正義だ!味方だ!全員集合!!の紹介:1975年日本映画。ザ・ドリフターズ主演映画シリーズの第16作で、志村けんが加入してから4作目となる喜劇作品です。横浜・伊勢浜町を舞台に、土地開発計画の裏で暗躍するヤクザや悪徳業者にドリフの面々らが立ち向かっていきます。本作では当時大人気を誇ったスーパー戦隊シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』のパロディも織り込まれており、原作者・石ノ森章太郎もキャラクターデザインで協力しています。
監督:瀬川昌治 出演者:いかりや長介(錨長太郎)、加藤茶(加藤ヒデオ)、仲本工事(中西弘次)、高木ブー(高井風太)、志村けん(志田けん)、榊原るみ(熊田めぐみ)、金子信雄(熊田卓造)、ミヤコ蝶々(ミヤコ)、園佳也子(加藤敏江)、財津一郎(津川)、伊東四朗(大神)、笑福亭鶴光(小島)、長谷川コッペ(コツぺ)、鈴木ヒロミツ(石毛)、岡ゆたか(豊岡豊)、立原博(郵便屋)、キャンディーズ(歌手)ほか
映画「正義だ!味方だ!全員集合!!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「正義だ!味方だ!全員集合!!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「正義だ!味方だ!全員集合!!」解説
この解説記事には映画「正義だ!味方だ!全員集合!!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
正義だ!味方だ!全員集合!!のネタバレあらすじ:起
ここは横浜・伊勢浜町。この平和な町にも都市開発の波が押し寄せようとしていました。インチキなチンドン屋の錨長太郎(いかりや長介)と中西弘次(仲本工事)は、高井印刷の主人・主人高井風太(高木ブー)が地元の暴力団・大神組の組員らに痛めつけられている現場を目撃しました。高井は大神組から立ち退きを強要されており、大神組を追い払った錨と中西は高井の手引きで伊勢浜商店会の会長ミヤコ(ミヤコ蝶々)に会いにいきました。
ミヤコの経営するクラブでは、大神組の立ち退き要求にさらされている商店街の者たちが対策を考えている最中でした。中々良いアイデアが浮かばない商店街の者たちはマスコミに訴えようと提案しますが、大神組はマスコミに圧力をかけているため思うようにいきません。
そんな商店街の者たちのやり取りを聞いていた錨は、自分たちで町内新聞を発行して大神組の悪行を世間に訴えようと持ちかけました。元々広告業をしていたとうそぶく錨は、組員たちを引き連れてやって来た大神組の組長(伊東四朗)に対して咄嗟に取材をするかのような芝居を打ち、大神たちは一旦引き上げることにしました。
その様子を見たミヤコはすっかり錨を信用してしまい、商店街から出資を募って本当に新聞を作ることになりました。ミヤコは今流行っている“劇画”を連載してほしいと注文してきました。
正義だ!味方だ!全員集合!!のネタバレあらすじ:承
伊勢浜商店街の交番に勤務する巡査の志田けん(志村けん)はいつものように自転車で巡回していると、熊田めぐみ(榊原るみ)率いる人形劇団が幼稚園児たちにヒーロー人形劇「ゴリレンジャー」を披露していました。
劇が終わった後、めぐみは劇団員の加藤ヒデオ(加藤茶)が何か思いつめたかのような表情をしていることに気づき、事情を聞いてみました。加藤は故郷の広島から警官になるためにやってきたのですが、試験に落ちてしまい、故郷で中学教頭をしている母・敏江(園佳也子)から手紙できつく叱られたのだというのです。
その頃、錨と中西は商店街から資金100万円を調達して町内新聞「ダウンタウン」を設立していましたが、乗り気でない中西は資金を持ち逃げしてトンズラしようと持ちかけました。か錨ら劇画のアイデアを考えるよう説教された中西は、これはどうかと怪人二十面相の衣装を錨に着せ、これで街を散策でもしていればきっと良いアイデアが浮かぶのではとはぐらかしました。
錨は怪人二十面相の格好のまま港に行くと、そこでは大神組の連中が自分たちを追及しようとする記者の小島(笑福亭鶴光)を殺そうとしていました。しかし、錨はこの状況には全く無頓着で、突然のことに驚く大神組を後目にそそくさと去っていきました。すると今度はその場に加藤が現れ、その場で自殺を図ってしまいます。
錨と中西に助けられて一命を取り留めた加藤は錨の顔を見るなり唐突に「あ、ゴリレンジャー!」と叫び、呂律の回らない状態でゴリレンジャーの漫画を描き始めました。錨はこの漫画を気に入って採用することにし、「ダウンタウン」は商店街の歓迎を受けて創刊されました。しかし、加藤は自分のアイデアが勝手に採用されたことに不満を抱いていました。
正義だ!味方だ!全員集合!!のネタバレあらすじ:転
