在りし日の歌(原題:地久天長)の紹介:2019年中国映画。中国の激動の歴史を生きたとある夫婦の話。一人息子を亡くした夫婦が悲しみをこらえ、「一人っ子政策」に振り回されながらも逞しく生きた30年を描いています。夫婦役の主演二人がベルリン国際映画祭最優秀主演男優・女優賞を獲得しています。
監督:ワン・シャオシュアイ 出演:ワン・ジンチュン(リウ・ヤオジュン)、ヨン・メイ(ワン・リーユン)、チー・シー(シェン・モーリー)、アイ・リーヤー(リー・ハイイエン)、ワン・ユエン(リウ・シン / 16歳)、ドゥー・ジャン(シェン・ハオ)、シュー・チョン(シェン・インミン)、ほか
映画「在りし日の歌」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「在りし日の歌」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
在りし日の歌の予告編 動画
映画「在りし日の歌」解説
この解説記事には映画「在りし日の歌」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
在りし日の歌のネタバレあらすじ:起
中国のヤオジュン夫婦は一人息子のシンと幸せに暮らしていました。ヤオジュン(ワン・ジンチュン)の同僚夫婦にもシンと同い年のハオという子供がいて、とても仲が良く家族ぐるみの付き合いをしていたのです。
ある日、ヤオジュンの妻リーユン(ヨン・メイ)が二人目の子供を妊娠しますが、中国の推進する「一人っ子政策」のため強制的に堕胎させられてしまいます。リーユンはその時の事故が元で、もう二度と妊娠できない体になってしまいました。
心も体も傷ついてしまったリーユン。そんな夫婦に追い討ちをかけるように悲劇が押し寄せます。ある日、ハオが川で遊ぼうとシンを誘いますが、泳げないシンは行くのを嫌がります。それを怒ったハオはシンを置いて仲間の所に行ってしまいます。
在りし日の歌のネタバレあらすじ:承
これがシンを強引に川に導く結果となり、シンは川で溺れてしまいます。大人達が懸命に救助するのをハオは青ざめた表情でただ見ていることしか出来ませんでした。救助活動も虚しく、シンは亡くなってしまいます。
一人息子を失ったヤオジュンとリーユン。その悲しみは計り知れないものでした。どうしても辛さを乗り越えられない二人は、全てを忘れようと住み慣れた故郷も、気心の知れた友人も全てを捨て、遠く離れた見知らぬ町へ引っ越していきました。
在りし日の歌のネタバレあらすじ:転
それから何年か経ちました。悲しみを乗り越え、前を向くことが出来たヤオジュンとリーユン。もうリーユンは子供を産むことができないため、養子をとることにしました。
それは亡くなった子供と同じ名前の「シン」という名前の子供です。しかしシン(ワン・ユエン)は幼少の頃から両親の愛情を知らずに育ったために、どうしても新しい両親であるヤオジュンとリーユンに対して心を開く事が出来ません。こうして関係はギクシャクしていくのでした。
ヤオジュンの同僚夫婦だったインミン(シュー・チョン)とハイイエン(アイ・リーヤー)は、ヤオジュン達がいなくなってから不動産で財を成して金持ちになっていました。ハオ(ドゥ・ジャン)も大きくなり医者なっていたのです。
在りし日の歌の結末
ある日、ハイイエンに病気が発覚し、それは死期の迫ったものだと分かります。死ぬ前にもう一度会いたいと言うハイイエンのたっての希望により、ヤオジュンとリーユンの居場所をどうにか突き止め、故郷に帰ってくるようお願いするのでした。彼らにとってはシンの事故以来、本当に久し振りの帰郷となります。
ハオは長い間ずっと心に残ったモヤモヤを持ち続けていました。それはシンが死んだのは自分のせいだということ。ハオはヤオジュンとリーユンに会うと、自分が川に誘ったからシンは死んでしまったと土下座をして、涙を流しながら謝罪します。
ハオも長い間苦しんでいたのでしょう。もちろん二人はハオを責めるつもりはありません。ハオの告白を聞いている途中に、疎遠になっていたシンから電話がかかります。シンは新しい恋人が出来たから今度会って欲しいと話します。
それは、長きに渡り辛い思いをしても二人で乗り越えてきたヤオジュンとリーユンが、ようやく報われた瞬間でした。
以上、映画「在りし日の歌」のあらすじと結末でした。
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