リトル・ロマンスの紹介:1979年アメリカ映画。少年少女の淡く瑞々しい恋を描く青春ロマンス作品。13歳のダニエルは大の映画好きで、知能指数も高いため同級生の間では馴染めずにいた。そんなある日、見学中のベルサイユ宮殿でローレンという少女に出会う。彼女もまた知能が高く、母親の相次ぐ再婚で孤独を感じていた。ダニエルとローレンは初めての恋に胸をときめかせ、デートを重ねていく。2人はヴェネツィアにある「ため息の橋」の下でキスをした恋人同士は永遠に結ばれるという伝説を知り、それを実行しようと計画を立てるのだが…。
監督:ジョージ・ロイ・ヒル 出演者:ローレンス・オリヴィエ(ジュリアス)、アーサー・ヒル(リチャード)、ダイアン・レイン(ローレン)、テロニアス・ベロナール(ダニエル)、サリー・ケラーマン(ケイ)、ほか
映画「リトル・ロマンス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リトル・ロマンス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リトル・ロマンスの予告編 動画
映画「リトル・ロマンス」解説
この解説記事には映画「リトル・ロマンス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リトルロマンスのネタバレあらすじ:初めての恋
舞台は1970年代のフランス、パリ。郊外のアパートでタクシー運転手の父と暮らす13歳のダニエルは、大の映画好きで映画館に通いつめていました。ダニエルは知能指数が高く、同年代とは上手く馴染めずにいます。
そんなある日、彼は課外授業でベルサイユ宮殿を訪れました。偶然若手映画監督のジョージが撮影を行っており、ダニエルはそこで理知的なアメリカ人の少女ローレンと出会います。彼女の母ケイがジョージに熱を上げており、学校を休んで撮影現場に連れて来られていたのです。ケイは移り気な女性で、現在の夫リチャードは3人目の配偶者でした。
リチャードはヨーロッパの電話会社の支社長で、一家は3年前アメリカからパリに越して来たそうです。ローレンも非常に知能が高く、同年代からは浮いた存在でした。同じ寂しさを持つダニエルとローレンはあっという間に恋に落ち、デートの約束をします。
数日後、初デートでダニエルは蹴ったボールを誤って通りすがりの老人ジュリアスに当ててしまいました。倒れたジュリアスは「気にしていない」と笑い、ダニエルとローレンをお茶に誘います。ジュリアスは凄まじく多弁で、色々なことを矢継ぎ早に話しました。ローレンとジュリアスは2人ともブラウニングの詩が好きで、大いに盛り上がります。
ジュリアスは、ヴェネツィアにある「ため息の橋」の伝説を語って聞かせました。日没の鐘が鳴る時、ゴンドラに乗ってため息の橋の下でキスをした恋人同士は、永遠に愛し合うことが出来るそうです。ローレンは目を輝かせて喜びますが、蚊帳の外に置かれたダニエルは不服そうでした。
リトルロマンスのネタバレあらすじ:誕生日パーティ
ケイはジョージの新作映画の打ち上げパーティを自宅で催すつもりでいました。その日はちょうどローレンの誕生日ですが、ケイはジョージのパーティを優先させようとします。そこでリチャードは、ふたつのパーティをドッキングさせようと提案しました。
ケイがジョージに執心していることに気付いたリチャードは、ローレンのことも考えアメリカのヒューストンに転勤することにします。来月発つと告げられ、ケイはショックを隠せませんでした。
パーティ当日。招待されたダニエルは、友人のロンデを連れて会場にやって来ました。ローレンは2人を自室に案内し、友人ナタリーを紹介します。子ども達はこっそり持ち込んだシャンペンで大いに盛り上がりました。
パーティ会場に降りたダニエルは、ジョージからローレンとの関係を揶揄われます。ダニエルはローレンに失礼だと怒り、ジョージの腹にパンチを入れました。そのことがケイの逆鱗に触れ、ダニエルとロンデは家から追い出されてしまいます。「付き合いをやめろ」と喚くケイは、「今月末にはヒューストンに帰る」とローレンに告げました。
リトルロマンスのネタバレあらすじ:初めての家出
