秘密への招待状の紹介:2020年アメリカ映画。インドの孤児院で働くイザベルは運営資金を調達するために日々駆け回っていた。そんな彼女のもとに、多額の寄付金の話が舞い込んでくる。支援を名乗り出たのはメディア会社を経営するテレサ。ただし、イザベルご指名でニューヨークまで会いに来ることが条件。しかもテレサは娘の結婚式にイザベルを強引に招待までした。会いに行ったイザベルはテレサの夫を見て驚愕する。それはイザベルが18歳の時に別れた恋人オスカーだった。さらに新婦の娘グレイスはオスカーとの間にでき、養子に出したはずのイザベルの娘だった。デンマークが誇るスザンネ・ビア監督の『アフター・ウェディング』のハリウッドリメイク作品。
監督:バート・フレインドリッチ 出演:ジュリアン・ムーア(テレサ・ヤング)、ミシェル・ウィリアムズ(イザベル)、ビリー・クラダップ(オスカー・カールソン)、アビー・クレイン(グレイス・カールソン)、アレックス・イソラ(ジョナサン)、スーザン・ブラックウェル(グウェン)ほか
映画「秘密への招待状」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「秘密への招待状」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
秘密への招待状の予告編 動画
映画「秘密への招待状」解説
この解説記事には映画「秘密への招待状」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
秘密への招待状のネタバレあらすじ:起
インド、カルカッタのスラム街。
ここで人生の全てを孤児院の運営に捧げているイザベルは、いっこうに良くならない子供たちの環境に頭を抱えていました。
そんなある日、イザベルのもとに寄付の話が舞い込んできました。200万ドルの寄付をするから、ニューヨークまで会いにきてくれと言うのです。支援を名乗り出たのは、22年前にゼロから起業し今や全米一のメディア代理店となるまで成長させたやり手の女経営者テレサでした。
他の子に馴染めないジェイという男の子を我が子のように心配しているイザベルは代理人を頼もうとしますが、テレサは本人ではないとだめだと言いました。
ニューヨークに着いたイザベルは滞在中、高級ホテルのペナントハウスが与えられ、超高層ビルのオフィスでテレサと会いました。
早速、インドの現状を説明しようとするイザベルでしたが、遮るようにテレサは今週末に結婚する娘のグレイスや双子の息子のことなど自分の話ばかり。インドの現状に関心がなさそうなだけでなく、最終的にはもう少し精査させてほしいと言われました。しかもその上、イザベルを娘の結婚式にまで出席させることを強引に決められてしまいました。
秘密への招待状のネタバレあらすじ:承
グレイスの結婚式は、オイスターベイが見渡せるテレサの洗礼された邸宅で行われました。渋滞にはまり遅れてやってきたイザベルは慌てて席につき、一息つきながら出席者を見渡しました。最前列に座るテレサの隣には夫の姿。テレサを見つめながら肩を抱く夫オスカーの横顔を見てイザベルは愕然としました。歓談の時間になり、オスカーもイザベルを見て驚愕しました。2人は18歳の時にいさかいの果てに別れた恋人だったのです。
グレイスのスピーチが始まりました。母テレサを称えたグレイスは、自分はオスカーの連れ子であることを話しました。グレイスはイザベルとオスカーの間にできた子だったのです。
怪訝な表情を隠さないイザベルに対して、オスカーはたった一言、「明日電話する」とだけ伝えイザベルから離れました。
結婚式の翌日。イザベルはオスカーの言葉を無視して、直接自宅を訪ねました。
そして開口一番「どうして私の娘がいるの!?」とオスカーに向けて怒りを露わにしました。
当時のイザベルとオスカーには授かった子供を育てることができませんでした。2人で話し合い、養子に出すと決めたのです。その後、イザベルはオスカーの前から姿を消しましたが、オスカーは気が変わり娘を引き取り育てていたのです。
テレサもなだめますが、イザベルは「グレイスに真実を話して」とだけ言い残し、立ち去ってしまいました。
秘密への招待状のネタバレあらすじ:転
生みの母親は死んだと聞かされていたグレイスはショックを受け、家を飛び出してしまいました。心の整理をつけるために向かった先はイザベルが泊まるホテルでした。
様々な疑問や怒りはイザベルと会った瞬間から溶けていくグレイス。またイザベルも娘と一緒に過ごす時間に癒されていきました。
後日、テレサから約束通り孤児院の寄付をすることを聞かされるイザベル。しかも、売りに出されていたテレサの会社も無事話がまとまったことで、寄付金額を増額しイザベルとグレイスの名前で慈善事業の私設財団を作るとまで。あまりにも話がうまく行きすぎることに疑問を持つイザベルでしたが、同じくオスカーも近頃のテレサに異変を感じていました。
