黄昏のチャイナタウンの紹介:1990年アメリカ映画。ロマン・ポランスキー監督の『チャイナタウン』(1974年)の10年後の物語。時は第二次世界大戦後。依頼人の起こした殺人事件のせいでロサンゼルスの私立探偵ジェイク・ギテスは10年前の事件に再び向き会うことになる。『チャイナタウン』の主演者、プロデューサー(ロバート・エヴァンス)、脚本家(ロバート・タウン)が再結集し、ジャック・ニコルソンは監督も兼ねた。
監督:ジャック・ニコルソン 出演者:ジャック・ニコルソン(ジェイク・ギテス)、ハーベイ・カイテル(ジェイク・バーマン)、メグ・ティリー(キティ・バーマン)、マデリーン・ストウ(リリアン)、イーライ・ウォラック(コットン)、リチャード・ファーンズワース(アール・ローリー)ほか
映画「黄昏のチャイナタウン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「黄昏のチャイナタウン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
黄昏のチャイナタウンの予告編 動画
映画「黄昏のチャイナタウン」解説
この解説記事には映画「黄昏のチャイナタウン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
黄昏のチャイナタウンのネタバレあらすじ:蘇る過去
1948年、私立探偵のジェイク・ギテスは、バーマンという男の若い妻の浮気調査をする。盗聴・録音されている浮気現場にバーマンが踏み込むことにし、事務所で彼に予行演習をさせる。バーマンの名もジェイク。そして二人のジェイクはその日、靴までおそろいだった。
モーテルの浮気現場の隣室にギテスと助手のラルフが待機。バーマンは予行演習通りの台詞を言っていたが突然銃声がする。バーマンが妻キティの浮気相手を撃ち殺してしまったのだ。警察署でギテスはバーマンの弁護士コットンからバーマンの使った銃が被害者マーク・ボディーンのものであること、ボディーンとバーマンが建設会社の共同経営者であることを教わる。
ギテスの事務所ではボディーンの妻リリアンが酒に酔って大暴れしていた。リリアンはバーマン夫妻が陰謀をめぐらし夫を殺したと主張する。ラルフにリリアンを家に送り届けさせた後、ギテスは婚約者リンダとの食事に出かけるはずが事務所で居眠り。窓から侵入した男が録音された浮気現場の会話を再生させてしまって逃げ出したので目を覚ます。
そしてキティとの会話でボディーンがある名前を出したことに気づき驚く。キャサリン・モーレイ。10年前ギテスの愛したイブリン・モーレイの、忌まわしい出生の秘密を抱える娘、そして母イブリンが自動車の運転席で撃ち殺されるのを助手席で見てしまった娘の名だ。ボディーンは彼女がバーマンにとって命取りになるとキティに語っていたのだった。
黄昏のチャイナタウンのネタバレあらすじ:キャサリン・モーレイの行方
ボディーンの弁護士ニューティは、事件は会社資産の独占を狙うバーマンの計画的殺人とみなす。もしそうでなく精神錯乱による犯行とするならバーマンをモーテルに連れて行ったギテスの責任が問われると言い、依頼主のバーマンを裏切るようにギテスにうながす。
ギテスもバーマンに疑いの目を向け助手のウォルシュに調査させ、キャサリン・モーレイの所有地がバーマンに譲渡されたことを知る。ギテスはかつてのイブリンの執事に会いに行くが、キャサリンは幸せにしていると言うものの、彼女の居場所は教えたくないようだった。
キャサリンについて手がかりのほしいギテスは、バーマンを売るように説得しに来たリリアン・ボディーンに録音を聴かせるが、リリアンもキャサリンを知らない。ギテスは成り行きでリリアンとセックスにおよんでしまう。
黄昏のチャイナタウンのネタバレあらすじ:石油
