決断の紹介:1959年アメリカ映画。「死刑執行人」と仇名される連邦保安官補が逮捕しに来た「容疑者」は誰もが愛する善人だった。保安官補の選択は? MGMの二枚目スターとして長年活躍したロバート・テイラーが主演し、ワーナーブラザーズを支えてきたマイケル・カーティスが監督したパラマウント映画の西部劇。脚本は『駅馬車』のダドリー・ニコルズ。ただ一人容疑者の顔を知る美女を『神の小さな土地』で映画デビューしたティナ・ルイーズが演じる。
監督:マイケル・カーティス 出演者:ロバート・テイラー(マック・ボバード), ティナ・ルイーズ(シーラ・ジェニソン), フェス・パーカー(バック・ウェストン)、ジャック・ロード(ビショップ/バタフィールド)、ジーン・エヴァンス(マーフィ)、ミッキー・ショーネシー(アル)、シャーリー・ハーマー(キティ・ビショップ)ほか
映画「決断」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「決断」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「決断」解説
この解説記事には映画「決断」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
決断のネタバレあらすじ:起・容疑者を知る女
ハングマン(死刑執行人)と仇名される、この道20年の連邦保安官補ボバードが2年前の銀行強盗事件の4人の容疑者の一人、ジマーマンを逮捕する。一味の残る一人、ジョン・バタフィールドはノース・クリークにいるという情報が入っているが、逮捕するためにはジマーマン以外の、彼の顔を知る人が必要である。
ボバードはバタフィールドが兵士として勤務していたケントン砦に行くが、兵士にバタフィールドの面通しをしてもらうための許可が下りるのに時間がかかること、許可があっても好人物だったバタフィールドの逮捕を望む者はいないだろうということがわかる。
これではバタフィールドが共犯者であると証言する前にジマーマンが処刑されてしまうだろう。しかし一人の兵士が、夫がバタフィールドの親友だったシーラの話をする。彼女は結婚してすぐ、兵士だった夫が先住民に殺され、今は砦で洗濯女をしている。
シーラは、バタフィールドは悪いことのできる人ではないと言うが、ボバードは彼女のみすぼらしい部屋を見て、このまま年を取るか売春婦になるかどちらかだから銀行が払う報奨金の500ドルを手にして生活を再建しろと勧める。駅馬車の切符をシーラに与えてボバードは先にノース・クリークに行った。
ノース・クリークでボバードは保安官のウェストン以外には自分の正体を隠し、ウェストンの協力を得て捜査を進める。運送会社の荷馬車の御者の一人、ジョニー・ビショップがバタフィールドの人相に一致する。しかし、ビショップは誰からも評判が良い。しかも彼の妻キティには子供が生まれようとしていた。
ところが、ホテルの部屋をとってあるのに、いつまでたってもシーラは来ない。500ドルもらえても友人を売らない人間がいるのは意外だった。しかし、とうとうシーラが駅馬車を下りてきた。でも彼女はまだ迷っていた。
決断のネタバレあらすじ:承・面通し
ビショップに気づかれない場所からシーラがビショップを見てそれがバタフィールドならハンカチを落とすという手はずになる。だが、彼を見てもシーラはハンカチを落とさなかった。シーラがバタフィールドをかばっていると疑うボバードは、明日はビショップが歩く側に立てと言う。
シーラは隙を見て、ビショップの仲間にビショップへの手紙を託す。確かにビショップはバタフィールドだった。
翌朝、薄汚れた服しかないシーラが服を買えるようにボバードが渡した金で新しいドレスを身に着けたシーラにボバードも見違える。彼女が歩くのに男たちは目を見張るが、ビショップは手はずどおり彼女の前を素通りした。
それでもビショップがバタフィールドであると確信するボバードは、前日ビショップにぶちのめされた、御者仲間だが乱暴者のマーフィを使ってバタフィールドを逮捕しようと考える。
ボバードがシーラに親身になる一方、ウェストンは、一生ここで暮らさないかとシーラに求婚する。しかし、その夜、ボバードが警戒した通りシーラはバタフィールドの家に行った。マーフィの証言でボバードが翌朝バタフィールドを逮捕するつもりだと教えるためである。
バタフィールドはシーラに、強盗の逃走用に使うとは知らずに馬を用意しただけであることを話す。その時シーラを追いかけてきたボバードがビショップの同僚で友人のペドロに発砲される。ボバードは腕にけがをするが、ホテルに帰ったシーラを部屋に監禁する。
決断のネタバレあらすじ:転・バタフィールド逮捕
翌朝シーラは、バタフィールド逮捕をじゃまするため、ボバードの手錠の鍵を隠してわざと自分の腕を手錠でボバードの腕につなぐ。しかたなくボバードはシーラと手錠でつながったままホテルの向かいの運送会社へ行く。
ボバードはバタフィールドと妻が積み荷に隠れて逃亡を図ったと考えるが、ウェストンがどの馬車を調べても隠れていない。考えられるのはいち早く出発したマーフィの馬車だけ。ボバードはシーラと手錠でつながったまま馬に乗ってマーフィの馬車を追いかける。
やはりマーフィがボバードを裏切ってバタフィールド夫婦を積み荷に隠していた。バタフィールドはとうとう逮捕されて保安官事務所の牢屋に入れられる。
決断の結末:それぞれの決断
ボバードの仕事は逮捕だけで、有罪かどうかを決めるのは陪審員なのだが、バタフィールド逮捕によりボバードは街の人たちの憎しみを買ってしまう。シーラもボバードをなじる。ボバードはシーラに自分が連邦保安官補になったいきさつを話す。
カリフォルニアで弁護士を開業しようと思って兄と旅をしたが、馬車が強盗に遭って兄が殺される。保安官が強盗団の逮捕に及び腰なので自ら連邦保安官補になって兄を殺した者たちを逮捕した。それから人々に必要とされて仕事を続けているうちにうたぐり深い人間になってしまったのだった。
だが報奨金をぶらさげられてもバタフィールドを売らないシーラを見て人間不信が治りつつあった。そしてシーラの人生の再出発を願っていた。
御者仲間のアルがバタフィールドの牢屋の窓の柵を馬車で引っ張ると壁が壊れて、そこから外に出たバタフィールドは用意されていた馬で逃げる。ボバードは銃をバタフィールドに向けるが、シーラの “No”という叫びを聞いてわざとバタフィールドを外して撃った。
ボバードは職を辞してカリフォルニアに行くことにする。旅立つ前に、シーラに今後の計画をたずねる。おそらくウェストンと結婚すると思われたが、シーラはカリフォルニアに行くと言う。駅馬車に乗って去って行くボバードとシーラをウェストンは手を振って見送る。
以上、映画「決断」のあらすじと結末でした。
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