さらにテレサは、自分は数日間双子の息子たちを連れて姉の家に行き、イザベルにグレイスやオスカーと過ごす時間を作って欲しいと言うのです。
しかしこの寄付契約には重大な条件が盛り込まれていました。
それはイザベルが今後もニューヨークに残り金銭管理をしていくというものでした。
強く反発しオフィスを出たイザベルを追い、再び引き留めたテレサから告げられたのは、自身の不治の病についてでした。すでに手遅れで何もすることができず、自分は死を待っている身だと言うのです。
これにはイザベルも同情するしかありませんでした。テレサがこの世から去る前に、娘や息子たちに不自由をさせないために自分と家族を引き合わせたことを悟りました。
そして、オスカーもまた、テレサの留守中に薬を見つけてしまいます。担当医の話では余命も残りわずかとのことでした。
秘密への招待状の結末
オスカーとグレイスは、それぞれテレサに家族の将来が関わる大切な話を隠し通されていたことに憤りをぶつけましたが、責める気持ちにはなりませんでした。
真実を知られ、それまで気丈にふるまっていたテレサもオスカーの前で泣き崩れ弱さを見せました。
後日、荷造りのためにインドへ一時帰国したイザベルは、テレサの寄付金のおかげで施設の工事が順調に進んでいることに満足そうな表情を浮かべます。
ジェイにニューヨークで一緒に暮らそうと持ち掛けましたが、ジェイはイザベルと永遠に離れてしまうわけではないことを確認した上で、インドでの暮らしを選びました。
その選択に、イザベルは余計に背中を押された気がしました。
その後、テレサは亡くなりました。
オスカーとグレイス、双子の息子たち、そしてイザベルは彼女に想いを馳せて遺灰を大きな樹の幹に撒きました。静かで穏やかな時間でした。
まるでひとつの家族のように、そっと肩を寄せ合いました。
以上、映画「秘密への招待状」のあらすじと結末でした。
「秘密への招待状」感想・レビュー
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ミッシェル・ウィリアムズとジュリアン・ムーアという夢の共演が遂に実現した。私は二人の熱烈なファンなので夢の顔合わには大変に満足している。自由奔放で可憐な個性派ミッシェル・ウィリアムズと、豪放磊落でセクシーな知性派ジュリアン・ムーアの二つの個性が上手く生かされている。そしてこれはイザベルとテレサとグレイスの3人の女の心の葛藤を描く人間ドラマなのである。 ウィリアムズは2008年の「ブローン・アパート」2011年の「マリリン七日間の恋」「テイク・ディス・ワルツ」などが印象的で、一貫して奔放で飾り気のない可愛い女を演じて来た。ムーアは筆者より一つ年下のハリウッドを代表する大女優であり、これまでに三大映画賞(ヴェネツィア・ベルリン・カンヌ)とアカデミー賞・ゴールデングローブ賞のW受賞を果たしている。「マップ・トゥ・ザ・スターズ」や「アリスのままで」など名作・名演が目白押しで枚挙に暇がない。グレイス役のアビー・クインも繊細で傷付きやすい娘の複雑な心境をストレートに快演している。グレイスは養母テレサと実母イザベルの良き橋渡し役でもある。3人の女性たちの世界観(価値観)や人生観(生きざま)の相違点や交差(重なり具合)などのグラデーションが絶妙で、自立し逞しく健気に生きる女の懸命さが痛いほどダイレクトに伝わってきた。特筆すべきはジュリアン・ムーアの魅力が最大限に発揮されていたことであろう。彼女の演技は嫌みや変な癖がなく自然体で大変心地よいものであった。女性実業家として、また母としての迫力と潔さがムーア(テレサ)の全身からオーラを伴って発せられたのである。不治の病に侵されて余命いくばくないテレサ(ムーア)の心中や如何に。2011年に私は最愛の女性の最期を看取った。彼女もテレサと同じ台詞を吐いた、「私はどうなるの、何処へ行くの?」そう言って号泣し逝ってしまった。だからこそこの映画は私にとっては決して他人事ではなかった。ミッシェル・ウィリアムズとジュリアン・ムーアの二人の出逢いと別れを描き切った「秘密への招待状」は、私にとっては最高のご馳走であり、良きご褒美と相成った。文明発祥の地である緑豊かなインド亜大陸から始まり、世界第1位の大都会ニューヨークで佳境を迎える群像劇は我々に様々な教訓と爽やかな感動を残してくれた。原作を含めこの作品に関わった全ての人々に心から御礼を述べたいと思う。「素晴らしい映画をありがとう。」
83才の男、TVで見たがネタバレ解説を見て途中でやめた。成り上がりセレブの設定からして分からん。昨日のドr部マイカーも分からなかった。もう私の感性も干からびたらしい。とんびに期待しよう。