ティ・マイ 〜希望のベトナム〜の紹介:2017年スペイン映画。娘の遺品から養子縁組をしようとしていた事を知ったカルメンは、娘の代わりに子供を迎えようと、二人の友人とベトナムへ。苦悩を抱えた女性たち異国の地で、新しい一歩を踏み出すドタバタコメディ。
監督:パトリシア・フェレイラ 出演:カルメン・マチ、アドリアナ・オソレス、アイタナ・サンチェス=ギヨン、ダニ・ロビラ、エリック・グエン、ペドロ・カサブランク、ホセ・トロンコソ、ホセ・ブルゴス、アナ・ロペス、ペドロ・ミゲル・マルティネス、グエン・ナン・ハ、ほか
映画「ティ・マイ 〜希望のベトナム〜」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ティ・マイ 〜希望のベトナム〜」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ティ・マイ 〜希望のベトナム〜」解説
この解説記事には映画「ティ・マイ 〜希望のベトナム〜」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ティ・マイ 〜希望のベトナム〜のネタバレあらすじ:娘が残したもの
マリアを交通事故で亡くしたカルメン。唐突な知らせに沈む彼女の元に届いたマドリードから娘の遺品の中には、養子縁組紹介所のピラールという人からのメッセージが残されたスマートフォンが入っていた。
娘がベトナムの子供と養子縁組をしていた事を知り、カルメンは娘の代わりに決まっていた養子のティ・マイを迎えようとするが、夫のハビエルは大反対。それでも娘の遺志を継ぎたいカルメンは、娘本人ではないと引き取れないと紹介所に釘を刺されながらも、最近長年勤めた銀行から早期退職をさせられたエルビラと、世話焼き主婦のロサの友人2人を連れて、ベトナムに飛んだ。
空港で彼氏と同棲しに来たと言うアンドレスの助けもあり、カルメンたちはなんとか現地ガイドのダンが率いる養子縁組のツアーに参加した。
ティ・マイ 〜希望のベトナム〜のネタバレあらすじ:代理引き取りはできるのか
代理の引き取りはできないとダンに孤児院へ連れて行ってもらえない三人は、自転車でツアーバスを追い、孤児院へ潜入、話だけでもしたいと食い下がるが、上司と掛け合ってみるとだけ言われて帰されてしまった。
一方、空港で出会ったアンドレスの件の恋人は、既に引っ越し済みだった。路頭に迷う彼だったが、ハロン湖の観光船でガイドをしている恋人を発見し、小舟で追いかけて問い詰めると、彼は既に女性と結婚していた。それを聞いたアンドレスは船上で暴力をふるってしまい、その晩、尋問を受けて拘留された。
ダンから、マリアが書面で自分が死んだ時のための後見人にカルメンを指定していれば、引き取る事ができるという回答を貰い、ハビエルに確認を頼むが取り合ってくれず、カルメンはホテルでヤケ酒を煽った。初めてのカジノを楽しむロサを横目に、エルビラはプレゼントの人形を渡すまで逃げてはだめだと、カルメンを叱咤した。
ティ・マイ 〜希望のベトナム〜のネタバレあらすじ:あの手この手
翌日、カルメンはツアーの前にこっそり一人で孤児院を訪れ、ホテルのロビーに二人が集合していない事をダンが怪しみ、エルビラとロサはミサに行っていると嘘をつき、後でドンスアン市場でと約束をした。
カルメンは壁を乗り越え、ティ・マイに人形を渡すと、職員に見つかるも、なんとか外に戻り、三人はタクシーでドンスアン市場に向かった。しかし、ベトナム語を間違えて田畑(ドン)の真ん中に降ろされてしまった。途方に暮れる三人は田仕事をしている女性たちに声を掛け、食事で犬肉を食べそうになるハプニングに見舞われつつ、なんとかトラックの荷台に乗せてもらい市場に向かった。
市場にいたダンはトラックの荷台から降りて来た三人を見て、訝しんだが、大道芸でスペインまでの旅費を稼ごうとしているアンドレスを見つけ、再会を喜ぶ三人と話す彼の顛末を聞き、ダンは気晴らしにカラオケバーに連れて行った。
その頃、スペインのハビエルは、店に娘が作った「おじいちゃん」と書かれたTシャツを見つけ、紹介所を訪れると、後見人に関する意思はあるが書面が無く、ハノイの市役所に問い合わせると養子縁組は白紙に戻すという回答しか得られなかった。
ティ・マイ 〜希望のベトナム〜の結末:最後の手段
他のグループの引率があるダンの代わりに、通訳としてアンドレアスを雇った三人は直接市役所を訪れ、娘の意思を伝えた。しかしスペインで一から縁組をやり直すようにと言われるばかりで、ロサがカジノで儲けたお金を出そうとすると、係の職員は激怒し全員つまみ出されてしまった。
最後の頼みで、式典中のスペイン大使に事情を話すと、配偶者がいればまだ希望はあったと聞き、急遽アンドレスを夫役とし、ハビエルはスペインの教会でマリアとアンドレスの婚姻届を作ってもらえるよう神父に頼み、すべてはうまくいくように思えたが、アンドレスの事情を知るダンに見抜かれ、カルメンは帰国を決めた。
最後の夜、ダンはエルビラと一緒にバーへ行き、自分が戦争孤児だということを打ち明けた。そして改めてマリアが残した養子縁組の希望書類を読み返し、カルメンたちの嘘に乗ることにした。
翌日、孤児院へ行くと、ティ・マイは既に別の里親への手配が始まっていた。そこで、実は役者のアンドレスは写真を見た時から家族同然だと涙ながらに訴え、ティ・マイを無事に引き取る事に成功した。
エルビラはダンと共にベトナムに残り、他の三人はティ・マイを連れて帰国した。空港ではハビエルとロサの夫が待っており、外で仕事をする事に渋る夫に、ロサは離婚を言い渡した。
以上、映画「ティ・マイ 〜希望のベトナム〜」のあらすじと結末でした。
ティ・マイ 〜希望のベトナム〜のレビュー・考察
養子を迎える事がけして珍しくはないお国柄なのは知っていましたが、養子縁組のためのツアーまで組まれていたりと言うのはまったく知らず、びっくりしました。
娘が縁組をしようとした子供を、自分の孫のように思っているというようなセリフや、父ハビエルのために娘が用意していた「おじいちゃん」と書かれたTシャツに、養子縁組をした親と子の関係だけでなく、両親を含めて養子を迎えて愛情を注ごうとしていたのが見て取れ、養子なら誰でもいいわけではなく、まして新しく手続きをするのではなく、あくまでも娘が迎えようとしていたティ・マイにこだわりたい理由が分かる。
遺品が届いていた時点で、カルメンにとってティ・マイは娘が残した忘れ形見だったのだと思う。
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