カフェ・オ・レの紹介:1993年フランス映画。異人種間で繰り広げられる三角関係を描いたロマンス&コメディ。貧乏なユダヤ人青年フェリックスと、アフリカ某国外交官の息子でエリート大学生のジャマル。一切接点の無い2人には、ひとつだけ共通点があった。2人は同じ黒人女性と交際していたのだ。二股をかけていた恋人ローラは妊娠していることを明かし、産みたいと言い出した。どちらが子どもの父親なのか分からないまま、対立するフェリックスとジャマル。しかしローラをサポートする内に、いつしか不思議なシンパシーを感じるようになる。
監督:マチュー・カソヴィッツ 出演者:ジュリー・モデュエシュ(ローラ)、ユベール・クンデ(ジャマル)、マチュー・カソヴィッツ(フェリックス)、ヴァンサン・カッセル(マックス)、タデック・ロクチンスキー(フェリックスの祖父)ほか
映画「カフェ・オ・レ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カフェ・オ・レ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カフェ・オ・レの予告編 動画
映画「カフェ・オ・レ」解説
この解説記事には映画「カフェ・オ・レ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カフェオレのネタバレあらすじ:起・思わぬ告白
舞台は1990年代のフランス、パリ。貧乏なユダヤ人青年フェリックスは、自転車を飛ばして恋人ローラの住むアパートへ向かっていました。時を同じくして、1人の黒人青年もアパートの前にやって来ます。彼の名前はジャマル、アフリカ某国の外交官を父に持つエリート大学生です。
2人は同じ部屋の前で立ち止まりました。出迎えたローラは2人を部屋に通し、そこで初めて二股をかけていたことを告白します。2人を愛していると言う彼女は妊娠を明かし、18歳ながら産むことを決意していました。フェリックスとジャマルは困惑と怒りのまま互いを詰り、ローラの部屋を出て行きます。
フェリックスは、もうローラとは別れると兄マックスに話しました。事情を知ったマックスが町の仲間達に言いふらしたため、この三角関係は誰もが知るところとなります。一方のジャマルは深く思い悩み、勉学も手につきません。ローラのアパートを訪ねてみますが、彼女からはどうすれば良いのか自分で考えるよう言われてしまいました。
フェリックスもジャマルも、気になって仕方がないのはどちらが子どもの父親かということです。しかしそれについてはローラにさえ分かりません。ジャマルは高級アパートで何不自由ない生活を送っていました。両親は長期出張中のため、家政婦に世話をされています。ローラと同棲しようと決意したジャマルは、家を出てファストフード店で働く決意をしました。
荷物をまとめてやって来たジャマルに、ローラはとても喜びます。ローラは既に妊娠3ヶ月目を迎えており、ジャマルは自分こそが子どもの父親だと確信を持っていました。
カフェオレのネタバレあらすじ:承・子どもの父親
フェリックスはローラとの関わりを絶っていましたが、どうしても彼女のことを忘れられずにいました。食欲も無く、いつも苛々して他人や物に当たり散らしています。
そんなある日、マックスと入ったファストフード店で、店員として働くジャマルと再会。2人はすぐに口喧嘩になり、同棲を知ったフェリックスは頭に来て店内で暴れます。腹が立つやら悔しいやらのフェリックスは、マックスに連れられて店の外に出ました。マックスは、自分ならこれまでの態度をローラに謝りに行くと言います。しかしフェリックスは納得出来ません。
その後フェリックスはタクシーに乗るローラとジャマルを見つけ、自転車で追いかけました。2人が向かったのは産婦人科です。仲睦まじい2人に、フェリックスはますます惨めな気持ちになりました。病院で診察を受けたローラは、医師からジャマルの検査結果書類を渡されます。どうやらジャマルは子どもの父親ではないと分かり、ローラは少なからず動揺します。自分の子どもではないと分かった時、ジャマルがどう考えるのか、ローラにはまだ分かりませんでした。
