心の旅路の紹介:1942年アメリカ映画。1941年に出版され、ベストセラーとなったジェームズ・ヒルトンの小説『Random Harvest』を映画化した珠玉のラブストーリーです。第一次世界大戦終戦後のイギリスを舞台に、戦争で記憶を失った男と彼を想い続ける女との愛の軌跡を描きます。
監督:マーヴィン・ルロイ 出演者:ロナルド・コールマン(チャールズ・レニア/ジョン・スミス)、グリア・ガーソン(ポーラ・リッジウェー/マーガレット・ハンソン)、フィリップ・ドーン(ジョナサン・ベネット医師)、スーザン・ピータース(キティ・チルセット)、ヘンリー・トラヴァース(シムズ医師)、レジナルド・オーウェン(ビッファー)、ユーナ・オコナー(タバコ屋店主)、リス・ウィリアムズ(サム)、オーブリー・メイザー(シェルドン)、マーガレット・ワイチャーリ(デーフェンター夫人)、アーサー・マーゲットソン(チェットウィンド・レイニア)、ほか
映画「心の旅路」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「心の旅路」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
心の旅路の予告編 動画
映画「心の旅路」解説
この解説記事には映画「心の旅路」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
心の旅路のネタバレあらすじ:起
第一次世界大戦の終結直前頃の1918年の秋。イギリス中部メルブリッジの軍人精神障害者施設に軍人ジョン・スミス(ロナルド・コールマン)が入院していました。スミスは戦場で負った傷が元でを記憶を失っていました。
終戦が決まった11月11日、スミスは気晴らしに病院を抜け出して散歩に出かけましたが、終戦を祝うムード最高潮の町の中で迷ってしまい、旅芸人一座の花形踊り子のポーラ・リッジウェー(グリア・ガーソン)に助けられました。
スミスを気にかけたポーラは彼を自分の舞台に招待しましたが、スミスは体調を崩してしまい、ポーラは献身的に介抱しました。
やがてスミスが病院から逃げ出していたことを知ったポーラは彼を病院に戻そうかと考えましたが、スミスが誤ってマネージャーのサム(リス・ウィリアムズ)を押し倒してしまったため、スミスを哀れに思ったポーラは一座を辞めてまでも彼を連れてメルブリッジから遠ざかろうと決心しました。
心の旅路のネタバレあらすじ:承
ポーラはスミスを連れ、片田舎の村デヴォンに辿り着きました。やがてスミスは田舎での穏やかな生活の中で記憶こそ戻らないものの体調も回復していき、生計を立てるため作家になろうと決意しました。
やがてわずかながらも原稿料収入を手にしたスミスはポーラと結婚、二人の間には子供も生まれて、ささやかながらも幸せな暮らしを送っていました。スミスはポーラに、彼女や子供の瞳の色と同じ青色のビーズの首飾りを贈りました。
そんなある日、スミスの原稿がリバプールの新聞社に採用されることとなり、スミスは喜びに胸を弾ませてリバプールに向かいましたが、現地で車に撥ねられてしまいました。スミスは幸い軽傷で済んだものの、記憶は戦争時の3年前に戻ってしまっていました。
ポーラの記憶を失ったスミスはなぜ自分がリバプールにいるのかを知るため、故郷に戻ることにしました。実はスミスの正体はイギリスでも屈指の大富豪の息子チャールズ・レニアであり、この日は亡くなったチャールズの父の葬儀が行われていました。チャールズは父の遺言により莫大な遺産と屋敷を相続することとなりました。
しかし、チャールズの心の片隅には、事故の時に持っていた鍵(デヴォンの家の鍵)と自身がなぜリバプールにいたのかという疑問が残り続けていました。
心の旅路のネタバレあらすじ:転
数年後、兄の跡を継いだチャールズは実業家として成功を収め、姪のキティ・チルセット(スーザン・ピータース)と交際していました。そんなある日、チャールズは自分がメルブリッジの病院に入院していた時の主治医だったジョナサン・ベネット医師(フィリップ・ドーン)の声を聞き、何かを思い出そうとしましたがそのままキティとの結婚を決意しました。
一方、ポーラは子供に先立たれていましたが、数年前に失踪したスミスの正体とその成功を知り、“マーガレット・ハンソン”という偽名でチャールズの秘書となりました。ポーラはチャールズの記憶を呼び起こそうと試みましたが、チャールズの記憶は戻る気配はなく、それどころかキティと結婚する意志を伝えてきました。
失意のポーラはベネット医師に相談し、チャールズに全ての真実を打ち明けることを考えましたが、ベネット医師は奇跡を信じて“スミス”が自分の元に戻るのを待つべきだと助言しました。目の前のチャールズに真実を打ち明けられないもどかしさに苦悩したポーラは“スミス”の死亡届を出し、彼との結婚は無効となりました。
一方のチャールズも未だに空白の記憶を気にしており、そのことを知ったキティはチャールズとの婚約を解消して別れることにしました。チャールズは記憶を取り戻すため再びリバプールに向かい、ポーラもチャールズの後を追って何とかして彼の記憶を取り戻そうと試みましたが思い出すことはできませんでした。
心の旅路の結末
時は流れ、国会議員の補欠選に立候補して当選したチャールズは、有能な秘書として自分を支え続けてきたマーガレット(ポーラ)にプロポーズしました。しかし、チャールズはマーガレットの正体に気付かず、未だにマーガレット(ポーラ)は他の誰か(スミス)を想い続けていることを察しましたが、どうしても記憶は戻りませんでした。ただ、チャールズはポーラが今でも大事にしている、“スミス”からもらった首飾りのことを気にしていました。
どうしてもチャールズの記憶が戻らないことに絶望を感じたポーラは意を決して彼の元を離れてひとりで南米に旅立つ決心をしました。ポーラを駅まで送ったチャールズは所用でメルブリッジに太刀より、かつてポーラと出会った場所に立ち寄ったのをきっかけに少しずつ記憶を取り戻していきました。
ポーラはスミスと暮らしていたデヴォンに宿を取っていましたが、宿の主人からある人物がポーラに関する質問をしていたこと、その人物はかつて住んでいた家を探していることを知らされました。
その頃、ずっとデヴォンの家の鍵を持ち続けていたチャールズはかつて“スミス”として住んでいた家に辿り着きました。そこにポーラが現れた時、チャールズは全ての記憶を取り戻しました。二人は互いに「スミシー(スミスの愛称)」「ポーラ」と呼び合い、固く抱きしめ合いました。
以上、映画「心の旅路」のあらすじと結末でした。
「心の旅路」感想・レビュー
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何度観てもうるうるの感動的再会シーンが心をうちます。DVDも買って繰り返し繰り返し、観ていました。ハリソンフォードの「心の旅」問題になりませんね。「心の旅路」は名作の名作です。
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まだ10代前半だった私は母に素敵な英画だよって言われた。ハマりました。半世紀もっと前。白黒英画なのに田舎の風景が目に焼き付き勝手に色をつけて楽しんでいます。
こんなことが実際にあるかどうか分からないが、ストーリーとしては非常に感動的。記憶の戻らないスミスの元で秘書として働くポーラが見ていて切ない。最後に記憶を取り戻したスミスがポーラ、と叫んで抱き合うシーンは胸に迫る。