東への道の紹介:1920年アメリカ映画。純真な田舎娘が都会の金持ち男に騙され出産するが赤ちゃんは死ぬ。娘は過去を隠して大農場主の家の女中になって平穏な生活を得たかと思われたが、試練が彼女を待ち受けていた。時代遅れの舞台劇が映画の父グリフィスによって生き生きとしたメロドラマ映画に生まれ変わる。川を流れる氷の上で倒れているリリアン・ギッシュをリチャード・バーセルメスが救出する名高いクライマックス等、命がけの屋外撮影が行われた。
監督:D・W・グリフィス 出演者:リリアン・ギッシュ(アンナ・ムーア)、リチャード・バーセルメス(ディヴィッド・バートレット)、ローウェル・シャーマン(レノックス・サンダースン)、バー・マッキントッシュ(大地主バートレット)、ケイト・ブルース(バートレット夫人)、メアリー・ヘイ(ケイト・ブルースター)、クレイトン・ヘイル(スターリング教授)、ほか
映画「東への道」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「東への道」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
東への道の予告編 動画
映画「東への道」解説
この解説記事には映画「東への道」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
東への道のネタバレあらすじ:起・騙された娘
アンナ・ムーアはニューイングランド地方の、都会から遠く離れた村にお母さんと住んでいました。でも貧しい暮らしのため、アンナはボストンの裕福な親戚、トレモント家に金策に行かなければならなくなりました。
あこがれの都会に来たアンナ。彼女は恥ずかしくてお金の話を切り出せないまま、トレモント家に歓迎されざるお客として滞在します。パーティーで純朴で美しいアンナを見た女たらしのレノックス・サンダーソンはアンナを次の獲物と決めます。彼の本性を知らずにアンナはレノックスのことを好きになります。
アンナはトレモント家から家に帰るようにうながされます。この機会を利用してレノックスは偽牧師を雇ってアンナをだまして嘘の結婚式をします。レノックスはアンナに二人の結婚は絶対に秘密にするように誓わせます。
やがてアンナはお母さんの元に戻ります。レノックスはもう次の女性に目移りし、二人の密会は減っていきます。ですがアンナはある日緊急の用事でお母さんの家にレノックスを呼び出します。
もう結婚を秘密にしていられないというアンナ。子供がお腹の中にいるからです。でもレノックスは、自分たちはそもそも結婚していないという事実を明らかにし、アンナを捨てて去って行きます。
間もなくお母さんが死に、アンナはベルデン村に部屋を借りて赤ちゃんを生みます。でもお医者さんは赤ちゃんが重い病気であると告げます。そして大家さんのマリア・プールは、ご亭主はいつ来るの?とアンナに疑いの目を向けます。そして洗礼を受けないうちに死んだ子供は神様に会えないともったいぶって言います。
夜、アンナは赤ちゃんのために「父と子と聖霊の御名により…」と、自分で洗礼の儀式をするのでした。
赤ちゃんの小さな手はアンナの胸元でやがて冷たくなり、お医者さんは赤ちゃんの死を告げます。大家さんは父親のいない子供を産んだ女を置いておけないと言ってアンナを追い出します。
東への道のネタバレあらすじ:承・大農場主の家
大地主バートレットはのどかなバートレット村の大農場主です。大地主は聖書に則って厳格な人で、奥さんは聖書に則って慈悲深い人でした。二人には夢見がちな21歳の息子ディヴィッドがいました。バートレット家の屋敷の前に、職を求めて歩き続けてきたアンナが現れました。
ディヴィッドはアンナを一目見て運命を感じましたが、大地主は、身寄りはありませんと言うアンナを身持ちの悪い流れ者ではと疑い、雇いたくありません。でも奥さんの意見によりアンナを女中として家に置くことにしました。
さっそく働き始めたアンナでしたが、その晩アンナはお屋敷の前でレノックスと出くわし二人共驚きます。サンダーソン家の地所が近くにあり、レノックスはバートレット家と近所付き合いをしていたのでした。
その晩も大地主夫婦や、大地主の姪でボストン旅行から今日帰ってきたケイト(ディヴィッドの許婚です)、夏の間バートレット家に逗留している蝶々の研究者スターリング教授、ご近所の中年女性マーサ・パーキンス、マーサを20年間恋し続けているけれど振り向いてもらえないセス・ホルコムとレノックスは夕食の食卓を囲みます。ここにはいられないぞとレノックスからアンナは脅されます。
東への道のネタバレあらすじ:転・秘密が知られる
アンナはバートレット家の仕事に慣れ、大地主もすっかりアンナを気に入ります。夏の日の午後、川の側で、アンナこそ自分が夢見ていた処女と信じるディヴィッドはアンナに、君を愛していると言いますが、人に言えない過去のあるアンナは、二度とそんなことはおっしゃらないでと答えます。
雪の降り積もる冬が来ました。今晩は納屋を会場としてダンスパーティーがあり、アンナはそのための買い物に行きます。ケイトに夏に一目ぼれした教授は冬でもバートレット家を訪問しますが、なかなかケイトと二人きりになれません。
女性たちが食料品店の隣の編み物クラブに集まっています。今日はかつてのアンナの大家のマリアもベルデン村から来ていますが、窓の外にアンナの姿を認めて驚きます。マーサ・パーキンスは大地主バートレットの所にいるアンナよと教えますが、マリアは私のところではレノックス夫人と名乗っていたという話を始めます。
アンナとアンナがパーティーに行かないのでパーティーに行く気をなくしたディヴィッドを家に残して、村人はパーティー会場の納屋に移動します。おしゃべりなマーサはアンナのスキャンダルを話したくてうずうずしているのですが、告げ口はいけないとも思い迷っていましたが、とうとう口を開きます。アンナの過去を知り大地主は激怒します。
東への道の結末:流れる氷の上
翌日、大地主はベルデンにマリアを訪れ、アンナが彼女の下宿で父親のいない子を産んだことを確認します。そのころバートレット家には花をもってレノックスが、彼が次の獲物と狙うケイトを訪れ、教授は気が気でありません。
レノックス、マーサ、ケイト、教授、そしてバートレット夫人が夕食の食卓についた頃に大地主が帰ってきて、アンナにお前の用意した食事など食べたくない、荷物をまとめてすぐ出て行けと命じます。
ちょうど家畜小屋から来たディヴィッドは、この女は夫がいないのに子供を産んだと言う父親に怒り殴りかかりますが、アンナがそれを事実と認めたので愕然とします。しかしアンナは、それは全て、この場にいるレノックスのせいであると叫んでからコートを着ただけで外へ出ていきます。
外は猛吹雪に。ディヴィッドはアンナが彼女の部屋にもういないのを知り、心配して捜しに出ます。彼は、捜索隊を募るために立ち寄った小屋に後から入って来たレノックスを殴り倒します。
アンナは雪原をさまよい、吹雪が止む頃に、川に張った氷の上で失神してしまいます。氷は川を流れ、その先には大きな滝があります。アンナのコートが落ちているのを見つけたディヴィッドは川の氷を次々ととびうつってアンナを捜し、間一髪、滝つぼに落ちる前にアンナを見つけ彼女を抱きかかえて小屋に運びます。
大地主と隣人たちは小屋に集まり、朝になって目覚めたアンナに大地主は許しを請います。レノックスも目を覚ましてアンナに今更結婚しないかなどと言いますが、もちろん無視されます。
やがて村ではケイトと教授、マーサとセス・ホルコム、そしてアンナとディヴィッドの三組の結婚式が同時に行われるのでした。
以上、映画「東への道」のあらすじと結末でした。
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