メインストリームの紹介:2021年アメリカ映画。何者かになりたい人々が集まり、夢と野心が交錯する米国ロサンゼルス。20代のフランキーもまたこの街で、なりたい自分を探してもがくワンオブゼムだった。そんな彼女の憂鬱な日々は、街で出会ったリンクという謎めいたカリスマによって一変する。2人は作家志望の友人ジェイクを巻き込んで、動画制作をスタートさせた。リンクは自らを「ノーワン・スペシャル(ただの一般人)」と名乗り、瞬く間に人気YouTuberに。いつしか「いいね!」は媚薬となり、リンクの人格を変えていく…。監督は、フランシス・フォード・コッポラの孫で、ソフィア・コッポラの姪にあたるジア・コッポラ。著名なYouTuberやインフルエンサーが本人として登場することで現実と隣り合わせの世界を生み出している。
監督:ジア・コッポラ 出演:アンドリュー・ガーフィールド(リンク)、マヤ・ホーク(フランキー)、ナット・ウルフ(ジェイク)、ジェイソン・シュワルツマン(マーク・シュワルツ)、ジョニー・ノックスヴィル(テッド・ウィック)、アレクサ・デミー(イザベル・ロバーツ)、コリーン・キャンプ(ジュディ)ほか
映画「メインストリーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「メインストリーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
メインストリームの予告編 動画
映画「メインストリーム」解説
この解説記事には映画「メインストリーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
メインストリームのネタバレあらすじ:起
夢と野心が交錯する街LA。
20代のフランキーは、さびれたバーで働きながら映像作品をYouTubeにアップし自分を探してはもがく日々を送っていました。
そんなある日、再生回数に悩んでいたフランキーは広場で着ぐるみのバイトをしている男と出会います。スマホを持たない変わり者の男はリンクと名乗り、その話術とカリスマ性にすっかり魅了されたフランキーは、友達で作家志望のジェイクを巻き込んで本格的に動画制作をスタートさせました。
リンクは自らを「ノーワン・スペシャル(ただの一般人)」と名乗り、他人の家へ侵入したり、無断でコルフ場に入って騒いだり、破天荒でシニカルな言動を発信した動画はかつてないほどの再生数と“いいね!”を記録していきました。
そんなある日、有名インフルエンサーのフアンパからコンタクトがあり、リンクとのトーク動画を制作。勢いに乗ったリンクは、視聴者にその日の深夜に墓地に集まるよう呼びかけました。墓場いっぱいに視聴者で溢れているのを見た3人は、自分たちの人気を確信しました。
しかし、その中でジェイクはリンクが男性と言い合いをしている姿を遠くに目撃しました。
メインストリームのネタバレあらすじ:承
翌日、3人はフアンパをマネジメントしているマーク・シュワルツに呼び出され、プロデューサーとしてのオファーを受けます。
早速、番組を立ち上げアイディアを出し合う3人とマーク。
番組は、人生を変える希望を伝えたいと言うマークと、視聴者をSNSから解放させたいと言うリンクのアイディアを合せて企画されていきました。
ちょうどその頃、フランキーの心情にも変化がありました。
ずっと髪の毛で隠していた、自動車事故の傷を、リンクは「傷もきみの美しさの一部」と言いキスしました。この傷のきっかけとなった事故で、フランキーは父親を亡くしていたのです。
リンクの虜になっていくフランキー。
そんな彼女をジェイクは静かに見守っているのでした。
企画はすぐ形になり、YouTube番組「スマホか尊厳か」がスタートしました。
司会は、リンクことノーワン・スペシャル。参加者がスマホを所持しない人生をかけゲームするこの番組は、瞬く間に人気チャンネルとなり大手スポンサーまで獲得していきます。
しかし、刺激的な日々と、誰もが羨む名声を得た喜びも束の間。リンクが他の女性を口説いている様子をフランキーとジェイクが目撃してしまい、3人の関係がぎくしゃくし始めていきます。
それと同時に番組の視聴者数は低下。マークからもバズる企画を要求され、3人は頭をかかえていました。
メインストリームのネタバレあらすじ:転
そんな中、番組にインスタグラマーのイザベルが出演し、リンクは彼女の顔のあざを暴きました。「あざも美しさの一部。世界に見せるべき」とOKボタンを強要するリンク。裏で見ていたジェイクは急いで止めに入りましたが、リンクは泣き叫ぶ彼女を無視してフォロワーたちに画像を配信してしまいます。
この行為に激怒したジェイクはフランキーの前から去ってしまいました。
動画はイザベルの泣く姿がカットされ、自発的にOKボタンを押したように編集され配信。同時に世界中のネットユーザーからの強烈な批判を浴びることとなりました。
その後、リンクはトークショーの名司会者テッド・ウィックを中心に、人気YouTuberやインスタグラマーが集うトーク番組に出演。
出演者たちは、リンクの言動を問題視していました。番組では未編集のイザベルが泣く動画を公開。ついにリンクは狂気じみて大暴れし、さらにイザベルに誘惑されたとまで言い出しました。
もはやリンクの暴走をフランキーも止めることができませんでした。
ジェイクに戻ってほしいと頼みに行ったフランキーは、彼から以前墓地でリンクが揉めていた男は彼の実兄だということを聞かされました。さらにジェイクは新聞の切り抜きを差し出し、リンクは富豪に生まれたものの問題があり放火犯として施設に入っていたことがあった過去を語りました。
リンクが帰宅すると素性を隠されていたことを問い詰めるフランキーでしたが、そんな彼女に生配信のライブが決まったことを語るリンク。フランキーは複雑な面持ちでいました。
メインストリームの結末
しかし事態はよからぬ方向へと向かっていきます。
ライブ当日、イザベルが首つり自殺をしたというニュースが飛び込み、SNSではリンクを非難するコメントが溢れかえっていきました。これまでに共演したフアンパをはじめとするYouTuberたちも一斉に批判動画をアップし、リンクは追い詰められていきます。
それでも配信を止めようとしないリンクにフランキーは失望し、彼のもとを去っていきました。
こうして生配信がスタートしました。
リンクはイザベルへ哀悼のダンスを披露したのち、熱く語り出しました。
「イザベルを死なせたのは自分も悪い。しかしお前らも一緒になって彼女を殺した」と。
リンクは、SNSで発言をする人々は匿名で勝手なことを発信し、互いに殺し合っていると非難。自分はそんな人たちのためにこんな発信をしていると言うのです。
車内で番組を見ていたフランキーでしたが、やがてスマホを起き、イザベルを弔う集会へ歩き出しました。そこにはジェイクの姿もありました。
リンクは続けます。
「俺の本名はアレックス・グッドリッジ。俺の意見に賛成なら“いいね!”してくれ」
観客からは、歓声があがり「ノーワン!」「ノーワン!」とコールが上がりました。
予想外のコールに、不敵な笑みを浮かべたリンクはステージをあとにしました。
以上、映画「メインストリーム」のあらすじと結末でした。
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