ローラを諦めきれないフェリックスは彼女の学校まで会いに行きます。そこにジャマルが現れ、2人はローラを置き去りに殴り合いの喧嘩を始めました。ローラは呆れて足早に立ち去ってしまい、フェリックスとジャマルは留置所に入れられます。
その夜ジャマルが帰宅すると、ローラの姿がありません。ジャマルは検査結果の書類を見て、フェリックスのアパートに押しかけました。フェリックスが事情を問いただすと、ジャマルはローラがいなくなったと説明します。そして赤ん坊はフェリックスの子だと吐き捨てアパートを出て行きました。
カフェオレのネタバレあらすじ:転・和解
フェリックスとジャマルはそれぞれローラの祖母を口説き落とし、ローラの行き先を聞き出します。彼女は故郷マルチニック島に帰っていました。ローラがパリに帰って来る日、フェリックスとジャマルはそれぞれ花束を持って空港で待ちます。2人を見つけたローラは笑顔を浮かべますが、どちらの花束も受け取らず1人で帰ってしまいました。
肩を落としたフェリックスは、ジャマルの車に乗せてもらって町に戻ります。道中で2人はもう馬鹿な喧嘩はやめようと言い、握手を交わして改めて自己紹介しました。それから少しして、フェリックスとジャマルは再びローラに呼び出されます。
指定されたレストランで落ち合った3人。ローラは自分の身勝手を詫び、これからの日々を助けてくれないかと言い出しました。はじめは面食らったフェリックスとジャマルですが、その頼みを引き受けることにします。それから3人の奇妙な共同生活が始まりました。
身重のローラのために、家事や買い物、ありとあらゆる雑務をフェリックスとジャマルがこなします。はじめはローラのアパートに通っていましたが、彼女が1人は寂しいと泣くので、3人でジャマルのアパートに住むことにしました。3人はフェリックスのアパートを訪ね、彼の家族にも挨拶をします。
カフェオレの結末:見えない未来
3人の奇妙な共同生活は、意外なほど順調に進みました。しかししばらく経つと、不安が頭を擡げてきます。フェリックスは本当に自分が子どもの父親なのか疑い、もしジャマルが父親だったらどうするかとローラに尋ねました。その時は自分達を見捨てるのか?と問うローラ。フェリックスは否定しますが、言葉に力はありません。
フェリックスはこの特殊な関係を続ける自信を失っていました。自分の将来のことも考えると、不安で押し潰されそうです。ジャマルはフェリックスよりは冷静でしたが、彼も不安や不満を抱えていました。
ある夜、ローラの要望でイチゴを買いに行ったフェリックスとジャマル。ジャマルはこの状況に疲れていました。結局ジャマルはローラの夫でもなければ、子どもの父親でもないのです。久しぶりに車内で激しい口喧嘩をしていると、現れたパトカーに止められてしまいました。腹を立てたフェリックスが警官を煽ると、いつもは冷静なジャマルまでもが暴言を吐きます。
2人は不満を爆発させ、盛大な喧嘩を繰り広げて再び留置所に入れられました。呆れた顔のローラが迎えに現れ、まだ口論を止めないフェリックスとジャマルに激怒します。自分達3人はこれから親になるというのに、その自覚が無いのかと詰るローラ。フェリックスを追い払った彼女は、続けてジャマルも拒絶しようとします。するとその時、ローラを激しい陣痛が襲いました。
ローラはジャマルに付き添われて病院に運ばれ、分娩室に入りました。ふてくされてクラブにいたフェリックスも、連絡を受け急いで病院へ向かいます。途中で車と衝突する事故を起こしてしまいますが、怪我を無視してローラの病室に駆けつけました。
病室には安堵した表情のローラと、寄り添うジャマルの姿があります。子どもは無事に生まれ、ローラの腕に抱かれていました。子どもを覗き込んだフェリックスは思わず笑顔を浮かべます。3人が幸福と喜びを分かち合い、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「カフェ・オ・レ」のあらすじと結末でした。
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