囚われの美女の紹介:1983年フランス映画。闇の組織に所属する男性、ヴァルテルが体験する夢と現実の狭間の物語。ヴァルテルはダンスホールでブロンドの美女と出会い、運転中に彼女が道端で倒れているのを発見する。親切心から医者に見せようと近くの屋敷に運ぶが、ヴァルテルは次々と奇妙な体験をすることになる。1983年にフランスで公開され、1989年に日本でも公開された。アラン・ロブ・グロエ監督の作品が日本で公開されたのはこれが初めてとなった。
監督:アラン・ロブ・グロエ 出演:ダニエル・メグイシュ(ヴァルテル)、ガブリエル・ラズゥール(マリー・アンジュ)、シリエル・クレール(サラ)、ほか
映画「囚われの美女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「囚われの美女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
囚われの美女の予告編 動画
映画「囚われの美女」解説
この解説記事には映画「囚われの美女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
囚われの美女のネタバレあらすじ:起
ヴァルテルは闇組織の運び屋をしていますが、仕事は少なく、ダンスホールに通う日々を過ごしていました。
ある日、初顔のブロンドの美女を見つけます。美女は挑発的にダンスしヴァルテルを挑発します。名前も住所も電話番号も教えてくれない彼女にやきもきしていると、上司であるサラから電話が入ります。
待ち合わせに赴くと、コラント伯爵になるべく早く手紙を渡してほしいと頼まれました。コラント伯爵の元へ車を走らせていると、先程ダンスホールで出会った美女が道端に倒れているのを発見します。
美女に惹かれつつあったヴァルテルは近くの屋敷に彼女を運び、屋敷にいた男たちに医者を呼んで欲しいと頼みました。しかし、ヴァルテルは美女と共に部屋に閉じ込められてしまいます。美女は彼を求め、2人は関係を持ちます。
しかしヴァルテルが目を覚ますと美女の姿はなく、部屋には絵画「囚われの美女」やボロボロの新聞紙が貼り付けてありました。ベッドには彼女の手首に巻かれていた鎖が無造作に置いてあり、プレートには「マリー・アンジュ」と刻印されていました。
囚われの美女のネタバレあらすじ:承
マリーを探すべくヴァルテルは屋敷を歩き回ります。しかし誰もいないどころか、嵐に遭ったように荒らされています。蛇口を捻っても水は出ず、鏡も汚れています。自分の姿を映したところで、首に噛み跡のようなものがあり、そこから出血していることに気が付きました。
コラント伯爵に手紙を渡す任務を思い出し、ヴァルテルは再び車を走らせます。途中入ったカフェで、マリーがコラント伯爵との結婚式前日に行方不明になったことを知ります。慌てて向かいますが、コラント伯爵は亡くなった直後でした。
刑事のフランシスはヴァルテルが左ポケットにマリーの物と思われる靴が入っていることを見抜き、徴収します。代わりにコラント伯爵が集めていたポストカードを渡しますが、裏面には上司であるサラからのメッセージが書かれていました。
困ったヴァルテルはサラに渡しますが、指令を果たせなかったヴァルテルに対し腹を立てます。彼が立ち尽くしているとマリーが現れ語りかけます。ヴァルテルはサラの声で我に返りました。勝手に部屋の鍵も閉め、サラのベッドで眠っていたのです。
囚われの美女のネタバレあらすじ:転
不思議な体験をしていることに気が付いたヴァルテルは、昨日マリーと出会ったダンスホールに戻ります。マスターに昨日一緒に踊っていた美女について尋ねますが、満員で見ていないと返されます。写真を見せると、数年前に亡くなったヴァン・ド・レーヴ教授だと言います。
しかしバーカウンターにはマリーの物と思われる靴がありました。ヴァルテルがそれを手にすると、奥からフランソワ刑事が現れてヴァン・ド・レーヴ教授の居場所を教えます。
ヴァン・ド・レーヴ教授は心霊術を学んでおり、娘であるマリーが亡くなった後も彼女に会った人が大勢いることに驚いていない様子でした。話もそこそこにヴァルテルの顔色を心配し、泊まっていくといいと部屋を宛がいます。そこにはマリーの似顔絵や彼女の着ていたワンピースが飾ってありました。
疲れ果てたヴァルテルがベッドに寝転ぶと、マリーはどこからともなく姿を現します。彼は海岸で踊るマリーの幻覚を見ますが、それはヴァン・ド・レーヴ教授が実験として見せているもので、ヴァルテルは昏睡状態に陥っていたのです。
囚われの美女の結末
ヴァン・ド・レーヴ教授は、昏睡状態の人間に殺す幻覚を見せる実験をしていました。夢の中でヴァルテルが兵士に殺されそうになった時、外から聞こえるバイクのエンジン音が阻害し失敗に終わります。生還したヴァルテルは、サラにマリーについての話を聞きました。やはり彼女は殺されており、この世にいない存在でした。
ヴァルテルはマリーを探して訪れた場所をもう一度訪れます。屋敷のドアを開けた時、ヴァン・ド・レーヴ教授により夢で見させられた兵士とフランソワ刑事がいます。ヴァルテルは捉えられてしまったところで、夢から覚めます。
ヴァルテルは現代の人間で、恋人のサラと一緒に住んでいました。マリーも、マリーの正体を探る過程で起きたことも、すべて夢だったのです。
彼は朝食をとるために部屋を後にしますが、部屋の外に夢で見たポストカードが落ちているのを発見します。さらに道端でブロンドヘアの女性が倒れており、駆け寄ると兵士がやってきました。後ろでは部屋に残ったはずのサラが微笑んでいます。サラの指示で兵士たちは発砲し、ヴァルテルは命を落としました。
以上、映画「囚われの美女」のあらすじと結末でした。
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