ぶあいそうな手紙の紹介:2019年ブラジル映画。孤独な老人エルネストは隣国ウルグアイからやってきて46年、老境を迎え、目はほとんど見えない。そんな中、エルネストに一通の手紙が届く。差出人はウルグアイ時代の友人の妻。偶然知り合ったブラジル娘のビアに手紙を読んでもらうよう頼み、一人暮らしのエルネストの部屋にビアが出入りするようになる。異なる文化と異なる世代の2人。ビアとの出会いがエルネストに新しい人生と新しい愛の扉を開くきっかけとなる。ブラジル音楽のレジェンド、カエターノ・ヴェローゾの名曲『ドレス一枚と愛ひとつ』が映画を彩る。
監督:アナ・ルイーザ・アゼヴェード 出演:ホルヘ・ボラーニ(エルネスト)、ガブリエラ・ポエステル(ビア)、ジュリオ・アンドラーヂ(ラミロ)、ホルヘ・デリア(ハビエル)、グロリア・デマシ(ルシア)、アウレア・バプティスタ(クリスティナ)、マルコス・コントレーラス(グスタボ)ほか
映画「ぶあいそうな手紙」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ぶあいそうな手紙」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ぶあいそうな手紙の予告編 動画
映画「ぶあいそうな手紙」解説
この解説記事には映画「ぶあいそうな手紙」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ぶあいそうな手紙のネタバレあらすじ:起
ブラジル南部の街、ポルトアレグレ。エルネストは78歳の独居老人です。サンパウロに暮らす息子のラミロは父を心配し同居しようと申し出ますが、エルネストは受け入れようとしません。
そんなある日、エスネストのもとに一通の手紙が届きます。よく目が見えないエルネストに代わって郵便受けから手紙を持ってきてくれた隣人のハビエルは、差出人がルシアという女性だとからかいました。エルネストは字が読めないため、しばらく手紙の封を切ることができずにいました。
ある日、エルネストは家の入口で犬を連れた若い娘ビアと出会いました。些細な揉め事がきっかけとなり、遠慮はないがユーモアのある彼女に、エルネストはお茶をふるまいました。ビアの話では、自分は上階に住むベラ夫人の姪で、入院した叔母に犬の散歩を頼まれたとのこと。しかし彼女が帰るとエルネストは部屋の鍵がなくなっていることに気付きました。
ぶあいそうな手紙のネタバレあらすじ:承
エルネストの家には週に一度、クリスティナというお手伝いさんが部屋の掃除に来ます。エルネストは彼女に手紙を読んでくれと頼みましたが、クリスティナはスペイン語で書かれた手紙を読むことができません。そこで、エルネストはビアに手紙を読んでほしいと頼みます。スペイン語を上手に読むビア。ルシアの手紙には、夫のオラシオが死んだということが書かれていました。そして手紙は“お返事を下さい 愛を込めて”という言葉で締めくくられていました。
ビアはエルネストの不在中に勝手に部屋に入り、本やお金を盗っていました。エルネストも気づいているものの咎めることはしませんでした。
ある朝、エルネストは犬を連れたビアと一緒に散歩し、自分のために手紙の返事を書いてほしいと頼みました。部屋でタイプライターに向かうビアに、エルネストは手紙を口述します。
「拝啓…」と切り出すエルネスト。これにビアは強く反発します。「拝啓だなんてぶあいそうすぎる」と。不思議とビアの言葉は素直に聞き入れることができました。エルネストがキッチンにわざと置いた20レアルは残ったままでした。
ぶあいそうな手紙のネタバレあらすじ:転
ビアと会う約束をした木曜日。いつまで待ってもビアは来ません。
エルネストはベラ夫人を訪ねると、ビアは姪などではなく犬の散歩のために雇われただけだと言われました。しかも食品を勝手に食べたり、留守中に許可なく寝泊まりしていたことが発覚し、クビにしたところだと言うのです。
気落ちしているエルネストを心配し、隣人のハビエルが様子を見にきました。またルシアから手紙が届きました。しかし、ビアがいなくては読むことができずそのままにしていました。
ようやくビアがやって来ました。しかし目には青あざ。たちの悪い元カレのグスタボに「貸した金を返せ」と言いがかりを付けられていたのでした。エルネストはすべてを打ち明けてくれたビアを息子の部屋に泊めてあげることにしました。
ビアはルシアの手紙を読んであげました。
手紙には“「親愛なる」ではじまる手紙が嬉しかった”と書かれていました。ビアはルシアのエルネストへの愛を確信します。
しかし楽しい時間がビアの元カレ、グスタボによって打ちのめされます。突然入ってきたかと思えば怒鳴り散らし金を返せと言ってくるのです。エルネストはビアを守るために偽物の銃で追い返しました。
ぶあいそうな手紙の結末
エルネストはビアの借金返済のため、トイレが壊れたから修理代がほしいと息子ラミロに嘘をつき工面しました。
そんな中、ハビエルの妻、エルビラが突然亡くなりました。ブエノスアイレスへ戻ることを嫌がっていたハビエルでしたが、子供のもとへ帰ることを決意しました。引き留めるエルネストに「独りで死ぬのは嫌だ」と力なく答えるハビエル。
エルネストも決意しました。荷物をまとめ部屋を片付けます。そしてビアに「最後の手紙を書いてほしい」と頼みました。
“息子へ”
エルネストがビアに頼んだ最後の手紙は息子ラミロに宛てたものでした。これまで息子へ愛していると言えたことがなかったエルネストの手紙には、息子への愛が溢れる言葉で埋め尽くされていました。
続けてこう書かれていました。
“部屋をビアに託しウルグアイへ向かう。かつて同じ時間をすごし、同じ記憶を持ったルシアの元へ”と。
以上、映画「ぶあいそうな手紙」のあらすじと結末でした。
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