ビタルとアリックスの紹介:2015年フランス映画。社会人ラグビーに熱を注ぐ製布工場の職員たちは、職場調査にやって来たアリックスと妻子持ちのビタルが親密になると、やがてギクシャクしはじめてしまう…。
監督:オリヴィエ・ルストー 出演者:クリスタ・テレ、オリヴィエ・ルストー、フローレンス・トマシン、パトリック・デカン、ステファーヌ・リドー、デボラ・グラル、ヴァンサン・マルティネス、ほか
映画「ビタルとアリックス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビタルとアリックス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ビタルとアリックス」解説
この解説記事には映画「ビタルとアリックス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビタルとアリックスのネタバレあらすじ:起・職場改善の調査
ビタルの勤める製布工場の社会人ラグビー部が準決勝まで進み、皆が次の試合へと意気込んでいたところ、社長は人間工学に基づく職場改善のために、若い女性の専門家アリックスを招き、調査のためにと2名の職員に協力するよう求めた。
中堅で主任も務めるビタルがその一人に選ばれ、心拍と仕事の動作の関係などを細かく調べられた。しかし、アリックスが社長の娘だと知ると職員は「クビにする人を選ぶためのスパイでは?」と疑い、ビタルが問いただしに行くと、ビタルの仕事中の動作に見る不調を言い当てる彼女に、あくまで調査のためにそこにいるのだと理解した。
その頃、社長室では納品物が一つ期日に間に合わない事が発覚し、問題になっていた。
ビタルとアリックスのネタバレあらすじ:承・会社に言えない関係
妻のマドとの夫婦関係が冷え切っているビタルは、準決勝で勝った後の祝賀会で、アリックスと踊り、そのまま彼女を家まで送り関係を持った。翌朝、何事なかったように朝帰りをすると、妻のマドは彼の浮気を責めた。
祝賀会での二人の様子を見ていた同僚たちは、社長に知れたら大問題だと言うが、いつものように出社していたアリックスと二人の間には何もなかった事にする約束をした。
しかしビタルが家を出て更衣室で寝泊まりしていると、マドに捨てられたとすぐに噂になった。それからビタルは部室で寝ることにした。
ビタルとアリックスのネタバレあらすじ:転・ギクシャクし始める職場
納品が間に合わなければ、あと15日しか会社は持たないと社長は職員に告げるが、サービス残業は誰もが嫌だと言った。そこで古い機械の回転数を無理に上げさせた。
また、娘のアリックスにビタルとの関係は遊びにしておくようにと、学歴のある彼女と労働者の関係について釘を刺した。
アリックスと行ったバーで彼女があと二週間でモントリオールで勤めると言う話を知り、辛くなる前に帰ると言うビタルに、一緒にカナダに来ないかと誘ったが、彼の答えははっきりしなかった。
ビタルとアリックスの結末:すべてが終わりへ
マドから離婚申し立てを受け、離婚裁判に召喚されたビタルに、夫婦関係修復の余地はなかった。
会社では、アリックスが改定された規格に合わせるべきだと報告書を出した矢先に、工場から警報が響き、無理に回転数を上げた織機で職員が大怪我で倒れていた。
検証もしないで動かすのは危険だと職員がきつく言うと、社長は、死んではいないと暴言を放ち、会社を手放すと宣言した。そして翌日には引継ぎの社長がやって来た。
ビタルはアリックスに、後から行くから先にモントリオールへ行くように言った。彼女はビタルは来ないと思った。
同じ頃、職員たちは、ボスが変わるだけだと、ラグビーの決勝戦に向けて在庫の布で新しいユニフォームを作った。当日、応援にはマドと娘もやって来た。
序盤は善戦するも逆転され、更にレッドカードで一名退場、一人が怪我をし、いつも控えにいたビタルがピッチに入った。一点勝ち越すも、負けてしまい、準優勝になった。
試合後、一人で観客席にいるビタルの横にアリックスが座った。
以上、映画「ビタルとアリックス」のあらすじと結末でした。
ビタルとアリックスのレビュー・考察:会社というコミュニティ
苗字を父親とは変えて自己紹介していたアリックスが社長の娘だと言う事も、恋の噂に至っては二人が秘密にしようと決める前に広がっていた。個人主義と噂好きは別らしく、更衣室でも、どこでも噂話をしている。そして職員だけでなく男性職員の妻たちにまで広まっている。共に作業をしていると言う連帯感や、ラグビーチームで仕事の後も汗を流していると言うチームメイト意識がそうさせるのだろうか。都会から離れた比較的閉塞的なコミュニティは日本のムラ社会にも通じる所があるように思えた。
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