めぐみの父・熊田卓造(金子信雄)は熊田商事や熊田不動産などを経営しており、伊勢浜にレジャービルを建てるために大神と共謀して地元住民を強制立ち退きさせていました。しかし、卓造は大神組が小島を殺してしまったことに恐れをなしていました。
その頃、加藤は錨と中西から「ゴリレンジャー」の続きを描くようめいじられていましたが、どうもアイデアが浮かびません。そんな時、と錨中西は加藤の手帳から警官姿の加藤の写真を見つけ、小島の件もあったことから加藤は警察のスパイなのかと疑いました。それでも錨は手帳に書かれていた住所を元にめぐみに会いに行き、加藤への誤解を解くとともに「ゴリレンジャー」の元ネタはめぐみが考えたことを知りました。
そこで錨はめぐみがストーリーを、加藤が作画を分担することにして「ゴリレンジャー」を売り出していきますが、錨からストーリーについて注文されためぐみは思わず父・卓造を連想して涙ぐんでしまいます。卓造はかつては町の人々から“親方”と呼ばれて親しまれていた人格者でしたが、大神とつるんでからは住民立ち退きに加担してすっかり嫌われ者となり、耐えきれなくなっためぐみは家を出てしまったのです。
錨と中西はめぐみと加藤と共に地元の老人たちにも人形劇を楽しんでもらえるイベントを開き、めぐみと加藤は集まった老人たちに「ダウンタウン」を配りました。イベントが終わった後、錨の元に「週刊春秋」からぜひとも「ゴリレンジャー」掲載したいとのオファーがあり、錨は編集長の津川(財津一郎)から1年1000万の提示を受けて舞い上がってしまいます。
そんな時、加藤の元に敏江が上京するとの手紙が届き、これまで自分は「めぐみと結婚している」「めぐみの父親は学校の校長」「めぐみは既に妊娠5ヶ月」などと嘘をついていた加藤は青ざめてしまいます。翌日、めぐみの父に扮した錨や妊娠したかのように装っためぐみなどが加藤のために一芝居打つことにし、加藤も警官の格好をして敏江を出迎えました。芝居は上手くいくかのように思われましたが、そこに週刊春秋の女性記者(塩沢とき)とカメラマンたちが現れ、加藤に「ゴリレンジャー」の格好をさせてグラビアを撮り始めました。
加藤の嘘を見破った敏江は怒ってその場を立ち去ろうとしましたが、錨は「(加藤を)枠にはめようとするあなたの教えが窮屈すぎるから、耐えきれなくなった加藤君は首つり自殺まで図ろうとしたんじゃないですか」と諭しました。自らの考えの間違いに気づかされた敏江は、「お父さんのような一生貧乏な警官で終わってほしくなかった。お前には偉くなってほしかったけども、お前は一度死んだ身なのだから、これからは自分の好きなように生きなさい」と励ましました。
ところがその直後、錨が勝手に週刊春秋と「ゴリレンジャー」連載契約を交わしたことを知っためぐみは激怒、錨は仕方なく元々「ダウンタウン」は金儲けのため始めたハッタリであったことを明かしました。錨たちの元から飛び出しためぐみは約1年ぶりに卓造の元に戻り、大神と決別してもう一度商店街の人々と仲良くしてほしいと懇願しました。
正義だ!味方だ!全員集合!!の結末
津川から前金500万円を受け取った錨たちはこのまま博多へ高飛びしようと目論みましたが、そこにミヤコや商店街の人々が現れ、めぐみの人形劇の活動に共感して改心した卓造がこの土地から手を引くと申し出たことを知らせました。ところが、開発計画を諦めきれない大神はめぐみを誘拐、卓造をも誘き寄せて拉致してしまいました。
ミヤコは大神に脅された卓造から土地の権利書を持ってくるよう迫られる一方、博多へ向かおうとしていた錨・中西・加藤は思い直してめぐみを助けることにし、志田から大神のアジトの場所を聞き出して現地に向かいました。横浜本牧埠頭にある大神のアジトでは、ミヤコの代理人として権利書を持ってきた高井が海に投げ込まれようとしていました。
錨・中西・加藤は「ゴリレンジャー」の格好をして大神一味の元に乗り込み、志田の協力を得てめぐみと卓造を助け出そうとしました。大神一味はめぐみらを人質に取って逃走、錨たちはその場にあったポンコツ車で後を追いました。錨たちは倉庫内で大神一味と大立ち回りを演じ、大神一味は駆け付けた警察や機動隊に全員逮捕されました。志田は刑事たちに「ゴリレンジャー」の手柄を報告、錨たちは得意げにポーズを決めますがそこに後ろに積んであった段ボールが落っこちて来ました…。
…20年後。錨は塾の事務局長となり、加藤は教育関連の事業を始めていました。ハワイ帰りの錨の息子・長一郎(いかりや長介(二役))は塾の講師となり、加藤の息子・太郎(加藤茶(二役))らを前に英語の授業をしていました。
以上、映画「正義だ!味方だ!全員集合!!」のあらすじと結末でした。
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