草原に黄色い花を見つけるの紹介:2015年ベトナム映画。ベトナムの人気作家グエン・ニャット・アインのベストセラー小説を映像化した作品。少年時代の淡い恋心を、ベトナムの美しい自然に乗せて描いています。ベトナムでの大ヒットでアカデミー賞の外国語映画賞に出品するに至ります。
監督:ヴィクター・ヴー 出演:ティン・ヴィン(ティエウ)、チョン・カン(トゥオン)、タイン・ミー(ムーン)、マイ・テー・ヒエップ(ニャン先生)、グエン・アイン・トゥー(ダンおじさん)、カイン・ヒエン(ヴィン)、ミー・アイン(ニー)、ほか
映画「草原に黄色い花を見つける」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「草原に黄色い花を見つける」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
草原に黄色い花を見つけるの予告編 動画
映画「草原に黄色い花を見つける」解説
この解説記事には映画「草原に黄色い花を見つける」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
草原に黄色い花を見つけるのネタバレあらすじ:起
ティエウとトゥエンは仲の良い兄弟で、いつも一緒にいました。ちょっとふざけることはあっても喧嘩もありません。特に弟のトゥエンはティエウに嫌なことをされても嫌な顔をせず、親に告げ口をしたりせず黙っています。トゥエンは本当にティエウの事が大好きだったのです。
ティエウは同級生のムーンに恋心を抱いていました。いつもムーンに目をやっては彼女を気にしています。ムーンの父親はハンセン病と言われていて、地下に監禁されていました。その父親がムーンの家が火事になったことで行方不明になってしまったのです。幸い家族に怪我はなく無事でした。
その後、ムーンの母親が行方不明の父親を見かけたという話を聞いて、父親を探しに出ることにしました。母が帰るまでのその間、ムーンはティエウの家で暮らすことになります。
やがて父が見つかり、もうすぐ帰って来るとの知らせがありました。父はバセドウ病ではなかったことも分かり、ムーンは嬉しそうです。ムーンと一緒にいれることでずっと嬉しさを隠しきれてなかったティエウでしたが、また離れてしまうと考えると微妙な気持ちになりました。
一緒にいるうちに、トゥエンとムーンがすっかり仲良くなっていきます。本当は自分がそうしたかったはずが、トゥエンに盗られたような気がして仲の良い二人を見るたびに嫉妬のような気持ちになってしまったのです。ティエウは今までムーンに優しくできたのですが、今までのように優しく出来なくなっていました。
草原に黄色い花を見つけるのネタバレあらすじ:承
大雨で村が水没してしまい、作物がとれなくなり貧しい村がさらに苦しい状況になってしまいます。ティエウはトゥエンとムーンのために必死になって芋を見つけ出しますが、トゥエンとムーンがティエウに内緒で鶏肉を食べている声が聞こえ、ティエウは激昂してしまい、拾った棒でトゥエンを殴りつけてしまいます。
実は本当は鶏肉を食べていた訳でなく、ただのままごと、ティエウの勘違いだったのです。凄く痛がるトゥエン、トゥエンはこんなときでも兄を庇い、木から落ちたという事にしてと言います。
トゥエンの状態は思ったよりも酷く、寝たまま動けなくなってしまいました。ただでさえお金のない両親でしたが、できる限りを尽くしますが上手くいきませんでした。人知れず泣くトゥエンにティエウは気づいていましたが、何も出来ませんでした。
そんな中、ムーンの母親が帰り、父親の元に行くためにティエウ達とはお別れになります。トゥエンの事があってからムーンとはあまり話さなくなったティエウでしたが、別れ際「トゥエンと僕に会いにまた戻っておいで」と声をかけると、ムーンは軽く頷き去っていきました。
笑顔がなかったムーンでしたが、去った後の車内ずっと涙を流していました。泣いているムーンを母が黙って慰めます。
草原に黄色い花を見つけるのネタバレあらすじ:転
ムーンが去り、トゥエンの状態も相変わらずでした。しかしある日、寝床から起き上がり外を見ているトゥエンをティエウは目撃します。「動けるのか?」ティエウが問うと、トゥエンは「お姫様がいた」と話します。訳がわからないまま日が経ちます。
そして今度は立ち上がっているトゥエンを見たのです。トゥエンは、またお姫様が来たと話します。まさかと思いティエウが外を見ると、トゥエンが手に持っていた黄色い花が落ちています。何かを導くように黄色い花は落ちていて、ティエウは後を追う事にしました。
そしてティエウはかつてオートバイサーカスをしていたタムさんの家にたどり着きます。タムは娘のニーをお姫様と祭り上げ、やってくるものを敵とみなし追い払っていたのです。大人達はタムを気が触れたとみなし子供達を近寄らせないようにしていたのです。
しかし実際の話は少し違いました。サーカスの事故で母親を亡くしたニーがショックで自分をお姫様だと思うようになったのです。タムは娘を守るために、ニーの妄想に付き合っていたのでした。
お姫様に会いたいという事がモチベーションになり、トゥエンは懸命に努力し松葉杖で動けるようにまでなりました。今日も一人で抜け出し、お姫様であるニーの元に向かおうとしていたのです。
少し無理が祟り、疲れたトゥエンをティエウは優しく宥めます。今日のところは帰ろう、そう決めたその時、二人はニーが村の子供達にいじめられている所を目撃してしまいます。
草原に黄色い花を見つけるの結末
お姫様がいじめられている事を我慢できなかったトゥエンは、懸命にニーの元に走り出そうとします。松葉杖を捨て懸命に走りますが、やがて倒れてしまいます。その懸命な姿にニーはふと我に帰ります。
タムがやってきていじめっ子達は逃げていき、タムはいつものようにお姫様扱いを始めると、ニーは「お父さん」といつもの自分に戻った事を伝えます。タムは喜び泣きながらニーを抱きしめました。
タムはニーを連れて帰っていきます。去り際、ニーはトゥエンに向かって「またね」と言わんばかりに軽く手を振りました。トゥエンも手を振り返します。
帰り道、ティエウはトゥエンをおんぶしながら帰ります。またニーに会いたいと話すトゥエンに、また会えるさとティエウは答えます。そしてティエウはトゥエンから、ムーンがティエウと遊ぶのが楽しかったと聞きます。
トゥエンとの方が楽しそうだったのに何故?とトゥエンに尋ねますが、まだ小さいトゥエンは分からないと答えます。二人は、ニーにもムーンにもまた会えるさと話しながら家路につきました。
ティエウはムーンに勧められながらも意地を張って読まなかった本を初めて手に取ります。愛の詩集とティエウには大人な内容です。ティエウは本の中のあるフレーズに目が止まりました。
それは、前におじさんが好きな彼女に送った自称自作のフレーズ、おじさんの自作ではなかったんだと初めて知ったティエウは、可笑しくなって笑うのでした。
以上、映画「草原に黄色い花を見つける」のあらすじと結末でした。
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