美人劇場の紹介:1941年アメリカ映画。『巨星ジーグフェルド』(1936年)でその死までを描かれたブロードウェイの大興行主フローレンツ・ジーグフェルド。このフィクション映画では彼の全盛時代(禁酒法時代でもある)に「ジーグフェルド・フォーリーズ」と呼ばれるレヴューのショーガールに3人の新人――ヘディ・ラマール、ラナ・ターナー、そしてジュディ・ガーランドが演じる――が選ばれる。彼女たちを待つ運命は?監督は『巨星ジーグフェルド』と同じロバート・Z・レナード。『四十二番街』等の斬新なミュージカルシーンを創造したバスビー・バークレーがミュージカルシーンの演出を担当。
監督:ロバート・Z・レナード 出演者:ジェームズ・スチュアート(ギル / ギルバート・ヤング)、ジュディ・ガーランド(スージー / スーザン・ギャラガー)、ヘディ・ラマール(サンドラ・コールター)、ラナ・ターナー(シーラ・リーガン)、トニー・マーティン(フランク・マートン)、ジャッキー・クーパー(ジェリー・リーガン)、イアン・ハンター(ジェフリー・コリス)、ほか
映画「美人劇場」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「美人劇場」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
美人劇場の予告編 動画
映画「美人劇場」解説
この解説記事には映画「美人劇場」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
美人劇場のネタバレあらすじ:起・3人の新人
フローレンツ・ジーグフェルドは、どこからともなく美女を捜してくる。デパートのエレベーターガールだったシーラ・リーガンもその一人。もっとも、恋人が突然ジークフェルド・ガールに選ばれて、トラック運転手のギルは心配。
翌日、ジークフェルドのオフィスに行ったシーラは、スージー・ギャラガーと知り合う。ジーグフェルドがその晩劇場へ出し物を見に行くと、スージーは言われる。彼女はヴォ―ドヴィル芸人の父とステージに出ていた。
父娘でジーグフェルドのショーに出演できるのではと期待した二人だが、ジーグフェルドの片腕セージが、オフィスに来るように言ったのは娘だけだった。父と一緒でなければ仕事はできないとスージーは言い張るが、父は自分のために娘が自分のキャリアを犠牲にすることを許さなかった。
ヴァイオリン奏者フランツ・コールターと妻のサンドラは貧困にあえいでいた。劇場でオーディションを受ける夫に付き添ってきたサンドラの美貌に目を見張ったセージが、ジーグフェルドに彼女を見せ、彼女はショーガールに即採用。結局不採用だった夫は、妻が劇場で男たちの視線にさらされることがおもしろくなく、妻の前から去っていく。
美人劇場のネタバレあらすじ:承・デビューの後
スージー、シーラ、サンドラの初舞台の客席には、妻が気になるフランツ、シーラの弟ジェリーと見に来たギルの姿が見える。スージーの父も娘の晴れ姿を見に劇場に来ていた。
サンドラとシーラの美貌はたちまち注目を集める。サンドラはショーのスターである歌手フランク・マートンとデートをするようになるが、サンドラには夫が、フランクには妻がいるので安全に付き合えるとサンドラは考えている。シーラも金持ちのジェフリー・コリスとデートをするようになる。一方、スージーは父を相手に歌のレッスンを続ける。
やがてジェフリーはシーラのパトロンになり、シーラは警官の父の質素な家を出て、豪華な部屋を借りて住み、憧れの贅沢な暮らしを手に入れる。既にマスコミがスキャンダルを書き立てているシーラのことで、同僚と喧嘩をしたせいで仕事をやめたギルは、シーラの心を取り戻すこともできず、ギャングのために密売酒を運搬する仕事を引き受ける。
美人劇場のネタバレあらすじ:転・運命の日
フロリダで興行をするジークフェルド・ガールズ。サンドラは、フランツと夫の間で心が揺れる自分を意識する。シーラはギャングたちとフロリダに来たギルと再会するが、ギルはシーラに冷たい態度をとる。
だが二人のやり取りを見てしまったジェフリー・コリスは、友を心配するスージーにシーラと結婚してほしいと言われてその気になっていたものの、シーラが愛しているのは自分でないことを知った。
ニューヨークでジーグフェルドの新しいショーが始まる日が来る。歌の実力を認められたスージーは歌手としてデビューすることになり緊張している。フランク・マートンの妻がサンドラを訪れる。彼女もジーグフェルドのショーガールだったがフランクのためにキャリアをあきらめていた。
フランクがサンドラと結婚する気だと彼女は言うが、彼女が深くフランクを愛しているのをサンドラは感じる。そして同じように自分もフランツを愛していることに気付く。ところがその頃、シーラはまだ劇場に現れない。逮捕されたギルの面会に行きながらも、仲直りできなかったシーラはいつものように酒に頼ってしまう。
ショーが始まる。オーケストラピットには、サンドラの頼みを聞いた友人ミーシャからその日のショーのヴァイオリンを代わったフランツがいた。スージーは見事に彼女の歌を歌いあげた。だがその時、酒が抜けないままステージに上がったシーラは、大けがをしかけて即座に首になる。
ショーは好評で何週間も続く。スージーはシーラを心配するが、弟のジェリーにも彼女が相変わらず酒まみれであることしか分からなかった。やがてショーは終わり、サンドラは引退する。ソリストとしてデビューしたフランツのコンサートツアーに付き添うためである。
美人劇場の結末:劇場に帰ってきた3人
今やスターとなったスージーは、父と一緒に仕事をしたいと言い張り、新作のショーに父親も出演することになる。一方、シーラはもぐり酒場で倒れて実家に戻る。心臓が弱っていた。出所してギャングと手を切ったギルはシーラを見舞い、今度こそ将来を誓い合う。
スージーをスターとするショーが始まる。スージーの父が友人と演じる出し物は、予想に反して観客に大いに受け、爆笑が起きる。舞台袖ではジェリーがスーザンとの結婚の許しを得ようと彼を待っていた。個室の客席にはサンドラとフランツがいた。さらにバルコニーの客席には親友スージーのために体に無理をしてやってきたシーラの姿もあった。
だが、かつてのショーガールとしての華やかな日々を思い出すかのように劇場の階段を下りたシーラは、最後に倒れてしまう。フランツと駆けつけたサンドラに、シーラがギルとの将来の夢を、弱い声をやっとふりしぼって話すとき、スージーはまだ歌い続けていた。
以上、映画「美人劇場」のあらすじと結末でした。
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