拳銃王の紹介:1950年アメリカ映画。実在のガンマン、リンゴ・キッドことジョニー・リンゴを主人公のモデルとした西部劇作品です。数多くのガンマンたちから命を狙われている早撃ちの名人が、別れた妻と息子と和解しようと妻たちが住む町を訪れたのですが…。
監督:ヘンリー・キング 出演者:グレゴリー・ペック(ジミー・リンゴ)、ヘレン・ウェスコット(ペギー・ウォルシュ)、ミラード・ミッチェル(マーク・ストレット連邦保安官)、ジーン・パーカー(モリー)、カール・マルデン(マック)、スキップ・ホメイヤー(ハント・ブロムリー)、エレン・コービイ(デブリン夫人)、リチャード・ジャッケル(エディ)、アンソニー・ロス(チャーリー・ノリス保安官補)、ヴェルナ・フェルトン(オーガスト・ペニーフェザー夫人)、B・G・ノーマン(ジミー・ウォルシュ)、クリフ・クラーク(ジェリー・マーロウ)ほか
映画「拳銃王」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「拳銃王」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
拳銃王の予告編 動画
映画「拳銃王」解説
この解説記事には映画「拳銃王」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
拳銃王のネタバレあらすじ:起
1880年代のアメリカ南西部。西部一の早撃ちの名手として名を馳せたテキサス出身の無法者ジミー・リンゴ(グレゴリー・ペック)は無法の世界から足を洗い、別れた妻ペギー(ヘレン・ウェスコット)と息子ジミー(B・G・ノーマン)の住む町に向かおうと決心していました。
しかし、リンゴは自分を倒して名を上げようと目論む数多くの無法者たちから命を狙われる存在でもありました。
ある町の酒場に立ち寄ったリンゴは、町の若者エディ(リチャード・ジャッケル)に絡まれました。エディの傍若無人な態度に呆れたリンゴは彼を冷たくあしらい、腹を立てたエディが銃を抜いたため、リンゴはやむなくエディを射殺しました。
この件はエディに非があるとしてリンゴの正当防衛は認められましたが、リンゴは酒場の客から、エディには無法者の兄が三人(アラン・ヘイル・Jr、デイビット・クラーク、ジョン・ピカード)いると告げられ、その場を立ち去るよう促されました。
翌日、エディの兄三人は弟の仇を撃つべくリンゴの後を追いました。リンゴは先手を打ち、岩山から三人を襲撃すると銃と馬を奪ってその場を去りました。しかし、三人はリンゴの行く先はカイエンという町であろうと予測していました。
リンゴはペギーとジミーが住むカイエンの町に到着しました。リンゴの到来に驚いた酒場の主人マック(カール・マルデン)は店員を通じて密かに連邦保安官のマーク・ストレット(ミラード・ミッチェル)に通報し、マークは数名の保安官補を引き連れてリンゴのいる酒場を訪れました。
実はマークもかつては無法者であり、リンゴの旧友だったのです。リンゴとマークは再会を喜び合いましたが、マークは保安官としての立場から、リンゴがこの町に留まることは彼の命を狙うならず者たちを呼び込んでしまうことに繋がると考え、リンゴに早くこの町から出て行くよう告げました。
拳銃王のネタバレあらすじ:承
リンゴはこの町に戻ってきたのはあくまでもペギーとジミーに会うためだと説明しましたが、マークはペギーは苗字を変えてまでしてリンゴの妻だった過去を消し去ろうとしていると教え、リンゴにはもう会いたがらないであろうと諭しました。
しかし、どうしても妻子との再会を諦めきれないリンゴは、自分はエディの兄三人に追われていることを話し、ペギーたちに会うまではこの町から出ないという意思をマークに伝えました。
リンゴの切実な思いを聞き入れたマークは、リンゴとペギーの仲を取り持つべく、ペギーが教師をしている学校へと向かいました。ペギーは教え子たちがリンゴを一目見ようと学校をサボっていることから、この町にリンゴが戻っていることには薄々気付いていましたが、リンゴには二度と会う意思のないことをマークに伝えました。
マークからそのことを聞いたリンゴはひどく落胆しながらも、せめて彼女には手紙を書くことにしました。
その後、リンゴはかつての旧友である酒場の歌手のモリー(ジーン・パーカー)と再会を果たしました。モリーはリンゴに、モリーの恋人でリンゴの友人でもあった凄腕のガンマンのバッキーが半年前に何者かに殺害されたことを伝えました。モリーはペギーに会えずに苦悩するリンゴのために、自らペギーとの橋渡しを買って出ることにしました。
モリーは早速ペギーの元に向かい、リンゴはその間酒場で待つことにしました。そこにリンゴの噂を聞きつけた血気盛んな若者ハント・ブロムリー(スキップ・ホメイヤー)が現れ、リンゴを挑発してきましたが、モリーからこのハントが以前ペギーに言い寄っていたことを聞いていたリンゴは貫禄を見せつけてあっさりとハントを追い払いました。
