若草物語の紹介:1933年アメリカ映画。ルイーザ・メイ・オルコットの自伝的小説を原作とする初のトーキー映画。南北戦争期のアメリカ東部の町に住む、少女から大人の女性に変わりつつある四人姉妹。おてんばな次女を演じたキャサリン・ヘプバーンは、草創期のヴェネチア国際映画祭が設けた女優賞の最初の受賞者となった。脚本のサラ・Y・メイソン、ヴィクター・ヒアマンは第6回アカデミー賞脚色賞を受賞している。監督ジョージ・キューカーとヘプバーンは1979年のテレビ映画に至るまで長い協力関係を保つ。
監督:ジョージ・キューカー 出演者:キャサリン・ヘプバーン(ジョー)、フランシス・ディー(メグ)、ジーン・パーカー(ベス)、ジョーン・ベネット(エイミー)、ポール・ルーカス(ベア教授)、エドナ・メイ・オリヴァー(マーチおばさん)、ダグラス・モンゴメリー(ローリー)、スプリング・バイイントン(お母さん)、ほか
映画「若草物語(1933年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「若草物語(1933年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
若草物語の予告編 動画
映画「若草物語(1933年)」解説
この解説記事には映画「若草物語(1933年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
若草物語のネタバレあらすじ:起
南北戦争時代のアメリカ。雪が積もり、クリスマスが近づいています。奉仕活動に携わるお母さんは、出征兵士の家族と話をして、自分の幸運を思わざるを得ません。夫のマーチ氏は従軍牧師として戦地にいます。家はかつてのように豊かではありません。でも、四人の娘にめぐまれています。
家庭教師をしている長女のメグ、シャイだが優しい性格で音楽好きの三女のベス、まだ学校に通っていて、上品ぶりたがるのがたまにきずですが絵を描くのが好きな四女のエイミー、そして口やかましい金持ちの親戚、マーチおばさんのお相手をして収入を得ている、おてんばな次女のジョーです。
四人はジョーがマーチおばさんからことづかってきたお小遣いに喜び、何を買おうかと心をときめかせていましたが、その日届いたお父さんからの手紙を読んで考えを改めます。お父さんが期待をこめて彼女たちを “little women” と呼ぶのに応えて立派な女性になろうと思います。
クリスマスの朝、お小遣いはお母さんへのプレゼントに化け、しかもお母さんと共に、自分たちのクリスマスのご馳走をクリスマスプレゼントとして、子供が生まれたばかりの貧しい家へ届けるのでした。
その代わり、この話を聞いたお隣の富豪、ローレンス老人が、家でその晩ジョー作・演出の芝居を演じる姉妹と観客の少女たちにご馳走をプレゼントしてくれました。
若草物語のネタバレあらすじ:承
クリスマスのご馳走がきっかけで、ジョーは隣に住む、ローレンス老人の孫、ローリーと親しくなり、老人も正直なジョーを気に入ります。姉妹はそろってローレンス家のパーティに招かれメグはローリーの家庭教師のブルックと親しくなり、ベスは老人からローレンス家のピアノを自由に弾く許可を得ます。
後にベスはお礼に老人のためにスリッパを作りますが、そのまたお礼に老人からピアノをプレゼントされます。
お父さんの入院を伝える電報が来ました。お母さんはワシントンで入院中のお父さんを訪れることにし、ブルックがお母さんを助けて同行することになります。お母さんの不在中、ジョーが書いて売れた物語がとうとう活字になり、ローリー、メグ、エイミーに祝福されます。ところが、そこへ帰って来たベスの様子が変です。猩紅熱(しょうこうねつ)をうつされたのです。幸い、一時は命も危ぶまれたベスは回復し、お母さん、さらにお父さんも帰ってきてくれました。
一方、ブルックがベスにプロポーズし、ベスは受け入れます。結婚式の後、皆が陽気に二人を祝福しているとき、ジョーだけは、苦楽を共にした姉が先に自分より大人になってしまうことに寂しさを隠しません。
それを見ていたローリーが彼女にプロポーズします。ローリー向きの良家の奥様になれないと自覚するジョーはそれを断り、ローリーを怒らせます。これをきっかけに、前から考えていたニューヨーク行きの決意をジョーは固めるのでした。
若草物語のネタバレあらすじ:転
ジョーはニューヨークのカーク夫人の家に下宿してその家の子供たちの家庭教師をします。ヨーロッパ出身のベア教授が同じく下宿人でした。そんなある日、大人びたエイミーがマーチおばさんと訪ねてきました。
おばさんはエイミーをお供にしてヨーロッパに行くのです。 ジョーはエイミーを祝福しますが、元はと言えば自分がおばさんにお供してヨーロッパに行くはずでした。またエイミーはローリーが先に祖父とヨーロッパへ行ったことも話します。ローリーがニューヨークで自分に会えたのにあえて訪れなかったこともジョーは寂しく感じます。
そこへ追い討ちをかけるように、ジョーの小説を読んだベア教授が小説を酷評します。泣きだしたジョーのことを親身になって気遣うベア教授にジョーは涙のわけを話します。そして、心の中で聞こえた文章だけを書きなさいという彼の忠告に耳を傾けるのでした。
やがて二人はいっしょに美術館やサーカスに行くようになります。
若草物語の結末
ベア教授とオペラを観に行って上機嫌で帰って来たジョーが新しく来た手紙を開けるとベスが重病とのこと。ジョーは帰郷します。皮肉なことに、臆病だったベスが今や、妹の死を恐れるジョーを怖がらないでと慰めます。ベスは、お父さん、お母さん、メグと彼女の生んだ双子の集った家でこの世を去ります。
ヨーロッパでベスの訃報に接したエイミーを支えたのはローリーでした。二人は夫婦となってマーチおばさんと帰国し、強い雨の日にマーチ家にベスをのぞく家族が全てそろいます。もう一人、その日ベア教授も家を訪れます。
お客が多いと思って、出版されたばかりのジョーの著書を玄関先で女中のハンナに託して帰りかけたベア教授でしたが、雨中でジョーに出くわし彼女に求婚します。ジョーはそれを受け入れ、ベア教授を改めて家に迎えるのでした。
以上、映画「若草物語」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する