若い女の紹介:2017年フランス映画。嘘つき・泣き虫・見栄っぱり…。パリを舞台に、10年間交際していた男にフラれて無職・宿無し・無一文となったダメ女がやけっぱちになりながらも等身大の暮らしを送ろうと奮闘する様を描いたヒューマンドラマです。本作で長編監督デビューを飾った監督・脚本のレオノール・セライユはカンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)を、主演のレティシア・ドッシュはリュミエール賞最有望女優賞を受賞しています。
監督:レオノール・セライユ 出演者:レティシア・ドッシュ(ポーラ)、グレゴワール・モンサンジョン(ジョアキム)、スレイマン・セイ・ンディアイ(ウスマン)、ナタリー・リシャール(ポーラの母)ほか
映画「若い女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「若い女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
若い女の予告編 動画
映画「若い女」解説
この解説記事には映画「若い女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
若い女のネタバレあらすじ:起
フランス・パリ。この日、10年も連れ添った50歳の恋人ジョアキム(グレゴワール・モンサンジョン)とケンカ別れをしたばかりの31歳の女性・ポーラ(レティシア・ドッシュ)が、ジョアキムのマンションの前で荒れていました。
勢い余ってドアに頭突きしたポーラは額に怪我を負い、運ばれた病院でもわめき散らしていました。ポーラは看護師から「まだ今はひとりでも若くて自由だし」と言われたことに腹を立てて暴れ回り、結局その日は措置入院という形で病院で一晩を明かすことになりました。
ポーラがジョアキムと知り合ったのは今から10年前のことでした。有名なカメラマンであるジョアキムと出逢ったポーラはこれまで通っていた大学を中退してまでも彼と行動を共にするようになり、ジョアキムの写真集のモデルとして活動していたのです。ジョアキムの部屋を出て行ったポーラと行動を共にするのは彼の飼い猫1匹だけでした。
病院を出たポーラは顔にマジックで鼻ヒゲを描き、一人バーで酒を飲んで踊り明かしました。それからポーラは猫と共に友人アンヌ(マリー・レモン)の元を訪れますが、妊娠しているアンヌはポーラが猫を連れていると知るや嫌がって彼女を追い出してしまいました。
若い女のネタバレあらすじ:承
ポーラはジョアキムがいない隙を見計らって彼の部屋に忍び込み、荷物をまとめると安宿に泊まることにしました。ところが、ポーラはこの宿が禁煙にも関わらず煙草を吸い、更には猫を連れ込んだこともバレて追い出されてしまいました。
ポーラは猫を獣医に診せましたが、もはやポーラには金が残っていませんでした。ポーラは手持ちのアクセサリーを売って当分の資金を確保、ショッピングモールの下着売り場の求人に申し込むことにしました。
そんな時、ポーラは偶然にも街中で母(ナタリー・リシャール)と再会しました。しかし、母はポーラを歓迎するどころか仕事の多忙を理由にまともに取り合おうともせず、「出て行ったきり連絡をよこさないところは父親そっくりだ」と冷たく突き放してしまいます。母との和解を望んでいたポーラは深く落胆してしまいました。
地下鉄に乗ったポーラは、ジョキアムが個展を開くことをポスターで知りました。その後、一人で地下鉄に揺られるポーラにユキ(レオニー・シマガ)という女性が話しかけてきました。どうやらユキはポーラをかつての同級生だったサラという人物と勘違いしているようでしたが、誰からも見放されて孤独だったポーラはつい嬉しくなり、そのままサラのフリをして接することにしました。
同性愛者であるユキはサラのことが好きだったと語り、サラが交際していた男と別れたのかと聞いてきました。ポーラはサラになりきって話を合わせ、その日はユキの部屋に泊めてもらうことにしました。別れ際、ポーラはほんのちょっと楽しい気持ちになりました。
若い女のネタバレあらすじ:転
ショッピングモールの下着売り場のアルバイトを始めたポーラは、並行してベビーシッターの求人に応募しました。依頼主はポーラと同年代の女性であり、住み込みという条件付きで娘リラ(リラ・ローズ・ジルベルティ)のベビーシッターを探していたのです。ポーラは自分は美術大学生だと嘘をついて何とか雇ってもらえることになり、同時に寝床も得ることに成功しました。
この日以降、ポーラはモールのアルバイトと並行してリラの面倒を見るようになりました。最初のうちはリラはポーラに中々なついてくれず、ポーラは別れたはずのジョアキムの留守電に近況を打ち明けていました。結局はポーラのことを心配していたジョアキムは早速ポーラに電話を入れましたが、何度も電話をかけてもポーラは出ようとはしませんでした。
そんなある日、ポールはわたあめを食べたことがないというリラをバイト先のモールに連れていきました。このことをきっかけにリラはすっかりポーラと打ち解け合いましたが、リラの母はポーラが勝手にリラを連れ出したこと、そしてポーラが猫を飼っていることを快く思わず、ポーラはモールの警備係のウスマン(スレイマン・セイ・ンディアイ)に猫を預けることにしましたが、ポーラはリラから母が新しいベビーシッターを探していることを知らされました。
そんなある日、額の傷の治療のため病院に行ったポーラは、そこで自分がジョアキムとの子を妊娠していることを告げられました。
若い女の結末
まさかの出来事に戸惑うポーラはその足でクラブに行き、そこでユキと再会しました。しかし、ユキはポーラがサラを装っていることを知るなり態度を急変させ、「お金が目的?」と手の平を返したように冷たく突き放しました。
落ち込んだポーラは、たまたま酒場で居合わせた男に母とはあまり良い思い出がなかったことをつい愚痴りました。男はただ母のことを覚えているだけでもいいじゃないかと返し、もし孤児ならば母との思い出すらないとい語りました。
無性に母に会いたくなったポーラは早速母の元を訪れましたが、そこで目の当たりにしたのは母が「仕事で多忙だ」というのは全くの嘘であり、実際は生活に困窮している事実でした。母は何としてもポーラを追い返そうとしましたが、ポーラも必死で抵抗しました。
ある日、ポーラがショッピングモールで働いていると、そこにジョアキムがやってきました。ポーラの妊娠を喜んだジョアキムはぜひとも自身の個展のオープニングセレモニーには出てほしいと頼んできました。
その後、ウスマンの元に猫を引き取りに行ったポーラはそのままウスマンと良い感じになりましたが、結局ウスマンは酔い潰れて寝てしまい、ポーラは仕方なくその場を後にしました。
そしてジョアキムの個展のオープニングセレモニーの日。ポーラは着飾ってセレモニーに顔を出すと、ジョアキムにお腹の子を堕ろすと告げ、今度こそ本当にジョアキムの元から自立する決意を固めました。
以上、映画「若い女」のあらすじと結末でした。
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