新・ガンヒルの決斗の紹介:1971年アメリカ映画。カナダの小説家ウィル・ジェームズが1930年に発表した小説『ローンカウボーイ』を、ヘンリー・ハサウェイ監督が自身の生涯最後の西部劇として映画化した作品です。1959年公開の『ガンヒルの決斗』とは全く関係はなく、かつて自分を裏切った元相棒への復讐を誓ったガンマンと、道中で知り合った少女との旅をユーモラスに描いています。
監督:ヘンリー・ハサウェイ 出演者:グレゴリー・ペック(クレイ・ローマックス)、ドーン・リン(デッキー・オルテガ)、パット・クイン(ジュリアナ・ファレル)、ロバート・F・ライオンズ(ボビー・ジェイ・ジョーンズ)、スーザン・ティレル(アルマ)、ジェフ・コーリイ(トルーパー)、リタ・ガム(エマ)、ジェームズ・グレゴリー(サム・フォーリー)、ペペ・セルナ(ペペ)、ジョン・デイヴィス・チャンドラー(スキーター)ほか
映画「新・ガンヒルの決斗」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「新・ガンヒルの決斗」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
新・ガンヒルの決斗の予告編 動画
映画「新・ガンヒルの決斗」解説
この解説記事には映画「新・ガンヒルの決斗」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
新・ガンヒルの決斗のネタバレあらすじ:起
西部開拓時代のガンヒルという町。若きガンマンのボビー・ジェイ・ジョーンズ(ロバート・F・ライオンズ)は富豪のサム・フォーリー(ジェームズ・グレゴリー)の屋敷に呼び出され、つい最近刑務所から出所してきたばかりのクレイ・ローマックス(グレゴリー・ペック)を見張るよう依頼されました。サムは過去にクレイと因縁があるようで、クレイは必ず自分を狙ってガンヒルに現れるであろうことを予見していました。
7年前、クレイは当時の相棒だったサムと共にとある町で銀行強盗事件を起こしていました。ところが、サムはクレイを裏切って発砲、奪った金を独り占めして逃走しました。重傷を負ったクレイは一人だけ逮捕されて刑務所送りとなり、クレイは自分を裏切ったサムへの復讐を狙っているのです。
その頃、クレイはウィードという町を訪れ、旧友のトルーパー(ジェフ・コーリイ)と再会を果たしました。車椅子生活をしているトルーパーはこの町で酒場と売春宿を経営しており、クレイの出所祝いをしようとしましたが、クレイはあくまでもサムの居場所のみを要求してきました。金を払えば教えてやると言うトルーパーに、クレイは明日カンザスからテレサという女が金を持ってやってくると伝えました。
そこにボビーがガンマン仲間のペペ(ペペ・セルナ)とスキーター(ジョン・デイヴィス・チャンドラー)を連れて現れました。クレイは傍若無人な振る舞いのボビーらに不快感を持ちました。その後、クレイは顔馴染みの娼婦のエマ(リタ・ガム)と寝ているところ、隣の部屋ではボビーとスキーターが娼婦のアルマ(スーザン・ティレル)を取り合っており、一人仲間外れになったペペと口論となっていました。
あまりのやかましさにブチ切れたクレイはボビーらを部屋から引きずり出し、殴って黙らせました。ボビーは激怒しましたが、サムからクレイに手を出すなと言われており、どうすることもできませんでした。
新・ガンヒルの決斗のネタバレあらすじ:承
翌朝、クレイはテレサを出迎えるため駅に向かいました。ところが、列車から降りてきたのはテレサの7歳になる娘デッキー(ドーン・リン)ただ一人であり、どうやらテレサは数日前に死んでしまったようで代わりにデッキーがやってきたのです。クレイとデッキーは最初のうちは互いに状況が飲み込めずにいがみ合っていましたが、クレイは思い直してデッキーを引き取ることにしました。
駅でクレイを見張っていたスキーターはボビーやペペと合流、ボビーらは昨夜の代金を請求してきたトルーパーを射殺、店の金とアルマを奪って逃走しました。駅から戻ったクレイはエマからトルーパーが殺されたことを知らされ、トルーパーは死の間際にクレイへの伝言としてサムがいるのはガンヒルであると言い残していたことを伝えました。
ガンヒルに向かうことにしたクレイはひとまずデッキーを預かってくれる人を探しましたがどこも受け取り手はなく、仕方なくデッキーを馬に乗せて旅に同行させることにしました。
デッキーはまだクレイのことを信用していませんでしたが、旅を続けるうちに少しずつクレイに心を開いていくようになっていきました。デッキーはクレイに自分の父なのかと尋ねましたが、クレイはテレサとはただの友人だったと言うのみでした。その後、クレイとデッキーは何者かに焼き払われた農場跡で野営し、翌日は草原で放牧されている馬の群れに遭遇しました。
デッキーは幼いながらも馬小屋掃除の仕事をしていたことがあり、馬にも一人で乗ることができました。そこでクレイは群れの中から1頭の子馬を盗もうとしましたが、デッキーから「盗みはダメよ」と言われてやむなく断念しました。
