美しさと哀しみとの紹介:1965年日本映画。川端康成の小説を篠田正浩が映画化。エロチックで特異なストーリーを忠実に映像に移し替えていて、川端自身が映画化作品の中で最も好んでいたとされている。デビューまもない加賀まりこが魅力的。
監督:篠田正浩 出演:山村聡(大木年雄)、加賀まりこ(坂見けい子)、八千草薫(上野音子)、渡辺美佐子(大木文子)、山本圭(大木太一郎)、杉村春子(音子の母)、ほか
映画「美しさと哀しみと」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「美しさと哀しみと」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
美しさと哀しみとの予告編 動画
映画「美しさと哀しみと」解説
この解説記事には映画「美しさと哀しみと」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
美しさと哀しみとのネタバレあらすじ:起
中堅作家である大木年雄(山村聡)は、新幹線で京都へ向かっています。もう大晦日で、「古都で除夜の鐘を聞きたい」というのが表向きの理由でした。しかし本当は、かつて愛した女性である上野音子(八千草薫)と久しぶりに再会するのが目的です。
24年前、まだ16歳だった音子は大木の愛人となり、妊娠までしました。しかしそれは死産に終わり、そのせいで自殺未遂を図った彼女は母親とともに京都に去ったのです。
一時は精神を病んだ音子でしたが、まもなく立ち直り、今では日本画の大家となっていました。
美しさと哀しみとのネタバレあらすじ:承
大木は料亭で音子と再会しますが、彼女は冷淡な態度しか示しません。その場には芸者のほかに、音子の弟子である坂見けい子(加賀まりこ)も同席しています。
けい子は音子の家に住み込み、師匠と弟子の関係を越えた親密な関係を持っていました。そして、かつて音子が大木にひどい目にあわされたことを知ったけい子は、大木への復讐を決意します。
早速北鎌倉にある大木の家に出かけた彼女は、大木を誘惑。けい子の怪しいまでの美しさに惹かれた大木は江の島のホテルで彼女と関係しようとするのですが、恍惚となったその口から「上野先生」という言葉が漏れるのを聞き、欲望が萎えてしまいます。
美しさと哀しみとのネタバレあらすじ:転
大木の妻・文子は家を訪ねてきたけい子に対して警戒します。文子は昔、大木と音子の関係を知って苦しみました。さらに夫が音子との関係を小説にした時もあえて原稿を和文タイプする作業を引き受け、子供を流産した経験があります。
けい子が大木だけでなく、息子の太一郎(山本圭)とまで仲良くしようとしているのを知り、けい子のことを「魔女」と呼びます。実際、けい子は太一郎に円覚寺や建長寺を案内され、父親の代わりに彼に対して誘惑の手を向けていました。
美しさと哀しみとの結末
中世文学を研究している太一郎が京都へ来た時、けい子は二尊院の裏山に一緒に行き、さらに親しみを深めます。彼女に夢中になった太一郎は一緒に琵琶湖のホテルへ泊まり、ついに体の関係を結びます。
2人は翌朝、モーターボートを借りて琵琶湖を走り回りますが、そのボートが転覆。けい子は救出されて助かりますがが、太一郎の方は行方不明となり、懸命な捜索が行なわれます。
知らせを聞いて駆けつけた大木、文子は、けい子の病室にいた音子と対面。文子にとって音子と会うのは初めてでした。大木夫妻が病室を出ていくと、音子はけい子の顔をじっと眺めます。なぜかけい子の眼には涙が浮かんでいました。
以上、映画「美しさと哀しみと」のあらすじと結末でした。
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