潜水艦クルスクの生存者たちの紹介:2018年ルクセンブルク映画。2000年に実際に発生したロシアの原子力潜水艦クルスクの沈没事故を、ロバート・ムーアのノンフィクション本「ア・タイム・トゥ・ダイ」を基に映画化した作品です。軍事演習中に事故を起こしたクルスク、乗組員118名の運命を、クルスクを率いた司令官や救助にあたろうとした英国軍准将の視点から描いていきます。
監督:トマス・ヴィンターベア 出演:マティアス・スーナールツ(ミハイル・アヴェリン第7区画司令官)、レア・セドゥ(タニヤ・アヴェリーナ)、コリン・ファース(デヴィッド・ラッセル准将)、アルテミ・スピリトノフ(ミーシャ・アヴェリン)、ペーター・ジモニシェック(アンドレイ・グルジンスキー将軍)、マックス・フォン・シドー(ウラジーミル・ぺトレンコ指令長官)、マティアス・シュヴァイクホファー(パーヴェル・ソニン)ほか
映画「潜水艦クルスクの生存者たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「潜水艦クルスクの生存者たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「潜水艦クルスクの生存者たち」解説
この解説記事には映画「潜水艦クルスクの生存者たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
潜水艦クルスクの生存者たちのネタバレあらすじ:起
2000年。ロシア海軍北方艦隊の軍人ミハイル・アヴェリンは原子力潜水艦クルスクの第7区画司令官として乗員118名とともに艦に乗り込みました。クルスクは大規模な軍事演習に参加するべく出航しました。
軍事演習が始まり、その時点で演習用の魚雷の温度が通常よりも高いことが発覚しましたが、特に誰も気にすることはありませんでした。その後も魚雷の温度は異常に上がり続け、異変を察知した乗組員は艦長に予定よりも早く魚雷を射出すべきだと訴えましたが聞き入れられませんでした。
その直後、問題の魚雷は突如爆発。さらにもう1本の魚雷も爆発しました。艦内は大混乱に陥りました。爆発の衝撃は非常に凄まじく、ロシア海軍の動向を注視していた英国海軍のデヴィッド・ラッセル准将は地震でも発生したのかと感じるほどでした。
潜水艦クルスクの生存者たちのネタバレあらすじ:承
ミハイルは各区管に連絡を取り、生存者がいるか確認を取りました。艦の一区画に集められた生存者はわずか23名しかいませんでした。ミハイルは混乱している生存者を落ち着かせて冷静に状況を確認させ、まずはポンプを修理して当面の酸素を確保しました。
ロシア艦隊は突然の爆発事故を受け、無人探索機を飛ばして爆発状況と生存者の安否の確認を開始しました。演習に参加していた全艦隊は全てのエンジンを停止し、何か物音がしないか確認したところ、クルスクから生存者がいることを知らせるハンマーの音がコツコツと鳴り響きました。海軍本部はただちに救助艦を用意しました。
同じ頃、英国海軍もクルスクに生存者がいることを確信し、デヴィッドはノルウェー海軍など各国の海軍と連携して人命救助の体制を整えていきました。ロシアの保有する救助艦はたった3隻、しかも1隻は沈没して使用不可、1隻は民間に払い下げられ、残る1隻はとても救助活動が可能とは思えない旧式のものでした。
やがて演習の海域に救助艦が到着し、早速救助活動を開始しましたが、旧式の装備ではなかなかクルスクに接近することもままならないことでした。そのうちに救助艦のバッテリーもみるみるうちに減っていき、一旦救助活動を断念して浮上してしまいました。
クルスクの生存者たちは救助艦が来たことに安堵したものの、ぬか喜びに終わりました。ミハイルは絶望する乗組員たちに必ず救助隊が現れると励まし続けました。
潜水艦クルスクの生存者たちのネタバレあらすじ:転
ミハイルの妻タニヤは息子たち家族と共に本国で夫の帰りを待っていました。クルスクで何らかの異変があったらしいと聞き付けたタニヤは軍を訪れ、状況を教えてほしいと頼みましたが、軍幹部は調査中のため詳細は話せないと追い返しました。しかし、タニヤの夫を想う気持ちに心を打たれた海軍軍人のひとりがタニヤのもとを訪れ、クルスクに生存者がいることを伝えました。
そのことを知ったタニヤは同じく演習に参加していた軍人たちの家族にも伝え、軍が開いた会見の場に出向きました。しかし、軍幹部は事故とは全く無関係の内容を読み上げることに終始し、タニヤは涙ながらにクルスクの現状を知りたいと訴えました。タニヤの行動を受けて他の人々も真相究明を求める声をあげましたが、軍幹部は一切答えることなく会見場から立ち去っていきました。
その頃、救助艦は再びクルスクの救助活動に乗り出していましたが、またしても上手くいかずに断念を余儀なくされていました。状況を察知したデヴィッドはマスコミを通じて、英国海軍はいつでも救助できる準備はできているとしてロシア軍に救助要請を求めました。
このニュースはロシア本国でも報じられましたが、ロシア当局は原子力潜水艦であり軍事機密の塊でもあるクルスクを他国に触らせるべきではないとし、必要があれば要請するが現時点では要請の必要はないと判断してしまいました。
潜水艦クルスクの生存者たちの結末
爆発事故からかなりの時間が経過し、クルスク艦内の酸素の残り少なくなっていました。乗組員たちは寒さに打ちひしがれ、既に諦めと絶望の表情が浮かんでいました。
クルスクと共に演習に参加していた司令官のひとりは軍上層部の意向を無視し、独断で英国海軍に救助要請をしました。これを受けたデヴィッドはノルウェーの地元のダイバーたちを集めて救助艦に乗せ、現場へと向かわせました。
このことを知った軍上層部は別の司令官を用意し、数時間で救助に迎えるというデヴィッドに対し、現在ロシアの救助艦が救助活動を行なっているので今は必要ないと告げました。
その頃、現場ではロシアの救助艦が3度目の救助活動を行っていましたが、またしてもクルスクへの接触に失敗して救助活動を断念していました。これを見た軍上層部も遂に重い腰を上げ、英国海軍にようやく救助要請を出しました。既に爆発事故から数日が経っていました。
ようやく英国の救助艦がクルスクへの接触に成功し、内部の様子を確認しました。既に艦内は浸水しており、ミハイルをはじめ生存者は既に全員死亡していました。
以上、映画「潜水艦クルスクの生存者たち」のあらすじと結末でした。
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