ザ・ゴーレムの紹介:2018年イスラエル映画。ゴーレムとはユダヤ教で『動く泥人形』を意味します。主人の命令は忠実にこなす、そんなゴーレムをテーマに作られた作品。1600年代リトアニアのユダヤ人コミュニティで巻き起こる壮絶な出来事が物語の中心となります。冷徹なゴーレムを演じた子役の演技に注目です。
監督:ドロン・パズ、ヨアヴ・パズ 出演:ハニー・フルステンベルク(ハンナ)、イーシャイ・ゴーラン(ベンジャミン)、キリル・セルニャコフ、ほか
映画「ザ・ゴーレム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・ゴーレム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・ゴーレムの予告編 動画
映画「ザ・ゴーレム」解説
この解説記事には映画「ザ・ゴーレム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・ゴーレムのネタバレあらすじ:起
1600年代のリトアニア。ユダヤ人の小さなコミュニティで、ベンジャミン(アイシャイ・ゴラン)と妻ハンナ(ハニ・ファーステンバーグ)は暮らしていました。ペストが猛威を奮っていた時代でしたが、ハンナ達のコミュニティは森の奥で暮らしていたため無事でいました。
ベンジャミンとハンナには愛する息子ジョゼフがいましたが、ジョゼフは亡くなってしまいました。その悲しみが癒える事が出来ないアンナは、次の子供を生もうとせず、こっそりと隠れて宗教の指導者ラビの講義を聞き、ジョゼフをゴーレムとして生き返らせるための研究を進めていたのです。
ハンナの妹レベッカの結婚式の日。幸せなはずのその日に突然やってきた異教徒の集団、彼らのリーダーであるウラジミールは、ペストにかかった妹を連れてきて結婚式をしているレベッカ達を逆恨みします。「妹を治せ!さもなくば村を焼き払う」と告げたウラジミール達は、見せしめに村人を一人殺し、レベッカのお腹を激しく殴打しました。
村の回復師であるペトラが妹を診ると名乗り出て、その場は収まりますが、妊娠していたレベッカは殴られた事が原因で子供を諦めなければならなくなりました。
ザ・ゴーレムのネタバレあらすじ:承
妹が悲しい思いをしたのにも関わらず、何もしようとせず祈りでどうにかしようとするラビに憤るハンナ。ハンナはゴーレムを作って戦うべきだと主張しますが、それは拒絶されてしまうのでした。
どうにも我慢できないハンナは、今こそ自分の研究結果を活かす時だと、黙ってゴーレム召喚の儀式を始めてしまいます。ハンナは途中で気を失ってしまったので、成功かどうか分かりません。しかし儀式のために作った土人形が無くなっていることにハンナは気付きます。
その日から何かがいる気配をハンナは感じますが、何か分からないまま時は過ぎていきます。ある日、森に入ったハンナがウラジミール一味に見つかってしまい、縛り首にあいそうになったその時、ゴーレムが現れ一味を瞬殺してしまいました。
どうにか助かったハンナの前に、亡くなったジョゼフそっくりのゴーレムが現れます。泥だらけのゴーレムをキレイに洗い流し、ハンナはようやく一息つきます。どうやらゴーレムとは感情と痛覚がハンナとリンクしているようでした。
誰にも見られないようにゴーレムを匿いながら過ごすハンナ。しかしある日、ハンナはベンジャミンが別の女の家にいるのを目撃してしまい、女に対し強い怒りの感情が生まれてしまいます。するとゴーレムがその怒りの感情に呼応し、女がベンジャミンと別れた後、女を殺してしまうのです。
ザ・ゴーレムのネタバレあらすじ:転
翌朝、女が無惨に殺された姿を村人が目撃してしまいます。これをウラジミール達がやったのだと思ったベンジャミンが怒り、ウラジミール達に戦いを挑みに向かったのです。しかしウラジミール一味にやられ、窮地に追い込まれたベンジャミン。
そこにゴーレムを連れたハンナが現れます。すると窮地は一転、一味を瞬殺してしまいます。銃でゴーレムを撃ち殺そうとしますが、何発撃っても死にません。立場の悪くなったウラジミールは、ペトラのおかげで小康状態になった妹を連れて村を去っていきました。
ゴーレムのおかげで村は救われたものの、ラビやペトラは、ゴーレムは依然危険な存在だと認識しています。ハンナのおかげでゴーレムはベンジャミンには何もしませんでした。
その後、こっそりとゴーレムを元の姿に戻そうとやってきたペトラをゴーレムが殺したのを知ったベンジャミンは、「やはりゴーレムは危険で元に戻すべきだ、ジョゼフはもう死んだ。ゴーレムは息子ではない」とハンナに主張します。しかしハンナには、ジョゼフそっくりなこのゴーレムを消すことなんて出来なくなっていたのです。
ベンジャミンはハンナの寝ている間にゴーレムの好きな音楽でゴーレムを導き、ゴーレムをラビの元まで連れていきます。そしてゴーレムに呪文を唱え、ゴーレムを土に帰そうとしたのです。
ザ・ゴーレムの結末
その頃、ずっと小康状態だったウラジミールの妹は息を引き取りました。ウラジミールの怒りはハンナ達の村に向かいます。多勢を引き連れて村に火をつけ、逃げ惑う村人を次々と殺していきます。その刃は村の異変に気づいたハンナにも向かいます。
ゴーレムはラビ達を殺し、ハンナを探しに飛び出していきました。そしてハンナの危機に現れたゴーレムは、次々とウラジミール一味にを殺していき、ついにウラジミールも亡き者にしてしまったのです。
血塗れで立つゴーレムの姿、周りには一味や村人達の死体が横たわっています。それはさながら地獄絵図のようでした。この姿を目の当たりにしたハンナは、ゴーレムに近づき優しく抱きしめると「ジョゼフ、いつまでも愛してるわ」と告げるとゴーレムにキスをし、ゴーレムを形にするための巻物をゴーレムから取り出しました。
一瞬で崩れ落ちていくゴーレム。泣きながら項垂れるハンナに、生き残ったベンジャミンは近づき優しく抱きしめました。
ハンナとベンジャミンが去ったあと、母親を殺された少女がその現場にいました。少女はゴーレムを形成していた巻物を拾い上げるのでした。
以上、映画「ザ・ゴーレム」のあらすじと結末でした。
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