バクラウ 地図から消された村の紹介:2019年ブラジル,フランス映画。ブラジルの奥地に位置するとされる架空の集落を舞台とした異色のサスペンス作品です。長老の死後にインターネットの地図から存在を抹消され、正体不明の未確認飛行物体が飛来するなど様々な奇怪な出来事に見舞われた集落。その先には血で血を洗う衝撃の展開が待ち受けていました…。本作は第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しています。
監督:クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアーノ・ドルネレス 出演者:ソニア・ブラガ(ドミンガス)、ウド・キア(マイケル)、バルバラ・コーレン(テレサ)、トマス・アキーノ(パコッチ/アカシオ)、シルベロ・ペレイラ(ルンガ)、サーデリー・リマ(トニー・ジュニア)、ルーベンズ・サントス(エリヴァウド)ほか
映画「バクラウ 地図から消された村」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バクラウ 地図から消された村」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バクラウ 地図から消された村の予告編 動画
映画「バクラウ 地図から消された村」解説
この解説記事には映画「バクラウ 地図から消された村」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バクラウ 地図から消された村のネタバレあらすじ:起
今から数年後。ブラジル北東部、ペルナンブーコ州の西部にある小さな集落、バクラウ村。この村の出身である女性・テレサ(バルバラ・コーレン)は村の長老カルメリータの訃報を聞き、葬儀に参列するためにバクラクに向かっていました。
テレサは給水車の運転手・エリヴァウド(ルーベンズ・サントス)に乗せてもらいました。途中の道には横転した車があり、中に積まれていた棺や人の遺体が散乱していました。バクラウの周辺一帯ではかねてから地元の川の水を巡る利権争いが勃発しており、バクラウも4ヶ月前から水を堰き止められていました。
どうやら川の上流にあるセラベルデの市長トニー・ジュニア(サーデリー・リマ)が、水の堰き止めに関与しているらしく、エリヴァウドは川の更に上流から水を汲んでバクラウに届ける役割をしていました。
バクラウに戻ったテレサは、村人たちのために用意した薬やワクチンなどを分け与え、カルメリータの弔問に訪れました。村の老いた女性医師。ドミンガス(ソニア・ブラガ)はいつもは冷静で、村人たちに慕われる存在でしたが、この日ばかりはかなり取り乱しており、カルメリータを魔女呼ばわりしては暴れて村人たちに取り押さえられました。その後、カルメリータの葬儀は村人総出の参列のもと、しめやかに執り行われました。
翌日。バクラウはいつもの日常に戻っていました。テレサは村の若い男・パコッチ(トマス・アキーノ)と会い、好意を抱きました。パコッチは『アカシオ』というもうひとつの名を持っており、気分によって使い分けていました。
バクラウ 地図から消された村のネタバレあらすじ:承
村の学校では、タブレットを使った授業が行われていました。教師は生徒たちに、インターネット上の地図からバクラウの位置を探すよう指示しましたが、なぜか地図からはバクラウの表記は消されており、近隣のセラベルデしかありませんでした。教師は仕方なく、ちゃんとバクラウの位置が記載されている紙の地図に切り替えました。
そんなある日、トニー・ジュニアの選挙カーがけたたましい爆音を鳴らしながらバクラウにやってきました。次の市長選で再選を目指すトニー・ジュニアは村人たちに物資をバラ撒くなど票集めに余念がありませんでしたが、バクラウの人々は明らかにトニー・ジュニアを嫌っていました。
トニー・ジュニアは村人からの「水を独り占めするな」との訴えには耳を傾けることはありませんでした。しかもトニー・ジュニアが置いて行った物資は、いずれも賞味期限切れの食料品や取扱注意の薬品などでした。
村外れに住むダミアーノ(カルロス・フランシスコ)は、村の上空に直径約1mほどの空飛ぶ円盤を目撃しました。一見正体不明の未確認飛行物体にも思えましたが、文明の恩恵にはあまりあずかっていない村人からしても、それはあからさまに何者かが遠隔操作しているドローンであることは確かでした。
