地獄の埠頭の紹介:1955年アメリカ映画。冤罪による5年間の服役の後に出所した元刑事。服役中に妻は別の男と過ちを犯していた。元刑事は真実と復讐を求めて街の顔役と対決する。アラン・ラッドが彼のキャリアを築いたパラマウント映画との契約を離れた後自ら設立したプロダクションで製作した作品だが、監督は出世作『拳銃貸します』のフランク・タトルにまかせている。1930年代のギャング映画に主役として君臨した名優エドワード・G・ロビンソンがこの作品でも貫録を示している。そして元有名女優を演じているのは『キング・コング』(1933)のフェイ・レイ。シネマスコープ、ワーナーカラー作品。
監督:フランク・タトル 出演者:アラン・ラッド(スティーヴ・ロリンズ)、エドワード・G・ロビンソン(ヴィク・アマト)、ジョーン・ドルー(マーシァ・ロリンズ)、ウィリアム・デマレスト(ダン・ビアンコ)、ポール・スチュワート(ジョー・ライ)、フェイ・レイ(ケイ・スタンレー)ほか
映画「地獄の埠頭」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「地獄の埠頭」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
地獄の埠頭の予告編 動画
映画「地獄の埠頭」解説
この解説記事には映画「地獄の埠頭」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
地獄の埠頭のネタバレあらすじ:起・港に帰ってきた男
出所した元刑事スティーヴ・ロリンズを、サン・クエンティン州立刑務所の門の前で、妻のマーシァと友人のダン・ビアンコ刑事が出迎えるが、スティーヴは自分の不在中に、ある男と不倫の恋に陥った妻を拒絶し、バスでサンフランシスコへと向かう。
彼はラゴーニという男にまず会おうとしていた。スティーヴは警官の鑑と言われた男だったが、ドナーテという男を殺したという罪に問われて服役した。ラゴーニはドナーテ殺しについて刑務所のスティーヴに連絡した後、姿を消していた。
港で話を聞いても、ラゴーニの教区の神父(かつてスティーヴのボクシングコーチをしていて、今も子供たちにボクシングを教えている)に聞いても、ラゴーニの居場所はつかめない。わかったのは、ドナーテ殺しの黒幕と考えられる顔役アマトが、湾岸地域で支配力を強めていることだった。
地獄の埠頭のネタバレあらすじ:承・顔役の脅し
スティーヴは歌手のマーシァが働くクラブを訪れるが、家に服を取りにいくのに鍵を借りるだけの用事で、マーシァはがっかりする。服をスーツケースにつめて家を出ようとしたスティーヴをアマトの片腕ジョー・ライと、アマトの子分で巨漢のハミーが訪問するが、スティーヴはボクシングでハミーを撃退する。
スティーヴが下宿に帰ると今度は、彼の後釜で刑事になったコナーズが、おとなしくすれば仕事を与えると言うアマトからのメッセージを伝えに来る。ラゴーニを見つけるのが俺の仕事だと答えると、コナーズはラゴーニの死体が見つかったことを教える。
地獄の埠頭のネタバレあらすじ:転・真実への手がかり
スティーヴはラゴーニと同じ船に乗っていたパスモニックを訪れるが、彼は一切協力しようとしない。男手一つで息子を育てる彼は、息子をアマトから守らなければならなかった。しかし息子はこっそりスティーヴに、アマトの甥マリオが父親に船に乗るのを休むように指示し、代わりにブロディーという男が船に乗ったことを教える。
殺す必要のなかった、公職についている老人を死なせてしまったせいで、ハミーはアマトからクビにされる。アマトはスティーヴを呼びつけ、あろうことかハミーの代わりに自分の下で働くようにと言う。スティーヴは当然拒絶し、アマトはスティーヴの死を予告する。
ホテル前に戻ったスティーヴをハミーが銃撃するが、スティーヴに会いに来ていたダンが彼の腹を撃つ。スティーヴは虫の息のハミーにブロディーの居場所を尋ね、ブロディーの恋人のベッシーにあたるように言われる。スティーヴはアパートを出たベッシーを追跡して、ブロディーをつかまえてダンに逮捕させる。
孤独のせいかスティーヴは再びマーシァを訪れる。マーシァは元からオファーのあった条件のよい仕事を引き受け、シカゴに引っ越すと言う。マーシァは、他の男を愛した理由は獄中のスティーヴが彼女を遠ざけたことだと説明する。男との情事は終わったことで、スティーヴに冷たくされることでマーシァは不倫の代償を支払ったと感じている。
地獄の埠頭の結末:顔役の支配のほころび
ダンに説得された上司のネヴィル警部は、ブロディーに続きマリオを逮捕し、アマトをも捜査対象にする。ブロディーとマリオはアマトが手をまわして釈放されるが、アマトはマリオがブロディーを売ったとみなして、マリオをジョー・ライに命じて殺させる。マリオは自殺とされた。自殺者はカトリック教会に埋葬できないと言われ、彼を息子のようにかわいがっていたアマト夫人を嘆かせる。
ジョー・ライは元有名女優の恋人ケイ・スタンレーとの生活に心の平安を見出し、アマトに不平を抱くようになっていた。マリオ殺害をきっかけに自分を対等のパートナーにするようにアマトに要求し、アマトはそれを承知するふりをしたが、コナーズ刑事にジョーの殺害を命じる。
ジョーは難を逃れ、ケイは、ジョーの指示にしたがいスティーヴに助けを求める。彼女はマリオ殺害をアマトがジョーに命じるのを聞いたこと、ドナーテもジョーが殺したことを教える。スティーヴはケイの身をマーシァに託した。
ジョーはアマトのオフィスを襲うが、アマトがコートに隠した銃で射殺されてしまう。そこにやってきたのはスティーヴを心配したマーシァ。彼女はアマトの逃亡のための人質にされてしまう。遅れてやってきたスティーヴはマーシァを逃がすべく、アマトからの銃弾の前に身をさらすが、幸いアマトの拳銃の弾がつきる。
スティーヴは海に飛び込んで一人で逃げるアマトのモーターボートに乗り移って、二人はボート上で格闘になる。やがて警察のモーターボートが追い付き、アマトは逮捕された。スティーヴは岸で彼を迎えたマーシァと二人で家に帰るのだった。
以上、映画「地獄の埠頭」のあらすじと結末でした。
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