迷えるオトナたちの紹介:2014年スペイン映画。郊外に引っ越し第二子を望むも、うまくいかないルイサとアルベルト。ネット恋愛依存のサラ。若い恋人と恋愛を謳歌するフアン。スペインの家族事情と恋愛事情の垣間見える群像劇。
監督:アルファロ・フェルナンデ・アルメロ 出演者:ラウール・アレバロ、インマ・クエスタ、アルベルト・サン・フアン、カンデラ・ペーニャ、キティ・マンベール、イレーネ・エスコラル、ペポ・オリバ、ほか
映画「迷えるオトナたち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「迷えるオトナたち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「迷えるオトナたち」解説
この解説記事には映画「迷えるオトナたち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
迷えるオトナたちのネタバレあらすじ:起・それぞれの恋の仕方
夫のアルベルトと郊外へ引っ越したルイサは、二人目の子供を望みつつも、夫の執筆活動を支え、服飾学校を営んでいた。作家でナイーブな夫は郊外の寒さに慣れず、夫婦生活はなかなかうまくいかない。その一方で、彼女の母親は恋人と別れ都心に引っ越し、独身の姉サラはSNS依存の恋愛ばかり。
アルベルトの兄フアンは既に離婚し、現在は若い恋人に夢中だが、父親の介護に疲れた母親が介護施設に父親を入れようとすると、介護経験もないのに大反対。
それぞれがギクシャクする中、ルイサは姉のために夫の友人のパコを紹介してもらい、サラとパコは意気投合。初対面のパコに「愛してる」と言ってしまったサラは彼と一夜を過ごし、電話番号と次に会う約束を貰った。
その頃、元妻に恋人の存在を疑われたフアンは、思わずナタリアの存在を隠してしまった。
迷えるオトナたちのネタバレあらすじ:承・別居の危機?
他のカップルを取り持つも、自分たちは夫婦喧嘩に発展してしまったアルベルトとルイサ。思索に耽るばかりのアルベルトは、ひょんなことから近所の羊飼いの手伝いをする事に。
そして、父親を介護施設に連れて行くがいたたまれず、父を連れて自宅に連れてきてしまいルイサとの仲は悪化。兄の所で飲み明かしているうちに、ルイサは息子を連れて母親の所へ何日か身を寄せると連絡をよこした。
その頃、サラは振舞った料理にパコがこぼした「こんな料理が食べたられるなら結婚したい」という言葉に有頂天。ルイサや元恋人に結婚する事を告げ、一人で式の準備を始め、別居を始めたルイサをたしなめる余裕を見せた。
迷えるオトナたちのネタバレあらすじ:転・アルベルト定職に就く?
ルイサに秘密で羊飼いの所でトラクターの扱いなども学び始めたアルベルトに、彼は15年前に妻に先立たれており、生前に優しくできなかった若い頃の自分と彼を重ねて心配しているのだと話し、手伝い分の賃金を渡した。
その足でルイサを迎えに行ったアルベルトだったが、彼女は既に帰宅済み。ようやく再会した二人は庭で本音を吐き、アルベルトはルイサと一緒に生きていきたいと告白した。
パコをランチでルイサと母に紹介しようとしたサラは、仕事だと断るパコにルイサの家で仕切り直す約束をしたが、母とルイサはサラだけが結婚へ先走っていると察した。
迷えるオトナたちの結末:それぞれの未来
服飾学校の家賃が払えず、二週間で退去を命じられたルイサは、その帰りに羊を追っているアルベルトと遭遇。秘密にしていた事を怒るが、彼はこの仕事が楽しいと話した。そして学校を片づけている時に訪ねて来た母は、彼女に自分の夢を追いかけ家で服を作るようにと軍資金を置いて行った。
あまりの大金に、母の売春を疑うルイサだったが、母親は元恋人とヨリを戻しており、ルイサはそんな母にお金を返した。
アルベルトの兄、フアンは恋人のナタリアに前妻との娘達を紹介するも失敗。さらに、互いに他の異性の存在を疑い、フアンが勝手にナタリアの家に上がり、相手の男がゲイだと暴くと、ナタリアは海外に引っ越す事を決めており、フアンを愛してはいるものの、目を閉じている間に去ってほしいと彼に別れを告げた。さらに、元妻の所に行くが彼女には既に新しい恋人がいた。
ルイサの家にパコを連れて行くために新しい車まで買ったサラ。しかし、食事の席でパコが結婚するつもりではないと知ったサラは、そのネットを暫く断つ事にした。
その後フアンは、結局介護施設に入らなかった父親に、自分と恋人との顛末を語った。
ルイサとアルベルトは無事二人目の子供を授かり、ルイサは家で服を受注し、アルベルトは羊飼いとして暮らしを謳歌するのだった。
以上、映画「迷えるオトナたち」のあらすじと結末でした。
迷えるオトナたちのレビュー・考察:ちょうどよい家族の距離感
個々に独立しても、関係はドライではなく、兄弟・姉妹、両親を含め常に互いの家を行き来したり、会食をする。血の繋がりの強さを感じる。その一方で、恋愛に関しては恋人同士である事を止めた時の冷静さ、切り替えの早さなどが伺える。ルイサとサラの姉妹は服飾学校とカフェ経営で腕を振い、フアンの元妻も看護師として働いていて、現実の失業率はともかく現役世代の女性が元気な印象を受けた。それと同時に、羊飼いや農業にやりがいを見出すアルベルトもおり、作家から羊飼いへの転職に周囲は驚いていたが、妻のルイサが何より彼に理解を示しているのが印象的だった。
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