その夜、バクラウに馬の大群約数十頭がやってきていました。それらの馬は近くの農場から逃げ出したものであり、村人のフラビオ(マルシオ・フェッシャー)とマシエル(ヴァル・ジュニア)が調査および馬の連れ戻しを行うことになりました。
そこにエリヴァウドの給水車が戻ってきましたが、水タンクには何者かによる銃撃の跡があり、貴重な水が漏れ出していました。何やら嫌な予感を覚えたパコッチは、フラビオたちを止めようとしましたが、フラビオたちは結局出発していきました。
バクラウ 地図から消された村のネタバレあらすじ:転
フラビオたちと行き違いで、バクラウにバイクに乗ったカップルがやってきました。村人たちが警戒するなか、リオデジャネイロから来たというカップルは、この村が地図に載っていないこと、そして携帯電話の電波も入らないと口にしました。バクラウは普段から携帯の電波が通っているはずでしたが、休憩を終えたカップルはそのまま走り去っていきました。
一方、馬を連れて農場に辿り着いたフラビオとマシエルは、農場主の一家全員が無残にも殺害されているのを発見しました。フラビオとマシエルはひとまず農場に馬を置き、農場主のバイクでバクラウへ戻ろうとしましたが、途中ですれ違ったカップルに射殺されました。この一部始終は円盤型ドローンによって撮影されていました。
カップルと円盤型ドローンが向かった先は、マイケル(ウド・キア)という男が率いる外国人傭兵集団のアジトでした。マイケルたちはドローンを使ってバクラウ周辺の携帯の電波を遮断しており、翌日には村の電気を止める計画を立てていました。カップルの正体は傭兵に成りすまして潜入捜査していた連邦判事補であり、カップルはマイケルらによって殺害されました。
その頃、いつまで経ってもフラビオたちが帰って来ないことから、パコッチは様子を見に向かいました。途中で農場主一家やフラビオたちの遺体を発見したパコッチは、ダミアーノから円盤型ドローンを目撃したとの情報を得ました。
パコッチは何者かがバクラウを狙っていると感じ、バクラウ周辺の見張りをしているルンガ(シルベロ・ペレイラ)に協力を求めることにしました。バクラウの村人たちはルンガの指揮のもと、夜通しで戦闘準備に取り掛かりました。
バクラウ 地図から消された村の結末
日付は変わり、バクラウの電気は一斉に止められました。村人たちが警戒するなか、夜遊びに出かけていた少年の殺害された遺体が発見され、村人たちの間には一気に緊張が高まりました。
そんな中、分け合ってバクラウに滞在していたクラウディオ(ブッダ・リラ)と妻のネリーナ(ファビオラ・ライパー)が、村を出ると言い出し、村人たちの静止を振り切って車で出発しました。その直後、クラウディオ夫妻は傭兵集団のジェイク(ジェームズ・ターピン)とジュリア(ジュリア・マリエ・ピーターソン)に殺害されました。
夜が明け、ジェイクとジュリアは村外れのダミアーノの家を襲撃しようとしましたが、二人は丸腰のダミアーノの様子を不思議がっている隙を突かれて、ダミアーノの妻に撃たれました。ジェイクは即死、瀕死のジュリアはダミアーノによってドミンガスの元に運ばれました。
マイケル率いる傭兵集団はバクラウへ近付き、ドミンガスにジェイクとジュリアはいなかったか尋ねました。ドミンガスの白衣には血が付いており、ドミンガスは運び込まれた急患(ジュリア)は助からなかったと話しました。
マイケルたちは一気にバクラウを襲撃しようとしましたが、村には誰一人もいませんでした。傭兵のひとりであるテリー(ジョニー・マース)は村の中心にある歴史博物館に行き、そこに展示されているはずの武器がないことに気付きました。
しかし時既に遅く、テリーは隠れていた村人たちに殺害されました。マイケルも隠れていた村人たちに捕らえられ、他の傭兵たちも全員殺害されて、博物館前に晒し首にされました。
そこへトニー・ジュニアがバクラウの様子を見に訪れました。村人たちはトニー・ジュニアを取り囲むとマイケルを彼の元に引き立て、トニー・ジュニアこそがマイケルの傭兵集団を雇った張本人であることを突き止めました。トニー・ジュニアは身ぐるみを剥がされ、馬に乗せられてバクラウから追放されました。
マイケルは地下牢に閉じ込められ、村人たちはマイケルを地下牢ごと土砂を被せて生き埋めにしました。
以上、映画「バクラウ 地図から消された村」のあらすじと結末でした。
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