さまよう魂たちの紹介:1996年アメリカ映画。交霊能力を持った男性が悪霊に戦いを挑むホラー・コメディ。交通事故をきっかけに霊と交信出来る能力を得たフランクは、3体のゴースト達と共謀してインチキ悪霊祓いをしていた。そんな折、町では健康な人間が突然亡くなる事例が続発する。フランクはその原因が、黒いマントを纏い大鎌を振りかざす悪霊にあると気付いた。親しくなった女性ルーシーまでもが狙われていると知ったフランクは、どうにかして悪霊を倒そうとするのだが…。監督を務めるのは、「乙女の祈り(1994年)」や「ロード・オブ・ザ・リング(2001年)」等で知られるピーター・ジャクソン。
監督:ピーター・ジャクソン 製作総指揮:ロバート・ゼメキス 出演者:マイケル・J・フォックス(フランク・バニスター)、トリニ・アルヴァラード(ルーシー・リンスキー)、ピーター・ドブソン(レイ・リンスキー)、ジョン・アスティン(判事)、ジェフリー・コムズ(ミルトン・ダマーズ)ほか
映画「さまよう魂たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「さまよう魂たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さまよう魂たちの予告編 動画
映画「さまよう魂たち」解説
この解説記事には映画「さまよう魂たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
さまよう魂たちのネタバレあらすじ:謎の突然死
舞台は1995年、架空の田舎町フェアウォーター。この町では、健康な人間が突然謎の心臓発作で亡くなる事例が増え続けていました。住人達は「死神」が現れたと言って怯えています。その町に住むフランク・バニスターは、心霊調査員を名乗ってゴーストに関する仕事を引き受けていました。墓地に現れては埋葬中の遺族に営業をかけるので、追い払われることもしばしばです。
そんなある日、フランクは車の運転を誤ってリンスキー家の庭に突っ込んでしまいました。激怒する家主のレイに名刺を渡し、不遜な態度で車を発進させます。レイの妻で医師のルーシーは、心を病んだ娘パトリシアを抱えるブラッドリー家に往診に向かいました。パトリシアは縫合が必要なほど深い怪我をしていましたが、母親のブラッドリー夫人は頑として娘を屋敷から出そうとしません。
パトリシアは1964年に起きた「ブラッドリー・バートレット事件」に関わっていました。ブラッドリー家が営む療養所の看護人だったジョニー・バートレットが、院内にいた12人を見境なく射殺した凶悪事件です。当時15歳だったパトリシアはジョニーの恋人で、共犯として逮捕されました。ジョニーは電気椅子送りになり、パトリシアは終身刑を受けましたが、5年前に条件付きで釈放。現在は母親と共に屋敷でひっそりと暮らしています。ブラッドリー夫人は、娘が殺人犯であると確信を持っていました。
その夜、リンスキー家は突然ポルターガイストに襲われます。ルーシーが慌ててフランクに連絡すると、彼はすぐにやって来て大金を要求しました。悪霊祓いを行ったフランクは、ふと奇妙なものを目にします。レイの額に、「37」という数字が浮き上がっていたのです。訝しみながら帰宅したフランクの周りに3体のゴーストが現れました。黒人の「サイラス」、眼鏡をかけた「スチュワート」、いつも銃を乱射している「判事」。
フランクは慌てるでもなく、彼らを怠慢だと叱りつけました。実はフランクには交霊能力があり、ゴースト達にポルターガイストを起こさせて解決する振りをするという自作自演の悪霊祓いを行っていたのです。
さまよう魂たちのネタバレあらすじ:恐るべき悪霊
そんなある日、フランクは道でゴーストになったレイに遭遇しました。彼は若く健康にも気を使っていましたが、突然死してしまったそうです。状況が理解出来ずパニックになるレイに、フランクはあの世への通り道である「光の道」を昇れと言いました。光の道は死の直後に出現しますが、それを逃すと再び道が開くまでの1年を地上でさまよわなければいけません。
レイにせがまれ、フランクは彼を墓地まで連れて行きました。そこで保安官のペリーに声をかけられます。何でもFBIが連続死に強い関心を寄せているそうなのです。心臓発作で亡くなった人間を解剖してみると、心臓の動脈は正常そのものである一方、潰れんばかりに圧力をかけられた痕跡があったと話すペリー。フランクは不思議に思いながらも、レイが気になって長い話は出来ませんでした。そこへルーシーがやって来ます。フランクの交霊能力を信じている彼女は、レイに聞きたいことがあるようでした。
その夜、フランクとルーシー、そしてフランクにしか見えないレイは、レストランに集まります。ルーシーの聞きたがっていたことが貯金のありかだと知り怒り出すレイ。フランクは咄嗟に、レイはルーシーの幸せを願って消えたと嘘をつきました。元々上手くいっていなかったと心情を吐露するルーシーを慰めたフランクは、一旦トイレに行きます。そこに居合わせた男性の額に「38」という数字が浮き上がっていました。
フランクが驚いていると、男性は黒いマントを纏い、大鎌を持った悪霊に心臓を掴まれ死亡してしまいます。フランクは慌てて判事達と一緒にその悪霊を追いかけました。しかしその行動が怪しまれ、フランクは一連の突然死における重要参考人にされてしまいます。