ギテスはラルフにバーマンの尾行をさせるがボディーンの弁護士ニューティもバーマンを尾行しているのに気づく。ニューティはロサンゼルス最大の石油会社を経営するアール・ローリーのために動いていることがわかる。ローリー夫妻がリリアンの黒幕だった。
さらにギテスは、ゲイのたまり場であるバーにバーマンの会社で働くオトリーに呼び出され、ローリーがバーマンの分譲地の下で石油を密かに掘って住人を危険にさらしていることを密告されるが、警察も手を出せない権力者のローリーが相手では何もすることができない。
その晩、警察の風俗取り締まりの手入れが入り、バーのオーナーで、バーマンの友人であり録音の件でギテスを脅しているギャングのミッキー・ナイスらと共に客の一人としてギテスは逮捕されてしまう。警察ではバーマンの事件を担当するローチ警部補が録音テープをよこすように迫る。だがギテスは、かつて無実のイブリン・モーレイを射殺したローチを倒して拳銃の銃口をしゃぶらせて恥をかかせる。
黄昏のチャイナタウンのネタバレあらすじ:キャサリン発見
事件の現場写真を観察したギテスはついにバーマンの計画的犯行の証拠に思い至る。凶器の拳銃を隠したソファをミッキー・ナイスのトラックによってモーテルの部屋に事前に運んでいたのだ。証拠のソファをギテスによって見せられ、夫が自分を愛しているからボディーンを殺したと信じていたキティは動揺する。
バーマンはギテスとゴルフコースを回りながら録音テープを渡すようにギテスに迫る。しかし既に裁判所から提出命令の出ているテープを隠すわけにはいかない。ところがバーマンがコースで倒れて医者に連れていかれる。バーマンが深刻な病状を妻に隠していることをギテスは知る。
裁判所の予審の前夜キティがギテスの家を訪れ、バーマンや彼女自身のことはかまわず録音テープを裁判所に提出するように言う。そこにリンダも現れ指輪をギテスに返して去って行った。ギテスはキティが首にかける、花をあしらったペンダントを見て、イブリンの元執事の家にあったキャサリンの育てた花を思い出す。キティこそキャサリンであることをにとうとう気づき、彼女もそれを認めた。
黄昏のチャイナタウンの結末:過去は去らない
裁判所の予審で録音が再生される。キャサリン・モーレイに関する部分は消されていた。ギテスをのぞいてただ一人テープを聞いたことのあるリリアンがテープは作り変えられていると叫ぶが判事が聞き入れることはない。キャサリンのプライバシーは守られ、バーマンは計画殺人の訴追を、ギテスは共犯者にされることを免れる。
ギテスは改めて分譲地のモデルハウスにバーマンを訪れる。分譲地の採鉱権を所有するキャサリンがキティであることを採鉱権の調査を通じて知ったことでボディーンはバーマンの弱みをにぎった。バーマンの死後にボディーンがキティの資産を奪うことを恐れて彼を殺したという、事件の真相をバーマンは語る。
そして病気の治療でただれた皮膚を隠そうと寝室を別にしたためにキティが誤解し、彼女がボディーンに走ってしまったのだった。その時強い地震が起き、石油があふれ出て天然ガスが噴き出す。妻に醜い死体を見せたくないと考えたバーマンは、モデルハウスにいたミッキー・ナイスとギテスを去らせてからタバコの火をつける。モデルハウスは爆発・炎上した。
ギテスの事務所でキティはバーマンの録音した遺言を聴く。夫を失い心細いキティがギテスに迫りキスしようとするのをギテスはたしなめる。しかし、彼女の助けになりたいと願うギテスは、花のペンダントを置いて事務所を出たキティに、ドアを開けて「キャサリン、過去は去らない」と叫ぶのだった。
以上、映画「黄昏のチャイナタウン」のあらすじと結末でした。
音声をよく聞き取れず、読解力が薄弱の私は、ここの解説でそうだったのかと、参考にしています。
また、解説として投稿しています。ありがとうございます。