ハントの一件を知ったマークはチャーリー・ノリス保安官補(アンソニー・ロス)に酒場の見張りを命じ、ハントを捕らえると、リンゴが町にいる間は町の外へ出ていくよう命じました。
その頃、モリーはペギーと会い、「リンゴは年を取って丸くなったのだから会ってあげてほしい」と頼みました。ペギーはそれでもリンゴと会うつもりはありませんでしたが、モリーと話しているうちに、今でも心の奥底ではリンゴのこと愛していることに気付きました。
拳銃王のネタバレあらすじ:転
その頃、酒場ではリンゴはチャーリーと打ち解け合い、一緒に酒を飲んでいました。しかし、モリーが一向に戻ってこないことから、不安な気持ちになったリンゴは様子を確かめようとしたところ、何者かが酒場の入り口を狙っていることに気付きました。
向かいの建物からリンゴを狙っていたのは、息子をリンゴに殺されたと思い込んでいるジェリー・マーロウ(クリフ・クラーク)という男でした。リンゴは酒場の裏口から抜け出してジェリーに近付き、銃口を突きつけると「ジェリーの息子は殺していない」と反論しました。
リンゴはジェリーを保安官事務所に連れていきました。そこではペニーフェザー夫人(ヴェルナ・フェルトン)ら町の女性たちが無法者を野放し状態にしているとして抗議に詰めかけていました。女性たちは目の前にいる男がリンゴ本人だとは気付かずに、リンゴを町の平和を乱す極悪人呼ばわりして早く町から追い出すよう声高らかに訴えました。
そこにマークが戻ってきたので、リンゴは「10時半まで待ってリンゴが去らなければ保安官が対処すべきだ」と意見を述べましたが、ついマークがリンゴの名を呼んでしまったため、目の前の男がリンゴ本人であることに気付いた女性たちは、足早に退散していきました。
その後、リンゴはモリーが何とかしてくれるまではもうしばらくこの町に滞在するつもりだとマークに伝えましたが、既にカイエンの街には馬を手に入れたエディの兄三人が近づきつつあり、町を追われたはずのハントも密かにリンゴやマークの動向を探っていました。
酒場に戻り、知人と一杯やったリンゴは、知人が妻と仲睦まじく生活しているという話を聞き、自分のこれまで歩んできた人生に一抹の虚しさを覚えました。そしてリンゴはマークに、どうやって保安官になれたのか訊いてみました。
マークは昔の銃撃戦の際に住民を巻き込んでしまったことを深く後悔しており、そのことが無法者の世界から足を洗うきっかけになったことを打ち明けました。それを聞いたリンゴは、自分もマークと一緒に足を洗っていればペギーの元に戻れたのにと悔やみました。
拳銃王の結末
リンゴはペギーに会わずに町を立ち去ることにし、財産を町一番の美人だと評判の学校教師(リンゴはそれがペギーだとは知らない)に譲り渡すことにし、マックに託して酒場を後にしました。
その時、リンゴの元にモリーが現れ、約束通りにリンゴをペギーに引き合わせてくれました。リンゴは北西部で新たな土地を買って牧場を開き、三人で平穏に暮らそうとペギーに持ちかけましたが、ペギーはジミーのためにも一生逃げ回る生活を送ることはできないと断りました。
リンゴは、もし1年後に自分が生きて戻ってきたならもう一度話そうと告げ、自分が変わっていたなら考え直してほしいと伝えました。ペギーはリンゴの提案を受け入れ、リンゴは笑顔を浮かべてペギーを抱きしめました。
リンゴが町に滞在していられる時間は残り15分となり、リンゴは最後にジミーに会うことにしました。これまでリンゴは一度もジミーに会ったことはなく、ジミーもまたリンゴが父であることを知る由もありませんでしたが、リンゴはあえて自分の正体を明かさず、マークのように真っ当に生きるよう伝えて出発することにしました。
ちょうどその時、町にはエディの兄三人が到着していました。兄三人はリンゴを待ち伏せして襲撃しようとしましたが、チャーリーに見つかって拘束されました。これで一安心したリンゴは1年後を夢見て旅立とうとした次の瞬間、リンゴは隠れていたハントに撃たれました。
致命傷を負ったリンゴは、ハントは自分を撃ったことで一生追われる身になるであろうことを確信し、ハントに「そのままタフなガンマンになるがいい。そして思い知れ。タフなガンマンの生き様をな…」と言い残して息を引き取りました。
マークはハントを叩きのめし、「お前はいつかリンゴと同じ運命を辿るだろう。今度は薄汚い無法者たちが、リンゴを殺したお前を狙う番だ」と告げてハントを町から追放しました。
町の教会ではリンゴの葬式が営まれ、ペギーとジミーは堂々とリンゴの姓を名乗って参列しました。ペギーとジミーはマークやモリーと共にリンゴの冥福を祈っていました。
以上、映画「拳銃王」のあらすじと結末でした。
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