナは突然苦痛に襲われます。どうやら現実世界のアナの体が限界を迎えているようです。フレディはアナを助けるため単身怪物に挑みますが、敵わずに拉致されてしまいました。
アナがおぼつかない足取りで追いかけた先では、幼いアナとルーが下稽古を行っています。これから起こる惨劇に身構えるアナ。ふと外に気配を感じて目をやると、幼いフレディが仲間と一緒に家の様子を窺っていました。彼らは度胸試しと称して石を投げようとしているのです。
フレディが投げた石は室内に飛び込み、ロウソクを倒してしまいました。すると火は一気に燃え広がり、ルーが炎に包まれます。事件の真実を知ったアナはショックを受けました。そこに血まみれのフレディが現れ、アナに謝罪して意識を失います。
スモークの結末:生還
アナはフレディを抱きしめ、続いてやって来た怪物に敢然と立ち向かいました。アナはまるで騎士のように怪物を倒し、扉の鍵を手に入れます。彼女が顔を上げると、目の前に迫っていたスモークに飲み込まれました。真っ黒なスモークの中で扉を見つけたアナは、フレディの手で鍵を押し込みます。開いた扉から脱出したアナは、病院のベッドで目を覚ましました。現実世界へ生還したのです。
しかし病院にフレディの姿はありません。彼はアナとの記憶をほとんど失っていました。アナは似顔絵を見せ、これは自分だと言います。するとフレディは記憶を取り戻し、2人は本当の再会を果たしました。2人がキスを交わし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「スモーク」のあらすじと結末でした。
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