さまよう魂たちのネタバレあらすじ:フランクの過去
ルーシーは保安官事務所で事情聴取を受けました。そこに現れたのは、FBIのミルトン・ダマーズ捜査官です。超科学心理のプロとして数々のカルト集団に潜入調査をしてきた彼は、フランクのことをペテン師だと断言しました。ダマーズは5年前、フランクが交霊能力を得るきっかけとなった交通事故について話し始めます。
1990年7月3日、当時新進気鋭の建築家だったフランクは、妻デブラと口論しながら車を運転していました。そして崖から転落し、デブラは死亡。フランクは森をさまよい2時間後に保護されるも、事故直後のことは何も覚えていませんでした。デブラの額には「13」という数字がナイフで刻まれていたそうです。ダマーズはフランクが事故に見せかけてデブラを殺害したのだと考えていました。
一方、フランクと行動を共にしていた判事は、「死神」が現れたのだと言い出します。大昔から大鎌で人の魂を狩っている死神相手には、手の打ちようが無いのだと。新たに現れた光の道を目印にフランクが車を飛ばすと、また1人死神の犠牲者が出ていました。その場にいた出版社の編集長マグダは、以前からフランクをペテン師だと罵倒しています。彼女の額に「40」の数字を見たフランクは「次だ」と呟きました。マグダが犯行予告だ脅迫だと騒ぎたて、警察がフランクを囲います。
そこに死神が現れました。死神は立ち塞がった判事を鎌で真二つにし、マグダに襲いかかろうとします。フランクはスチュワート達の協力でマグダを車に乗せ逃げ出しましたが、デブラの時と同じ崖の上から転落してしまいました。その瞬間、デブラも死神に殺されたのだと思い出します。マグダも死神に殺害されてしまい、恐ろしくなったフランクは自ら保安官事務所に出頭しました。
さまよう魂たちのネタバレあらすじ:死神の正体
フランクは全てをダマーズに打ち明けますが、信じて貰えないどころか一連の突然死の犯人だと決めつけられてしまいます。追い詰められたフランク。しかし面会にやって来たルーシーに励まされ、死神に立ち向かう決意をします。すると、ルーシーの額に「41」の数字が浮かび上がりました。スチュワート達が襲いかかる死神から身を呈してフランクとルーシーを守ります。
フランクは脱獄し、ルーシーが勤める病院に向かいました。そこで冷凍室に入って仮死状態となり、ゴースト化して死神と対決するつもりなのです。タイムリミットは20分。ゴーストとなったフランクはルーシーを狙う死神と対峙し、その正体が悪霊と化したジョニーだと気付きました。彼は死後も尚殺人の記録を伸ばそうと、次々と人間を襲っていたのです。フランクはジョニーを追い詰めますが、あと一歩というところで蘇生させられてしまいました。
フランクからジョニーが戻ったと聞いたルーシーは、急いでブラッドリー家からパトリシアを連れ出そうとします。しかし明らかに様子のおかしいパトリシア。実は、彼女はジョニーが悪霊として人々を襲っていると知っており、その上共犯者でもあったのです。パトリシアは母親を惨殺した後、ジョニーの甘言に乗ってルーシーをも殺害しようとしました。そこにフランクが駆けつけ、ジョニーと対峙します。
苦戦しますが遺灰の入った壺にジョニーが吸い込まれたのを見たフランクは、遺灰を教会で葬ろうと考えました。隣接するかつての療養所にはチャペルがあります。フランクとパトリシアは急いでチャペルを目指し、狂乱するパトリシアがショットガンを乱射しながら後を追いかけました。
さまよう魂たちの結末:悪霊退治
朽ちた療養所に駆け込んだフランクとルーシーは、4階のチャペルを目指します。閉鎖されたチャペルに到着したところで、現れたダマーズに壺を奪われてしまいました。ダマーズは遺灰を撒いてジョニーを解放してしまいます。そこにパトリシアが現れました。フランクは腐った床板の穴を利用して階下に逃げ延びます。ダマーズはパトリシアの撃った弾丸で頭を吹っ飛ばされてしまいました。
フランクのもとに駆けつけたルーシーは、パトリシアに銃身で殴られ倒れます。それを見たフランクは、デブラの額に数字を刻んだのはパトリシアだったと思い出しました。フランクはパトリシアに首を絞められ、再びゴースト化します。彼はルーシーを守るためにパトリシアの魂を引き抜き、追いかけてきたジョニーも道連れに光の道を駆け上がりました。
フランクは天国に昇り、パトリシアとジョニーは地獄へ落ちます。そこでフランクはスチュアートやサイラス、デブラと再会しました。3人はフランクが天国に来るのはまだ早いと言って、彼を現世に送り返します。デブラは「幸せにね」と微笑みました。フランクは無事蘇生し、気付いたルーシーは泣いて喜びます。
その後回復した2人は晴れて恋人同士となり、幸せな日々を送り始めました。光の道を通り損ねたらしいダマーズは、ゴーストとして恨めしそうに2人を見ています。衝撃的な体験をしたルーシーも交霊能力に目覚めていました。フランクが目を丸めて驚く中、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「さまよう魂たち」のあらすじと結末でした。
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