素晴らしき放浪者の紹介:1932年フランス映画。絶望した浮浪者ブーデュがセーヌ川に飛び込んだことに始まる本屋夫婦の家のてんやわんや。作品を企画・プロデュースした個性派俳優ミシェル・シモンの魅力が炸裂。パリの街角の実際の風景も新鮮な、淫らで、自由で、のびのびした、ジャン・ルノワール監督の傑作。
監督:ジャン・ルノワール 出演者:ミシェル・シモン(ブーデュ)、シャルル・グランヴァル(レスタンゴワ)、マルセル・エニア(レスタンゴワ夫人)、セヴリーヌ・レルシンスカ(アンヌ=マリ)ほか
映画「素晴らしき放浪者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「素晴らしき放浪者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
素晴らしき放浪者の予告編 動画
映画「素晴らしき放浪者」解説
この解説記事には映画「素晴らしき放浪者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
素晴らしき放浪者のネタバレあらすじ:起・ブーデュとの出会い
セーヌ河畔の本屋の主人レスタンゴワが望遠鏡をのぞいていると、一人の男が橋から身投げするのが見えた。レスタンゴワは慌てて川に走る。群衆が集まる中、彼一人が泳いで男を救出し、店に入れて人工呼吸をほどこす。だが、意識を取り戻した男は、死ぬはずだった俺をなぜ助けたと言う。
その日、彼は唯一の友である黒い犬がどこかに行ってしまったからだ。それが、放浪者ブーデュとの出会いだった。泊まるところのないブーデュをレスタンゴワは家に泊めることにする。
その夜、レスタンゴワは妻に隠れて愛人である女中のアンヌ=マリの部屋に行こうとしたが、ブーデュがベッドは嫌いだと床に寝ていたせいで行きそこねてしまった。
素晴らしき放浪者のネタバレあらすじ:承・ブーデュを追い出せ
ブーデュは家に居続けるが、恩人に感謝する様子はさらさらない。無作法で野蛮なブーデュにレスタンゴワの奥さんもアンヌ=マリも大迷惑。自由に生きる放浪者ブーデュにとって、ブルジョワ家庭的な道徳は窮屈だった。
そんなブーデュが好きだし、命を助けておいて後から放り出すのは無責任だと思っていたレスタンゴワもついに、大事にしていたバルザックの『結婚の生理学』の頁にブーデュが唾を吐いていたのを知って、彼を追い出すことを決意した。
奥さんがブーデュに出ていくように申し渡そうとするが、あろうことかブーデュは「エンマ」と奥さんの名を呼んで口説き始め、奥さんを押し倒し、結局喜ばせてしまう。
おまけにその時、人命救助によるレスタンゴワの叙勲が決定したという報がもたらされ、ブーデュはさらにレスタンゴワの家に居続けることになる。
素晴らしき放浪者のネタバレあらすじ:転・ブーデュ金持ちになる
ブーデュは本屋の客を追い返すなど相変わらずやりたいほうだい。だが、彼がレスタンゴワからもらった宝くじが10万フランの当たりくじであることがわかる。
ブーデュに、隣の部屋で夫とアンヌ=マリがむつみ合っているのを知らずに奥さんが言いより、夫婦はお互い共浮気をしているのがばれてしまう。
10万フランが当たったブーデュはアンヌ=マリに結婚を申し込むが、現代の道徳に則した問題解決のためには、二人が結婚するのがちょうどよかった。
素晴らしき放浪者の結末:再び放浪へ
川に舟を出し、レスタンゴワが司祭役をしてブーデュとアンヌ=マリの結婚式をするが、川に浮かぶ花にブーデュが手を伸ばしたせいで舟のバランスが崩れて参列者全員が川に落ちてしまう。
他の人たちがすぐ岸に上がったのに、ブーデュは川を流れ去り遠くの岸に上がり再び放浪生活を始める。
以上、映画「素晴らしき放浪者」のあらすじと結末でした。
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