ミミの紹介:1996年フランス映画。ギャスパー・ノエ監督作「カルネ(1994年)」で製作を担当したルシール・アザリロヴィックの初監督作品。童話『赤ずきんちゃん』をモチーフに、少女の恐れと戸惑いを描くドラマ作品。12歳の少女ミミは母親とアパートで暮らしていた。しかしある日、母親が薬を大量に服用し自殺未遂を起こしてしまう。母親が入院している間、叔母ソランジュに預けられることになったミミ。そこで出会ったソランジュの恋人ジャン=ピエールはミミに欲情し、まだ幼い少女の体にいやらしく触れようとする。ミミは嫌がるがソランジュも味方してくれず、彼女の心は孤独に苛まれていくのだった。
監督:ルシール・アザリロヴィック 出演者:サンドラ・サマルティーノ(ミミ)、デニス・スクロプファー(ソランジュ)、ミシェル・トリロ(ジャン=ピエール)、ロイス・ダ・シルバ(ル・ヴォイシン)、ジャックス・ギャロ(母親の恋人)、ほか
映画「ミミ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミミ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミミの予告編 動画
映画「ミミ」解説
この解説記事には映画「ミミ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミミのネタバレあらすじ:起・母の自殺未遂
フランス、パリ。12歳の少女ミミは、母親と2人でアパートに暮らしていました。ある夜、恋人に捨てられた母は絶望し、ミミの目の前で薬を大量に飲み込みます。母の自殺は未遂に終わりましたが、しばらく入院しなくてはなりませんでした。
その間、ミミは叔母ソランジュに面倒を見て貰うことになります。母を心配するミミ。ソランジュはそんな彼女に、悪いのはミミの母であり、それもいつものことだと言いました。ソランジュのアパートでミミに用意されていたのは狭い物置でした。ソランジュは新しく恋人が出来たばかりで、ミミを歓迎していない様子です。
その夜、狭いベッドで眠っていたミミはソランジュの声で目を覚ましました。寝室を覗いてみると、広いベッドでソランジュが恋人ジャン=ピエールに激しく抱かれています。
ミミのネタバレあらすじ:承・新しい環境
翌朝。ミミはソランジュから改めてジャン=ピエールを紹介されます。ミミは内向的で極端に無口な性格のため、ジャン=ピエールにも懐きませんでした。自分の殻に閉じ篭りがちなミミは、いつも人形と遊んでいます。しかしソランジュの人形と遊んでいると、物に触らないようにと注意されてしまいました。
ソランジュのアパートでは、人種差別的な署名活動が公然と行われています。ソランジュも気軽に参加していました。同じアパートに住んでいる顔なじみの女性は、ソランジュを相手にジャン=ピエールのことを褒めます。しかしソランジュの相手としては若過ぎるので、いつか若い女性に取られるだろうと冗談めかして笑いました。
夜、ソランジュとジャン=ピエールは、子どもが被害者となった犯罪の特集番組を見ています。ある犯罪者は、子どもへの接触は性衝動ではなく愛情だと主張しました。ソランジュもジャン=ピエールも、不快そうに顔を顰めます。
ミミのネタバレあらすじ:転・ミミの孤独
ミミがシャワーを浴びていると、浴室にジャン=ピエールが入って来ました。ミミが驚いて固まっていると、彼はじっくり時間を置いて浴室から出て行きます。ソランジュは明らかにミミを持て余していました。邪魔になると、ソランジュはミミを人形と一緒に部屋の外へ出します。
ミミが廊下で人形と遊んでいると、向かいの部屋に住むアメリカ人青年と目が合いました。ミミは青年の部屋で、彼の友人達が奏でる音楽に耳を傾けます。その穏やかで楽しい空気に、ミミは母の自殺未遂から初めて笑顔を浮かべました。しかしその行動にソランジュが激怒。事情を知ったジャン=ピエールも怒り狂います。
ミミは青年には何もされていないと正直に言いましたが、ジャン=ピエールの怒りは収まらず、直接青年を罵倒しに行きました。怖い夢を見て眠れなくなったミミは、真夜中にベッドからソランジュを呼びます。ソランジュは睡眠薬でミミを寝かしつけると、「あの子も辛いのね」とこぼしました。
ミミの結末:ジャン=ピエールの欲望
ある日、ミミとジャン=ピエールが留守番をすることになります。ミミがソファで人形遊びをしていると、隣にジャン=ピエールが座りました。彼は体を密着させ、ミミをいやらしく触り始めます。ミミが明確に拒絶しないのをいいことに、キスを強請るジャン=ピエール。
ミミがようやく抵抗すると、彼は苛立って怒鳴り声を上げました。そしてソランジュには黙っていろと言い出します。その夜、ミミはジャン=ピエールが用意した食事に手を付けようとしませんでした。苛立つソランジュに、ミミはジャン=ピエールのことを「あんなヘンタイ!」と批難します。するとソランジュは間髪入れずミミの頬を平手打ちしました。
ミミは腹痛を訴え、病院に連れて行って欲しいと頼みます。しかし却下されてしまい、物置に戻ったミミは隠しておいた睡眠薬を取り出しました。母の真似をすれば母のところへ行けると考えたミミは、大量の睡眠薬を飲み込みます。ミミは荷物をまとめて部屋を出て行きました。
そして向かいの部屋の青年に、病院へ連れて行って欲しいと頼みます。しかし青年は家に帰れと言ってドアを閉めてしまいました。ミミはその場に座り込み、やがて意識を失います。
廊下に倒れていたミミはソランジュとジャン=ピエールに発見され、病院に担ぎ込まれました。ミミの処置を担当した医師は、心配はないが精神科医に診せた方が良いと話します。ミミはしばらくの間入院することになりました。彼女はベッドの上で「あの家に帰りたくない」と繰り返し呟きます。
帰り道、ソランジュは疲れきった様子で呆然としていました。そしてもうミミの面倒は見きれない、よそに預けると口にします。ジャン=ピエールが「いつでも会いに行けるよな」と言い、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ミミ」のあらすじと結末でした。
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