映画「アメリカの森 レニーとの約束」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アメリカの森 レニーとの約束の紹介：2005年アメリカ映画。戦争で心に傷を負った人々が、１人の少女の存在によって再生へと踏み出すドラマ作品。ベトナム帰還兵のジェイクは、人との交流を嫌い森の奥深くで孤独な生活を送っていた。ある日、かつての部下ヘンリーが現れる。彼はベトナム人女性との間に生まれた娘レニーをジェイクに託し、そのまま姿を消してしまった。反発し合うジェイクとレニーだったが、やがて２人は確かな絆で結ばれていく。
監督：ガブリエル・サヴェージ・ドクターマン 出演者：ダニー・クローヴァー（ジェイク・ニーリー）、ロン・パールマン（レッド）、リンダ・ハミルトン（ケイト）、ゾーイ・ウィーゼンバウム（レニー・ホックネル）、デヴィッド・ストラザーン（ヘンリー・ホックネル）ほか
この解説記事には映画「アメリカの森 レニーとの約束」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
舞台は現代アメリカ、人里離れた森の奥。ベトナム帰還兵ジェイク・ニーリーは、犬や猫、鶏を育てながら１人孤独に暮らしていました。ベトナム戦争で心を病んだ彼は、人との交流を極力絶って生きています。
そんなある日、思わぬ客がやって来ました。ベトナム戦争で部下だったヘンリー・ホックネルが、娘のリン（愛称レニー）を連れて現れたのです。レニーはベトナム人女性との子どもで、妻は既に死亡したと語るヘンリー。彼自身も枯れ葉剤の影響で肺がんを患い、専門医に看て貰う必要がありました。
そこでヘンリーは、戻って来るまでの間レニーを預かってくれと言い出します。ジェイクは断固拒否しましたが、翌朝ヘンリーはレニーを置いて姿を消していました。彼を導いてくれたという、父の遺品の方位磁石を残して。
こうしてジェイクとレニーの生活が始まりましたが、ジェイクは苛立ち、レニーは泣いてばかりいます。そんな２人が仲良く暮らせるはずもなく、反発と衝突ばかりを繰り返していました。
ジェイクはレニーを連れて森の外に出て、顔なじみの女性ケイトが営む店で食料品を買い込みます。それを森の各所に置いて回りました。森にはジェイクの他にも人と交流を絶った帰還兵達が暮らしており、ジェイクは彼らに食料を渡し、代わりに薪を貰うなどしています。しかし顔を合わせたことは一度もありません。それを知ったレニーは不思議がりました。
しばらくして、ジェイクとレニーは次第に心を通わせるようになりました。一緒に塗り絵をしたり、釣りに行ったり。そんなある日、レニーは森に住む人々を誘ってピクニックをしようと提案します。肉を焼いてビールを用意し、音楽を流して森に響き渡らせるジェイクとレニー。するとそれに誘われて、ミッチェル、ディンキーという帰還兵達が姿を現しました。
２人はレニーの出自を知ると驚きますが、笑顔でパーティーに参加します。しかし最後にやって来たレッドという男性は、ベトナム人を忌み嫌っていました。かつてベトナム人の少女に手榴弾で顔を潰され、声も失っていたのです。レッドはレニーを見ると唾を吐き、暴れ出したところをジェイク達に追い返されました。
レッドの態度に、ジェイクもまた自身のトラウマを思い出します。彼はベトナム戦争中に目の前で部下を殺され、敵兵ごとベトナム人の子ども達を殺したことがあったのです。子ども達はちょうどレニーと同じ年頃でした。
泥酔したジェイクはレニーに当たり散らし、夜中にも拘らずケイトの店へ向かいます。荒れるジェイクに、ケイトは自分がレニーを引き取ると言い出しました。それをレニーに伝えると、彼女は猛反発して翌朝荷物ごと姿を消します。
レニーは森の中でレッドに遭遇し、恐怖のあまり走って逃げ出しました。追いかけて来たレッドは、身振り手振りで何かを伝えようとしています。後ずさりしたレニーは崖から足を滑らせてしまいました。レッドはどうにかして助けようとしますが、レニーが怯えるため上手くいきません。
木の根を掴んでぶら下がるレニーは必死に助けを呼び、声に気付いたジェイクが間一髪で引き上げました。レニーはレッドのことを話しませんでした。代わりにヘンリーは既に死亡しているだろうと言い出します。方位磁石を残していったのは、そのためだと。
ジェイクはレニーを抱きしめ、自分は絶対に置いていかないと約束しました。
ジェイクはレニーのために部屋を整え、レニーも花を飾るなどして家の中に少しずつ彩を増やしていきました。特にジェイクからプレゼントされた子羊にレニーは大喜びです。ミッチェル達には食料を直接手渡すようになりました。
レニーはレッドを気にかけ、彼と友達になろうと考えます。そこで子羊と一緒に、こっそりレッドに会いに行ってみることにしました。しかしレッドを前にした子羊が逃げ出してしまい、レニーは慌てて追いかけます。止めようとしたレッドは、罠の矢が脇腹に刺さって倒れてしまいました。
彼の家の周囲には、敵を警戒するかのような罠が山のように仕掛けてあったのです。事態を知ったジェイクはミッチェル達に助力を求めました。レニーはレッドの体を温めようと考え、彼の家に向かって走ります。
その時、レニーの足が爆弾の罠に掛かりました。レニーは死亡し、ジェイクは遺体を抱き上げ嘆き悲しみます。
レニーを喪い、ジェイクは失意の中孤独な暮らしに戻りました。そんなある夜、ケイトが家を訪ねて来ます。彼女は人生を捨ててはいけないと諭しました。彼女もまた、夫と子どもを亡くしながらも懸命に生きていたのです。
ジェイクは初めて自分にも息子がいることを明かしました。妻と別れた後、彼女が妊娠していたことを知ったのです。元々いなければ失うこともないと嘆くジェイク。しかしケイトは、ジェイクはまだ幸せな方だと話します。
ジェイクは悲しみの中、レニーの遺品となってしまった方位磁石を手に取りました。レニーをこの森に導いた方位磁石。それを手に、ジェイクはずっと近寄れずにいたベトナム戦争戦没者慰霊碑の前に立ちました。
刻まれた部下の名前に敬礼するジェイク。そこにケイトがやって来ました。ジェイクがレニーを思いながら空を見上げ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「アメリカの森 レニーとの約束」のあらすじと結末でした。
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