スージーの真心の紹介:1919年アメリカ映画。紆余曲折を経て結ばれる幼馴染の恋物語を描いたコメディ作品。純真な少女スージーは、幼馴染のウィリアムを心から愛していた。経済的な理由で進学出来ない彼のため、スージーは匿名で学費の援助を行う。スージーがあらゆるものを犠牲にしたとは露知らず、ウィリアムは学業に励み、牧師となって帰郷した。喜ぶスージーだったが、ウィリアムは別の女性に惹かれ結婚してしまう。監督は「映画の父」と謳われるG・W・グリフィス。
監督:D・W・グリフィス 出演者:リリアン・ギッシュ(スージー)、ロバート・ハロン(ウィリアム・ジェンキンス)、クラリン・シーモア(ベッティーナ・ホプキンス)、ロヨラ・オコナー(スージーの叔母)、レイモンド・キャノン(スポーティー・マローン)ほか
映画「スージーの真心」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スージーの真心」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スージーの真心の予告編 動画
映画「スージーの真心」解説
この解説記事には映画「スージーの真心」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スージーの真心のネタバレあらすじ:秘密の援助
舞台は1910年代のアメリカ、田園地帯の田舎パイングローブ。成績優秀で純真な少女スージーは、幼馴染のウィリアム・ジェンキンスに一途な恋をしていました。2人はぎこちないながらも相思相愛でしたが、スージーがいくら雰囲気を作ってもウィリアムはキスをしてくれません。彼はスージーに次いで2番目に優秀な生徒で、大学進学を希望していました。しかし父から経済的な理由で却下されてしまいます。
ある日、村にやって来たハッタリ屋の紳士は、ウィリアムに偉い人になる素質があると言い出しました。そして援助のため後日連絡するかも知れないと、心にも無いことを言って去って行きます。ウィリアムに進学して欲しいスージーは、一緒に暮らす叔母に相談して、牛をはじめ様々なものを売り学費を捻出することにしました。
母が遺してくれたたくさんのものを、スージーはウィリアムのために手放します。そして匿名でウィリアムに学費を援助する旨の手紙を送りました。手紙を受け取ったウィリアムは、例の紳士からだと勘違いし大喜び。彼はスージーの犠牲を知らないまま、大学へ入り神学を修めました。そして大学を無事卒業し、牧師となって帰郷します。
スージーの真心のネタバレあらすじ:恋のライバル
再会したスージーとウィリアムは、アイスクリームの店に入ります。そこで厚化粧の派手な女性を見たウィリアムは、「男はああいうのに 興味本位で手を出すが 結婚相手には簡素な人を選ぶ」と言いました。
それをスージーはあまりにも真剣に受け止めてしまいます。元々ウィリアムへの援助で新しい服を買う余裕すら無いスージーは、ずっと地味で質素な服を着続けました。スージーはいつウィリアムと結婚するか考えては胸をときめかせています。
そんなある日、ウィリアムはブライトベールから叔母を訪ねてやって来た派手な女性と出会いました。彼女の名前はベッティーナ・ホプキンス。ウィリアムは美しい彼女に惹かれていきます。ベッティーナはウィリアムを青二才の田舎者と感じましたが、結婚相手を探していたので狙いを彼に定めることにしました。
急速に親しくなっていく2人にスージーは内心焦りますが、それでもウィリアムとの結婚を信じて疑いません。
スージーの真心のネタバレあらすじ:無自覚の裏切り
ある日曜日の夜、ウィリアムを訪ねようとしたスージーは、ベッティーナがスポーティー・マローンという男友達と暗がりでキスをしているのを目撃します。恋のライバルがいなくなったと安心したスージーは、生まれて初めて着飾り、再びウィリアムの家に向かいました。ところが彼女が目にしたのは、幸せそうに抱き合うウィリアムとベッティーナの姿。
2人は結婚することになったのです。激しく動揺しながらも2人を祝福するスージーは、人知れず涙を流しました。スージーの献身を知らないウィリアムとベッティーナは結婚式を挙げ、新婚生活をスタートさせます。しかし、ろくに家事をしないベッティーナに、ウィリアムは不満を抱きました。ベッティーナも単調な生活に退屈を感じています。
ウィリアムの不在を狙って、スポーティーや派手な遊び仲間がベッティーナを訪ねて来ました。ベッティーナは喜び、家の中で大騒ぎを始めます。一方、スージーはウィリアムが大学時代送って来た手紙を破棄してしまおうと考え、庭に出ました。そこにウィリアムが通りかかります。
スージーの手にある手紙を誰かからのラブレターだと勘違いしたウィリアムは、良い相手を見つけてくれと言って立ち去りました。しかし胸に去来するのは一抹の寂しさです。
スージーの真心のネタバレあらすじ:真心のスージー
帰宅したウィリアムは、ベッティーナ達の騒ぎを見て驚きます。スポーティー達がそそくさと帰った後、ウィリアムは妻の不貞を疑いました。ベッティーナはそんな事実は無いと嘘をつき、泣き落しでウィリアムを誤魔化します。
ベッティーナは具合が悪いという口実で、1人で寝るための部屋を用意していました。彼女はウィリアムが寝たのを確認すると、家を抜け出し、迎えに来たスポーティー達の車に飛び乗ります。そしてパーティーで友人達と大騒ぎを繰り広げました。
その帰り道、ベッティーナは暴風雨に遭ってずぶ濡れになってしまいます。しかも車を降りてから家の鍵を紛失したことに気付きました。窮地に陥ったベッティーナは、スージーの家を訪ねます。そして事情を話し、自分のためにウィリアムに嘘をついてくれと言い出しました。流石に腹を立てるものの、真心のスージーはベッティーナを受け入れてやることにします。
翌朝、ベッティーナがいないことに気付き激怒するウィリアムのもとを訪ねたスージー。ベッティーナの望み通り、昨夜彼女がナーバスになって訪ねて来て、一晩中一緒にいたという嘘をつきます。人を疑うことを知らないウィリアムはそれを信じてしまいました。
スージーの真心の結末:明かされる真実
ベッティーナは夜中に雨に打たれたことで病を患い、そのまま命を落としてしまいました。悲しんだウィリアムは、今後誰からの愛も受け入れないと誓います。スージーも彼の誓約を尊重し、それを守るつもりでいました。
しかし何も知らないスージーの叔母が、スージーの今までの献身を全てウィリアムに話してしまいます。更に良心の呵責に苦しむベッティーナの友人が現れ、暴風雨の夜について本当のことを明かしました。
全ての真実を知ったウィリアムは驚き、勘違いの誓いから解放されます。ようやくスージーの真心に気付いたウィリアムは、窓辺に立つ彼女を訪ねました。そして真実を知ったことを話し、「僕は今 ずっと君を愛していたことがわかった」と告げます。
スージーは驚きつつも喜び、2人は抱き合いました。ウィリアムがスージーにキスをして、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「スージーの真心」のあらすじと結末でした。
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