ウィー・ニード・トゥ・トークの紹介:2016年スペイン映画。恋人と結婚するために別居中の夫と離婚したいヌリヤは、とある誤解から嘘をついてしまい、両親や周りを巻き込んだ大嘘になっていく。果たしてヌリヤは恋人との新生活を手にすることができるのか?
監督:ダビド・セラーノ 出演者:ウーゴ・シルバ、ミシェル・ジェネ―ル、エルネスト・セビーリャ、ベレン・クエスタ、オスカー・ラドイレ、イライ・クレルビッチ、ヴェロニカ・フォルケ、ルイス・ハスペ、ボルハ・ルナ、ホセ・ルイス・マリン、ほか
映画「ウィー・ニード・トゥ・トーク」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ウィー・ニード・トゥ・トーク」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ウィー・ニード・トゥ・トーク」解説
この解説記事には映画「ウィー・ニード・トゥ・トーク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ウィー・ニード・トゥ・トークのネタバレあらすじ:起・転落カップル
夫婦だったホルヘとヌリヤは、リーマンショック前に投資として田舎のセセーニャに買った物件が暴落し義父母に手痛い損失をさせたことが原因で、別居をして二年。ヌリヤは新しい恋人ヴィクトルにプロポーズされたが、結婚するにはホルヘとの正式な離婚がまだだった。
銀行員時代の上司ルーカスと同居し、民泊をしながら貧乏暮らしのホルヘは、ヌリヤからの呼び出しに応じるが、洗濯物を引き上げようとしてバルコニーから転落、ルーカスからの連絡で飛び降り自殺と誤解したヌリヤは、彼にショックを与えてはならないと「離婚」を切り出せず、見舞いに行って昔のようにヌリヤとヌリヤの両親と食事がしたいという願いを聞いてしまった。
現在別居中の両親は食事を拒否したが、離婚を切り出すため、ホルヘとはこれきりと言う条件で食事会をする事にした。
ウィー・ニード・トゥ・トークのネタバレあらすじ:承・嘘の始まり
快適ライフを見せつけたいヌリヤは、高級ハムやシャンパン、衣装や家具を用意した。しかし別居していた両親は夫婦喧嘩を始めてしまい、ヌリヤと関係を修復したいホルヘはヌリヤの母にかつて投資話を勧めたことを謝った。
富裕層を気取りたいヌリヤの父ミゲルは仕事について聞かれると、清掃係として入っている保険会社の重役になったと嘘をついてしまった。そして現在無職のホルヘの履歴書を送りたいという願いを受けてしまった。
転機が訪れたと確信したホルヘは、同居人ルーカスの首を絞めて自慰の残骸を民泊客の前で叱った後、二人で履歴書を出しに行った。
同僚のヨランダの機転で、空き会議室を借りたミゲルは、ヨランダを人事部長役にして、重役らしく対応した。そして、今まで小さな印刷会社の社長だったミゲルが大手企業の重役であることが信じられずにいるホルヘに、別荘での食事会を提案した。
ウィー・ニード・トゥ・トークのネタバレあらすじ:転・雪だるま式嘘
ルーカスが勝手に打ったショートメッセージを不審に思ったヌリヤは、ホルヘの部屋を訪ねるものの、首絞め自慰を試そうとしていた彼を、首吊り自殺と勘違いしてしまい、いよいよ嘘だと言い出せなくなってしまった。そして、彼を励まそうと外で散歩をし、恋人時代にベンチに彫ったJXNF(ホルヘとヌリヤは永遠)を見つけると、また会う約束をしてしまった。
嘘面接には協力者のヨランダが断るはずが、ホルヘのスピーチに感動し採用すると言ってしまい失敗。ヌリヤの母は、ホルヘの方から離婚を切り出させようと、性悪女の振りを提案。ヌリヤはレストランデートで店員への横柄な態度し、厨房で謝り倒しながら支払いやチップもホルヘの見ていない所で渡し、嘘の食い逃げまでして嫌われようとした。
しかし、それを自由で正直だと惚れ直したホルへは、関係をゼロにしてから始めたいと、離婚契約書を渡し、離婚の日取りを決め、本当の無銭飲食をし、隠れた証明写真機の中でうっかりキスをしてしまった。
ウィー・ニード・トゥ・トークの結末:湖畔での逆転劇
離婚に進んだ事をヴィクトルや両親と喜んでいると、父と約束をした湖の別荘に到着したホルヘから電話で離婚を撤回したいと言われ、これ以上取り繕えない本当の事を言おうと、ヌリヤとその両親は既に売った別荘の鍵を今の所有者から借りて向かった。ホルヘはボートを出し、ヌリヤの父に指輪も用意している事を話した。
一人で待つヴィクトルは、ヌリヤの携帯にホルヘからキスをした事が書かれたメールを見つけ、ヌリヤを問い詰めるために隣人として別荘で過ごそうとする彼らと合流。さらに、ヨランダとデートの約束をしたルーカスが清掃係の恰好の彼女を見つけてしまい、真相が明らかになり、別荘の住所を聞き出した二人も合流した。
ヌリヤの父はホルヘが渡そうをしていた指輪を結婚記念日の品として、自分の妻に渡した。しかし、そこにはホルヘとヌリヤにしかわからない「JXNF」の文字が刻印され、意味を答えられないでいると、察したホルヘは「夢で会いましょう」と言う意味だと言った。
自殺をされるのが怖くて嘘を重ねた事を明かしたヌリヤは、いたたまれなくなりホルヘとその場から逃げようと言うも、転落も首絞めも誤解だと今度はホルヘの方から明かされ、すべてを投げ出し湖畔の焚火を見ながら、追いかけてこない事が悲しくて一人で泣いた。そこへ別の道から到着したホルヘはヌリヤの隣に座った。
以上、映画「ウィー・ニード・トゥ・トーク」のあらすじと結末でした。
ウィー・ニード・トゥ・トークのレビュー・考察:積み重なる嘘と誤解
表題に反して、話せば話すほど、内容がこじれて嘘が雪だるま式になっていく様は、正に口は災いの元。それもこれも、ホルヘもヌリヤもお互いに今の状況を快適だと見栄を張りたいが故。失業中のホルヘは元行員で、大会社に臆することなく履歴書を提出でき、スペイン語圏では重宝される英語の使い手。職に就ける機会さえあればその能力を発揮できるが、リーマンショックの波はスペインも例外ではない。おもしろいのは、ヌリヤの恋人ヴィクトルが、旧植民地のアルゼンチン人で、景気低迷中のスペインも辣腕を発揮しリッチな暮らしをしているという皮肉。その彼からヌリヤを取り戻すのは、うがった見方をすれば旧宗主国面目躍如かもしれない。
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