秘密の森の、その向こうの紹介:2021年フランス映画。大好きなおばあちゃんを亡くし、両親と共に森の中に佇む祖母の家を訪れたネリー。母が少女時代を過ごしたこの家を片付けることになったのだ。しかし母は思い出の詰まったこの土地に耐えられず何も言わないまま出て行ってしまう。残されたネリーはかつて母が遊んだ森を探索するうちに、自分と同じ年の少女と出会う。彼女の名前は母と同じ「マリオン」。彼女の家に行くと、そこは“おばあちゃんの家”だった。ネリーとマリオンはたちまち友情を深めていく。やがて意を決したネリーは「私はあなたの娘なの」と打ち明ける。スタジオジブリの作品にインスパイアされたとシアマ監督自身が語る子供たちのナチュラルな演出と、痛みを抱えた娘・母・祖母の三世代の時空を超えた出会いが壮大な物語を作っていく。
監督:セリーヌ・シアマ 出演:ジョセフィーヌ・サンス(ネリー)、ガブリエル・サンス(マリオン)、ニナ・ミュリス(ネリーの母マリオン)、ステファン・ヴァルペンヌ(父)、マルゴ・アパスカル(祖母)ほか
映画「秘密の森の、その向こう」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「秘密の森の、その向こう」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「秘密の森の、その向こう」解説
この解説記事には映画「秘密の森の、その向こう」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
秘密の森の、その向こうのネタバレあらすじ:起
最愛の祖母を亡くした8歳のネリー。遺品の片付けのため両親と共に、かつて母が少女時代を過ごした森の中に佇む祖母の家を訪れました。
祖母は何もかも保管しており、思い出の品々を見ては蘇る思い出に複雑な表情を浮かべる母はまだ過去を整理することができずにいました。
その日の夜中に目が覚めたネリー。リビングで寝ている母のもとへ行き「さよならを言えなかった」と嘆きます。母は優しく抱きしめてくれました。
翌朝、父から「ママは黙ってどこかへ出ていった」と聞かされ、ネリーはショックを受けました。しかし悲しそうな父を見たネリーは明るくふるまい笑顔を作るのでした。
秘密の森の、その向こうのネタバレあらすじ:承
森を探索していたネリーはひとりの少女と出会いました。少女はネリーを見て「手伝って」と言い、一緒に枝を運ぶとそこには作りがけの“小屋”がありました。それは場所も形も母が子供の頃作ったとネリーに教えてくれた隠れ家でした。ネリーが名前を尋ねると少女は母と同じ「マリオン」と名乗りました。
雷雨が森を襲いました。マリオンに誘われて彼女の家へと走りました。しかし家の前まできて、思わず立ち止まるネリー。そこはおばあちゃんの家だったのです。中に入ると、キッチンもトイレも同じ。そっと覗いた部屋の机には昨日見た母の思い出のノートもありました。
そして別の部屋にはマリオンの母、つまりネリーの祖母らしき人が眠っていました。驚いたネリーは「帰らなきゃ」とマリオンに告げ大急ぎで森の反対側へ帰りました。そこにはネリーの知るおばあちゃんの家がきちんとあるのでした。
秘密の森の、その向こうのネタバレあらすじ:転
翌日もネリーはマリオンと森で遊びました。マリオンはネリーと同じ8歳であることも分かりました。その後、マリオンの家へ行きゲームで遊んでいるとマリオンの母が現れ、外で遊んでいたことをとがめました。
実はマリオンは3日後に脚の手術を控えていたのです。マリオンの母は杖がないと歩くことができませんでしたが、マリンも今手術をしないと同じ病気になるというのです。ネリーはおばあちゃんの脚の痛みを知っているので心を痛めました。
その次の日もふたりはマリオンの家で遊びました。しかし、遊んでいるうちにそれぞれの不安が溢れてきます。「ママが出て行ったの」そう打ち明けるネリーに「大丈夫、必ず戻ってくるよ」と励ますマリオン。今度はマリオンが「手術が怖い」と呟けば、ネリーは「大丈夫」と思いやりました。
翌日、森で待ち合わせしたふたり。ネリーは思い切ってマリオンに言いました。「私はあなたの娘なの」と。驚きを隠せないマリオンに証拠を見せるためにネリーはおばあちゃんの家へ連れて行きました。家の前まで来てみるとやはりマリオンも立ち止まりました。
ネリーはおばあちゃんからもらった杖をマリオンに見せ、母親を深く愛していたと伝えました。
そこへ父が帰ってきました。片付けが早く終わったため、予定を繰り上げて今日ここを出ようと言うのです。明日は母の誕生日。そして手術を控えたマリオンと一緒にいれる最後の日でもありました。マリオンの家に泊まりたいというネリーに父は快諾してくれ、ふたりはマリオンの自宅へと戻りました。
秘密の森の、その向こうの結末
ふたりはマリオンの家へ戻ると、マリオンの母と一緒にマリオンの9歳の誕生日を祝いました。夢のようなひとときを過ごした後、ふたりは一緒のベッドで眠りにつきました。
翌日、ネリーは病院へ出発するマリオンにハグをしてお別れを告げ見送りました。
ネリーは再びおばあちゃんの家へ戻ってきました。
荷物を運び出して空っぽになったリビングには、母がぽつんと座っていました。
「ごめんね」と謝る母。
「マリオン」ネリーは母を名前で呼びました。
ふたりは互いに微笑み、固く抱き合ったのでした。
以上、映画「秘密の森の、その向こう」のあらすじと結末でした。
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