アバランチエクスプレスの紹介:1979年アメリカ映画。ソ連諜報組織の要人が亡命。彼を乗せて走るアトランティック急行を舞台にソ連の陰謀をくじくための戦いが繰り広げられる。RKO映画の編集者からヴァル・リュートン製作作品で監督に転じ、その後も『哀愁の花びら』等多くの有名作品を手掛けたマーク・ロブソン、『007 ロシアより愛をこめて』、『ジョーズ』等で存在感を示したロバート・ショウが共に本作完成前に亡くなる。モンテ・ヘルマンが追加シーンを撮影して映画を完成させた。また、ショウのロシア語の台詞の吹き替えを担当したイタリア人俳優ロバート・リエッティが結局映画全編のショウの台詞を吹き替えることになった。コリン・フォーブスの原作を脚本にしたエイブラハム・ポロンスキーは監督作”Force of Evil”(1948)が高く評価されたにもかかわらず、赤狩りのために約20年間映画を演出する機会を奪われたことで知られる。大雪崩の特撮は見ごたえがあります。
監督:マーク・ロブソン 出演者:ロバート・ショー(マレンコフ)、リー・マーヴィン(ハリー・ウォーグレーヴ)、リンダ・エヴァンス(エルサ・ラング)、マクシミリアン・シェル(ブーニン)、マイク・コナーズ(ハラー)、ほか
映画「アバランチエクスプレス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アバランチエクスプレス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アバランチエクスプレスの予告編 動画
映画「アバランチエクスプレス」解説
この解説記事には映画「アバランチエクスプレス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アバランチエクスプレスのネタバレあらすじ:起・超大物亡命者
ソ連の諜報機関を統括するマレンコフ総局長は、会議で冬の収穫作戦の情報が洩れていることを報告する。またもアンジェロという名のスパイのせいだ。
マレンコフは冬の収穫作戦計画責任者である部下のブーニン大佐に、アンジェロ捕獲のためのチューリッヒ出張を命じる。
一方、アメリカの諜報機関にはアンジェロからカセットテープが届き、ミラノの劇場で直接アンジェロと接触することになる。諜報員のハリー・ウォーグレーヴに劇場の赤いカーテンの裏から自分がアンジェロだと声をかけたのはマレンコフその人だった。
マレンコフは、ハリーの元恋人でアンジェロの連絡相手だったエルサや彼らの上司のハラーに会い、ソ連でタカ派の勢力が強くなり細菌戦である冬の収穫計画が動き出しつつあることを教える。
そして計画阻止のために、あえて自分を殺すチャンスをブーニンに与えて、彼らを自滅させることを提案する。マレンコフの亡命を知ったブーニンもまた、ヨーロッパ中の秘密部隊を使ってマレンコフを殺害することをもくろむ。
アバランチエクスプレスのネタバレあらすじ:承・味方を欺く
マレンコフをミラノ発アムステルダム行きアトランティック急行に乗せて、ブーニンをおびき出すことにするが、ハラー、エルサや護衛たちも乗せて出発した急行に、変装していたハリーが敵に殺害されたという悲報が届けられる。
マレンコフはエルサにハリーとのなれそめを問う。私は彼を愛したけれど彼は私を愛していなかったと言うエルサ。マレンコフも結婚式に来る途中で事故死した婚約者や、スターリン時代に自殺した妻の思い出を話す。
マレンコフもエルサも、ハリーの殺害が急行内に忍び込む敵スパイを探し出すための偽装で、ハリーが今運転室にいることを知らなかった。
アバランチエクスプレスのネタバレあらすじ:転・雪崩との競争
雪の中を進んでいた列車はスイス国内で不審な停止信号により停止する。銃撃戦が始まり、ハリーも彼がだましていた仲間たちの前に姿を現して戦う。敵方スパイは殺害され、マレンコフは早めに列車の外に逃れて無事だった。
列車は再び走り出すが、ソ連スパイは山の頂上で爆発を起こし人工的に雪崩を起こす。ふもとの村を壊滅させて雪崩が線路に迫る。
ハリーは急行の乗客を前の車両に移動させる。後ろの3両を放棄した急行は全速力で走り、辛うじて雪崩に飲み込まれる前にトンネルの中に逃れる。死の恐怖が去った後ハリーはエルサにキスする。
アバランチエクスプレスの結末:鉄橋の闘い
ブーニンは西側の過激派幹部で潜伏中のガイガーに接触し、アトランティック急行の爆破をすればソ連の貨物船で逃がしてやると約束。チューリッヒ駅で、変装してゴルチェック教授と名乗ったブーニン、外交官であると身分を偽ったガイガー、その仲間が乗車する。
マーストリヒトを過ぎて、事前にトイレに隠されていた武器をガイガーが取り出して敵は動き出す。運転室に侵入した女が手榴弾で脅して列車を鉄橋の上で停めると、ガイガー・グループが外から機関銃を乱射。
銃撃戦になり、外に出たブーニンはマレンコフのいるコンパートメントをめがけて手榴弾を投げるが、その時列車が動き出す。ガイガー・グループは全滅し、ブーニンだけがボートで逃げた。
ハリーやマレンコフたちは、ガイガー・グループの生き残りを装ってオランダ警備艇を奪い、ソ連貨物船に近づく。ブーニンはもう邪魔になったガイガー・グループを消そうと警備艇を攻撃するが、ハリーたちは魚雷で応戦して貨物船を破壊する。
やがてアメリカへ向かう専用飛行機の中で、マレンコフ、エルサ、ハリーにハラーが、ブーニン失脚のニュースを伝えるのだった。
以上、映画「アバランチエクスプレス」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する