その後、クレイとデッキーは母馬のいない子馬を見つけ、クレイはデッキーにこの子馬を与えました。やがて子馬の持ち主に会ったクレイとデッキーは金を払って正式に子馬を譲り受けました。
新・ガンヒルの決斗のネタバレあらすじ:転
その夜、クレイは近くに何者かの気配を察し、探った結果ボビーたちを見つけました。クレイはボビーに銃を向けてなぜ監視しているのか尋問しましたが、ボビーは答えようとしませんでした。代わりにアルマがボビーたちはサムに雇われていることをバラしました。クレイはボビーに「俺が行くと伝えろ」とサムへの伝言を告げ、銃を奪ってその場を離れました。
ペペはボビーにサムにこの件を報告すべきだと進言しましたが、ボビーはクレイから銃を取り戻すことを優先することにしました。
サムの名を聞いたクレイは明らかに険しい態度を見せていました。事情を知らないデッキーにとっては知る由もありませんでした。その後、土砂降りの雨に見舞われたクレイとデッキーはジュリアナ・ファレル(パット・クイン)という女性に助けられ、彼女が経営する農場に招かれました。
農場主だった夫に先立たれたジュリアナは一人息子のダッチ(ニコラス・ビューヴィ)と共にこの農場を切り盛りしており、クレイとデッキーはひとまずこの農場に泊めてもらえることになりました。
その夜、デッキーとダッチが寝た後にジュリアナはデッキーを預かってもいいとクレイに持ちかけました。クレイが了承すると、ジュリアナは「女は計算高いの。預かればあなたは戻ってくる」と微笑みました。クレイから旅の目的を聞かされたジュリアナは「大事なのは今」と諭しましたが、ジュリアナもまた辛い現実から逃れるために毎晩のように一人で酒を飲んでいました。クレイはジュリアナを優しく受け止めました。
その時、ジュリアナの農場にボビーたちが押し入ってきました。ボビーはクレイから銃を奪い、デッキーとダッチを寝室から連れ出しました。絶体絶命の状況のなか、デッキーはベッドの下に隠されていた護身用の拳銃をこっそりとクレイに渡しました。
すると、ボビーはかつてウィリアム・テルが息子の頭の上に置いたリンゴを見事に矢で射抜いた伝説を持ち出し、デッキーの頭にカップを乗せて真似事をしようと言い出しました。クレイはデッキーから受け取った銃で反撃しようとしましたが、あいにくこの拳銃は雷管を入れ忘れてしまっており、クレイの攻撃は空振りに終わってしまいました。
ボビーはクレイを殴り倒し、デッキーの頭のカップを撃とうとしました。耐え切れなくなったアルマはボビーから銃を奪おうとしましたが、ボビーに射殺されてしまいました。クレイはその隙を突いて反撃に打って出、ボビーは誤ってスキーターを射殺してしまい、デッキーをさらって逃走しました。
その後、ボビーは見張りをしていたペペと合流しましたが仲間割れを起こし、ペペを射殺すると馬を奪って走り去りました。デッキーはその隙を突いて逃げ出しましたが、クレイはデッキーの存在に気付かぬままガンヒルに向かって出発しました。
新・ガンヒルの決斗の結末
翌朝、ボビーはガンヒルに着くなりサムに一連の経緯を報告しました。ボビーはサムに報酬を要求し、なぜクレイを殺すなと命じたのか尋ねると、サムは「信頼できるプロの殺し屋は口が堅い」とボビーを牽制しつつ、もしクレイがガンヒルに来たならばそれなりのもてなしはすると答えました。サムの考えが理解できないボビーはサムを射殺し、金庫の金を奪おうとしたところにクレイが現れました。
クレイはボビーに昨晩の真似事をしようと持ち掛け、サムの屋敷の家政婦に命じてボビーの頭の上にリンゴを乗せさせました。ボビーが恐怖に震えるなか、クレイは見事にボビーの頭のリンゴを撃ち抜き、続いてグラスをボビーの頭に置くとそれをも撃ち抜きました。
クレイは今度は小さな薬莢をボビーの頭の上に乗せ、「この薬莢を撃ち抜けばお前の頭は吹っ飛ぶ」と更なる恐怖を与えました。堪りかねたボビーが銃を抜こうとしたその時、クレイの銃弾はボビーを貫きました。クレイは家政婦に保安官を呼ぶよう指示すると屋敷を後にしました。
クレイはジュリアナの農場に戻りました。そこには一足先に戻っていたデッキーの姿があり、クレイの帰還を喜びました。デッキーは改めて、クレイに自分の本当の父親なのか尋ねてみると、クレイはまたその質問をするのかと返しました。デッキーはならばと「なぜ戻ってきたの?」と尋ねると、クレイは「さあ、なぜかな?」とはぐらかしました。
以上、映画「新・ガンヒルの決斗」のあらすじと結末でした。
先程 この映画をBSプレミアムで鑑賞しました。
西部劇はあまり好きではありませんが、グレゴリー・ペックさんが好きなので ながら視聴していましたが、テレサの娘役デッキーを演じたドーン・リンさんの演技の上手さに惹かれ最後まで観てみました。
最近日本でも天才子役と呼ばれるような俳優さんたちがクローズアップされますが、今日のドーン・リンさんの演技には素晴らしいものを感じました。他にも彼女の出演した映画は、どんな作品があるのでしょうか?
取り急ぎ、有難うございました。