ザ・キッチンの紹介:2019年アメリカ映画。1970年代後半のニューヨーク、夫が収監され路頭に迷いかけた妻たちは、ギャングの世界に足を踏み入れた。旧態依然とした町で、自分たちの新しい在り方を模索する女性たちの波乱万丈な日々を描く犯罪映画。
監督:アンドレア・バーロフ 出演:メリッサ・マッカーシー(キャシー・ブレナン)、ティファニー・ハディッシュ(ルビー・オキャロル)、エリザベス・モス(クレア・ウォルシュ)、ドーナル・グリーソン(ガブリエル・オマリー)、ビル・キャンプ(アルフォンソ・コレッティ)、マーゴ・マーティンデイル(ヘレン・オキャロル)、コモン(ゲイリー・シルヴァーズ捜査官)、ブライアン・ダーシー・ジェームズ(ジミー・ブレナン)、ジェームズ・バッジ・デール(ケヴィン・オキャロル)、ジェレミー・ボブ(ロブ・ウォルシュ)、アナベラ・シオラ(マリア・コレッティ)、ほか
映画「ザ・キッチン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・キッチン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・キッチンの予告編 動画
映画「ザ・キッチン」解説
この解説記事には映画「ザ・キッチン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・キッチンのネタバレあらすじ:起・アメリカ一危険な町
1978年、ニューヨークの中でもギャングの多い、ヘルズ・キッチン。FBIの見張る前で強盗が起き、騒動は他の男達も巻き込んだ。
キャシー、クレア、ルビーの夫たちはFBI捜査官への暴行などで3年の懲役刑が下された。ギャングの夫がいない間の生活費を稼ぐために職業安定所に行ったキャシーは、子持ちの母親の就職は難しいと告げられた。
家に帰ると、当面の生活費が仲間から届いていたが、足りそうになかった。また、教会でボランティアをしているクレアは、作業中にホームレスに襲われて怪我をした。
学位の無いキャシー、何かと男に暴力を振るわれるクレア、黒人でまた立場の弱いルビーは、夫たちが刑期を終えるまで、みかじめ料の集金を引き継いだ。しかし、刑務所で面会をしたキャシーは夫に集金の仕事から手を引くように忠告された。それでも集金を続けていると、町で一番のジャッキーにバレて脅されてしまった。
ザ・キッチンのネタバレあらすじ:承・クレアの新しい恋人
ゴミ集積場でクレアを襲おうとしたジャッキーを撃ち殺した、殺し屋のガブリエル。彼は、別の町に身を潜めていたが、彼女の夫ロブが刑務所に入れられたのを知り、会いにこの町に戻って来ていた。そして、バスタブの中で水に浮かないように処理を施し、ジャッキーの死体を川に捨てた。
キャシーとルビー、クレアはガブリエルを仲間にし、ヘルズ・キッチンを守るために、ユダヤ人の一派と交渉するが決裂、代わりにイタリアンマフィアのアルフォンソ・コレッティに面会する。
コレッティは手を組む事を提案したが、彼女たちは拒否。そこで彼から、夫たちが根回しによってあと四カ月で出所した後、対立した時の後ろ盾はあった方がいいと諭し、会議場建設のための雇用と、シマを融通することで交渉は成立した。帰りに三人はマリア・コレッティとすれ違い、女が強いと証明してほしいと言われた。
夫たちが出所する前に、地盤を固めて身を守ろうと、彼女たちはみかじめ料の集金をし、クレアはガブリエルと新しいアパートに引っ越すことにした。ルビーは夫の味方をし、お金をせびる姑を階段から落として事故に見せかけて殺した。
ザ・キッチンのネタバレあらすじ:転・ルビーの不穏な動き
出所前日、ルビーがみかじめ料から勝手にお金を使っている事が判明、問い詰めるキャシーに、ルビーは何も答えなかった。
出所した男たちの中で、キャシーの夫ジミーは、彼女に集金の仕事から手を引くように注意するだけで穏便だったが、クレアは浮気を怒って暴力をふるうロブを撃ち殺して川に棄て、ルビーは夫ケビンに離婚したいと申し立てた。
三人の夫たちの出所と同じくして、ヘルズ・キッチンを調べていた捜査官が、何者かによって撃ち殺された。
コレッティは、ケビンが彼女たちを殺すように指示していると忠告すると、ルビーはそれ以上の金額で、自分たちを狙う男たちと、出所してきた夫たちの始末を依頼した。
キャシーは勝手に自分の夫を始末するように頼んだルビーに怒りを覚え、さらに、夫たちが収監される原因になった事件の黒幕はルビーだと知り、彼女たちの結束にはヒビが入った。
ルビーが始末を依頼した男たちはケビンを始め次々と始末されたが、ジミーを殺されたくないキャシーのアパートには見張りが付きジミーが殺される事はなかった。
一方、家に侵入してきたコリンをクレアは撃ち殺し、パニックになったガブリエルは、コリンを撃とうとして誤ってクレアを撃ち殺してしまった。
ザ・キッチンの結末:思いもよらぬ裏切り
学校で迎えを装って子供たちが誘拐されたキャシーが、コレッティに呼び出されて彼の元を訪ねると、キャシーを集金の仕事から締め出すよう交渉するため、子供の前では殺しはしないだろうと思ったジミーが誘拐の犯人だった。
子供を利用した事にキャシーは怒り、コレッティは妻を裏切ったジミーとは取引できないと言って、キャシーと子供たちを返したあと、ジミーを始末した。
ジミーの葬儀を終えたキャシーは、待っていたルビーにみかじめ料を払わないデリに呼び出され、銃を持ってデリに行くと、バックヤードから銃を持ったガブリエルとルビーが出て来た。
しかし、町中を味方につけて大勢を引き連れたキャシーに驚いたルビーは、ガブリエルを放免し、ミドルタウンの次はアップタウンも手に入れようと言うキャシーと、改めて手を結んだ。
以上、映画「ザ・キッチン」のあらすじと結末でした。
ザ・キッチンのレビュー・考察:70年代後半のアメリカ
半世紀近くかけて変化してきた価値観と、今もなお残る慣習が入り混じっている。特に女性に関して、子供を産み育てると言う枠割が大きく、職業安定所に至っては育児中の女性の就職は難しいという場面があった。しかし、キャシーが学歴コンプレックを抱いているという事は、学びに関しては女性にも門戸が開かれていた事が伺える。「みかじめ料の集金」というと、反社会的な印象があることは否めないが、彼女がちは集金する代わりに、女性が一人で外を歩けないほど治安の悪いヘルズ・キッチンて暮らす人々の、雇用を用立てたり、相談役などをしたりコミュニティーのために働き、社会貢献している点は、現在のモデルケースと通じる所もあるように思う。
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