アメリカに帰国すれば、もうダニエルと会えないかも知れないと心配になるローレン。そこで彼女はヴェネツィアに行って、キスの伝説を実行したいとダニエルに頼みました。もちろん他の誰にも内緒です。ダニエルは難色を示しますが、必死なローレンの望みを叶えることにしました。
そこで2人は旅費を調達するため、ローレンの小遣いを元手に競馬で稼ぐことにします。もちろん子どもだけでは馬券も買えず、国境も越えられないので大人の助けが必要でした。そこで2人はジュリアスに、ローレンの病気の母親がヴェネツィアにいるので、会いに行くため協力して欲しいと嘘をつきます。
ダニエルとローレンの頭脳、更にコンピュータによる確率計算で順調に金を増やしていきますが、最後のレースで予想を外してしまいました。落ち込むダニエルですが、ジュリアスが勘で買った馬券が当たり何とか家出資金の調達に成功します。
リトルロマンスのネタバレあらすじ:それぞれの真実
イタリア行きの列車に乗り込んだダニエルとローレン、そしてジュリアス。ローレンは3日間の郊外学習に参加すると言って家を出て来ましたが、何も知らないナタリーから嘘が露見してしまいます。ローレンが口止めのために急いで駅からナタリーに電話をかけた時には、既にケイがヒステリックに騒いでいる状態でした。ローレンはうっかりイタリアにいると話してしまい、そこから誘拐騒動にまで発展します。
更に財布を置いたまま列車を降りてしまい、ヒッチハイクでヴェネツィアを目指すことになりました。ローレンの両親から通報を受けた警察は事件の捜査を始めます。そこで思わぬ事実が発覚しました。ジュリアスはかなり前科のあるスリだったのです。
翌朝、新聞に目を通したジュリアスは自分が誘拐犯として追われていることを知り驚きました。ローレンは嘘をついたことを謝り、警察に事情を話すと約束します。しかしスリの常習犯であるジュリアスは警察に行く訳にもいきません。ダニエルとローレンはジュリアスの正体がスリだと知り驚きました。財布を失くした後の旅費も、競馬で勝った金でさえ盗んで得たと知ったローレンは酷いショックを受けます。
ヴェネツィア行きを諦めようとするダニエルに、ローレンはヒューストンに帰ることを打ち明けました。だからこそダニエルとキスの伝説を実行し、永遠に愛し合えると信じたかったのだと。しかしその伝説でさえ、ジュリアスが適当に捏造した出まかせでした。悲しむローレンに、ジュリアスは2人が伝説を真実にすれば良いと話します。愛し合う2人が勇気を持って立ち向かえば、永遠に結ばれるはずだと励ますジュリアス。ダニエルはヴェネツィアに行く決意を改めて固めました。
リトルロマンスの結末:冒険の終わり
ようやくヴェネツィアに到着したダニエル達。警察には既に3人の情報が回っており、あちこちで警官が探していました。しかし日没まではまだ時間があります。そこでジュリアスはダニエルとローレンを映画館に入れ、時間が来るまで隠れているように言いました。自分は警察に出頭しますが、ダニエル達の居場所は日没まで決して言わないと宣言します。
数時間後、リチャードもヴェネツィアに到着しました。ジュリアスは、ローレンは無事だが居場所は日没まで言えないと話します。ローレンは誘拐されたのではなく、家出したのではないかと考えていたリチャードは、静かにジュリアスの話を聞きました。
日没が迫り、映画館を出たダニエルとローレンはゴンドラに乗り込みます。そして鐘が鳴り響く中、2人は橋の下でキスを交わしました。
その後、パリに戻ったローレンは予定通りアメリカへ帰国することになります。出発の日、ダニエルが見送りに来ました。「必ず手紙を書く」と約束し、きっとまた会えると抱き合うダニエルとローレン。すると、近くのベンチにジュリアスが座っていました。
気付いたローレンは彼に駆け寄って抱きしめ、両親が待つ車に走って行きます。走り出した車をダニエルが追いかけ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「リトル・ロマンス」のあらすじと結末でした。
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