アルゴ探検隊の大冒険の紹介:1963年イギリス映画。製作シニア&特撮ハリーハウゼンの代表作と言える作品。ストップモーションアニメの歴史に名を連ね、骸骨戦士との戦いなどのクリーチャーの表現が秀逸なものとなっています。黄金の羊の毛皮を求めて旅に出たイアソン一行の冒険談です。
監督:ドン・チャフィ 出演:トッド・アームストロング(イアソン)、ナンシー・コヴァック(メディア)、ゲイリー・レイモンド(アカストス)、ローレンス・ネイスミス(アルゴス)、オナー・ブラックマン、ニオール・マッギニス、マイケル・グウィン、ダグラス・ウィルマー、ほか
映画「アルゴ探検隊の大冒険」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アルゴ探検隊の大冒険」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アルゴ探検隊の大冒険の予告編 動画
映画「アルゴ探検隊の大冒険」解説
この解説記事には映画「アルゴ探検隊の大冒険」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アルゴ探検隊の大冒険のネタバレあらすじ:起
古代ギリシャの都市テッサリアを、ペリアスは征服します。後の反乱分子になってはいけないと、王族関係者は一掃されてしまいます。しかし女神ヘラの寵愛を受けていた赤ん坊だけが生き残ってしまいます。そして20年の月日が経ちました。
溺れているペリアスを一人の青年が救いだします。その青年こそが唯一のテッサリアの生き残りの王子イアソン(トッド・アームストロング)だったのです。イアソンは助けた相手がまさか仇だとは気づいていない様子。
そんなイアソンにペリアスは、世界の最果てにあると言われる、世界に平和をもたらすお宝「黄金の羊の毛皮」の在りかを教えます。それは命の危険を伴うものでしたがイアソンには願ってもないチャンスでした。
イアソンは支度に入ります。ギリシャ中の勇者を募ります。その中には英雄ヘラクレスや、身分を隠して参加したペリアスの息子アカストス(ゲイリー・レイモンド)もいました。アルゴ号と名付けられた大型船に乗り、いよいよ出発です。
アルゴ探検隊の大冒険のネタバレあらすじ:承
しかし持っていた食料や水はあっというまに尽きてしまいました。全ての神ゼウスから、困った時は5回だけヘラの助力を得ても良いと言われていたイアソンは、早速ヘラに助力を得てブロンズ島にやってきました。水と食料を補給し、さあ出発という所で島の宝に手を出してしまったヘラクレスが、宝を守っていた巨人ティロスの怒りを買ってしまいます。
ティロスは巨大で強力でした。窮地に陥る一行でしたが、再びヘラの助力を受け、ティロスの弱点を教えてもらいティロスを撃破。船を再出発させる事が出来ました。しかしゼウスからの使命を受けていたヘラクレスとは、ここで離れる事になります。
ヘラの助言から、怪鳥ハーピーに捉えられている盲目の預言者ピネウスの元に向かうように言われます。ハーピーを上手く閉じ込めピネウスを助けたイアソンは、お礼にとピネウスから次の目的地コルキスの航路を教えてもらい、お守りを受けとりました。
アルゴ探検隊の大冒険のネタバレあらすじ:転
教えてもらった航路は大荒れで、先を進むのも難関になってしまいます。絶望し自棄になったイアソンがお守りを海に投げると、海神トリトンが現れてイアソン達を無事通過させてくれました。そしてイアソン一行は海を漂っていたメディア王女(ナンシー・コヴァック)を救いだし、コルキスに辿り着きます。
イアソンは、黄金の羊の毛皮を守るアイエテス王にどのように近づいていくかでアカストスと対立してしまいます。そして父ペリアスの命によりイアソンの命を密かに狙っていたアカストスの裏切りにより、黄金の羊の毛皮を取りに来た事がバレたイアソンが、アイエテス王に捕らえられてしまいます。
しかし、イアソンと惹かれ合っていたメディア王女がイアソンを助け出し、ついに黄金の羊の毛皮の元にやってきますが、イアソン達を待ち受けていたのは七つの首を持つ竜ハイドラでした。
アルゴ探検隊の大冒険の結末
イアソン達を裏切り、先に黄金の毛皮を手に入れようと先にやってきていたアカストスは、すでにハイドラにやられていました。強力な力を持つハイドラに劣勢なイアソン達でしたが、ハイドラの僅かな隙をつきハイドラを倒し、黄金の羊の毛皮を手に入れます。
すると後から追ってきたアイエテス王がヘカテに祈ると、ハイドラの牙が骸骨戦士に変わっていきます。襲い掛かってくる骸骨戦士とイアソン達は戦い、多大な犠牲を伴いながらどうにか逃げ延びます。
こうして無事に黄金の羊の毛皮を手に入れたイアソンは、彼を慕うメディア王女を連れて帰路につきました。そんな勇ましい姿をゼウスやヘラが頼もしく見守っていました。
以上、映画「アルゴ探検隊の大冒険」のあらすじと結末でした。
この映画「アルゴ探検隊の大冒険」は、ギリシャ神話の「アルゴ船の遠征」を映画化したファンタジー・アドベンチャーの傑作だ。
製作及び特殊撮影をしている人形アニメーションの第一人者、レイ・ハリーハウゼンが、見事にギリシャ神話の世界を描いていると思う。
王位返還を要求したジェイソンに、ペリアス国王は交換条件としてある難題を要求する。
それは、コルキス国にある、幸福をもたらす黄金の羊の毛皮を取ってくることだった。
勇者たちを伴い、アルゴ号に乗り込むジェイソン。
だが、行く手には様々なモンスターたちが待ち受けていた——。
レイ・ハリーハウゼンは偉大だと思います。
ハリーハウゼン本人は、この作品について「15編ある自分のファンタジー映画の中で最も気に入っている」と、かつて語ったことがあります。
鳥人ハービー、7つ頭のあるヒドラ、青銅の巨人タロスなど、どのキャラも傑作ぞろいです。
その中でも、一番有名なのは、地面からわらわらと出てくる骸骨兵でしょう。
最近のCG全盛の時代の映画にはない、温もりのある、いかにも手作り、手作業の特撮という感じがして、嬉しくなってしまいます。
黄金の羊の毛皮を求めて船出するジェイソンとその仲間たちのファンタジックな冒険物語は、ストーリーの先が見えてしまうとしても、やっぱりハラハラ、ドキドキして手に汗握ってしまいます。
また、悪役の憎たらしさも満点ですし、途中で現われる美女で画面が華やかになりますし、最初から最後まで見どころ満載のシーンの連続で、なんとまあサービス精神旺盛な映画だろうと思ってしまいます。
私がこの映画の中で一番好きなシーンは、もちろん骸骨兵のシーンなのですが、もうひとつ、巨大なポセイドン神が絶壁から崩れ落ちてくる岩を防御して、無事に船を通してくれるシーンもとても好きですね。
ポセイドンの下半身は魚なので、海面下に微かに人魚のようなシルエットが見えて、とても神秘的でしたね。
ジェイソンを助けてくれるのは、実は天上にいるギリシャ神話の神々です。
船の船首像となって3回だけ助けてくれるのが、ゼウスの妻のヘラ。魔法使いのように地上に現われて、ジェイソンを導く姿は、とても綺麗でうっとりします。
この映画は、ハリーハウゼン本人が、一番好きだと語っているだけのことはあります。
奇妙な生き物たちの種類の多さもさることながら、巨大な神様たちに感動を覚えます。
また、主人公ジェイソンのカリスマ性というか、冒険物語のヒーローとしては申し分のないカッコ良さには惚れ惚れとしてしまいます。